「頬に赤いブツブツが丸く集まって、ニキビの薬を塗っても治らない」「とにかくかゆい」「数週間で治ったと思ったら、また同じような場所に出てくる」。20〜30代の方に多い病気で、日本で最初に詳しく報告されたことから、報告者の名前をとって「太藤(おおふじ)病」とも呼ばれます。
好酸球性膿疱性毛包炎とは(仕組み)
「好酸球」は白血球の一種で、アレルギーなどの反応に関わる細胞です。この病気では、毛穴(毛包)のまわりに好酸球が集まって炎症を起こし、小さな膿のブツブツ(膿疱)ができます。
膿といっても、細菌が原因でできる膿ではありません。そのため、細菌に効く抗菌薬を使っても良くならないことが多く、ここがニキビや一般的な毛包炎との大きな違いです。
なぜ好酸球が毛穴に集まるのか、はっきりした原因はまだ分かっていません。体質のほか、一部では免疫の状態や、特定の薬との関係が指摘されています。
症状・見分け方
典型的には、顔(頬・おでこ・あご)に、赤い斑の上に小さな膿のブツブツが集まり、縁に向かって輪のように広がる形をとります。中心は治りかけて茶色っぽくなり、縁のほうに新しいブツブツが並ぶことがあります。かゆみが強いのも特徴で、1〜数週間で治まっては、また出ることを繰り返します。顔のほか、背中や腕に出ることもあります。
| 病気 | 見た目 | かゆみ | 抗菌薬 |
|---|---|---|---|
| 好酸球性膿疱性毛包炎 | 膿のブツブツが輪のように集まる。中心は茶色く治りかける | 強い | 効きにくい |
| ニキビ | 白・黒ニキビが混じる。点々と散らばる | 少ない | 赤ニキビには効く |
| 細菌性の毛包炎 | 毛穴に一致した赤いブツブツや膿。輪の形にはなりにくい | 軽い〜痛み | 効く |
| 顔の水虫(顔面白癬) | 縁が赤く盛り上がった輪。小さな膿が出ることもある | ある | 効かない(抗真菌薬で治る) |
とくに顔の水虫は見た目がよく似ています。水虫にステロイドを塗ると悪化するため、皮膚科ではまず皮膚の表面を少し取って、カビ(真菌)がいないかを顕微鏡で確かめます。診断がはっきりしないときは、皮膚を小さく取って調べる検査(皮膚生検)を行うこともあります。
治療
治療の第一選択としてよく知られているのが、インドメタシンという痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)の飲み薬です。この病気には効きやすいことが報告されており、日本の皮膚科では広く使われています。ただし、この病気は薬の添付文書に書かれた適応症には含まれておらず、適応外の使い方になります。胃の不調などの副作用に注意しながら、医師の判断で使います。
そのほか、症状や体質に合わせて次のような治療を組み合わせます。
- 塗り薬: ステロイド外用薬や、ステロイド以外の炎症を抑える塗り薬で、赤みとかゆみを抑えます(水虫でないことを確かめたうえで使います)
- かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬): かゆみが強いときに併用します
- 紫外線治療: 繰り返す場合に検討することがあります
繰り返しやすい病気ですが、治療でかゆみと膿を抑えられることが多く、跡が残ることも多くありません。出始めたら早めに治療を再開すると、短い期間でおさまりやすくなります。
受診の目安
- 顔のブツブツが、ニキビの薬や市販薬で2〜3週間たっても良くならない
- 膿のブツブツが輪のように集まっている、かゆみが強い
- 治っては同じような場所に繰り返す
- 自己判断でステロイドを塗って、かえって広がった(顔の水虫の可能性があります)
いつから出たか、どのくらいで治まったかを書き留め、症状が出ているときの写真をスマートフォンで撮っておくと、症状が引いたあとの受診でも診断の手がかりになります。
よくある質問
人にうつりますか?
細菌やウイルスが原因の病気ではないので、人にうつることはありません。タオルを分ける必要もありません。ただ、見た目が似ている顔の水虫はうつることがあるため、最初に検査で区別しておくことが大切です。
膿を自分でつぶしてもいいですか?
つぶしても治りが早くなることはなく、かえって炎症を深くして跡を残す原因になります。かゆいときは、保冷剤をタオルで包んで当てるなど、冷やしてやり過ごしてください。
メイクはしてもいいですか?
刺激の少ないものを薄く使う程度なら問題ないことが多いです。ただ、新しい化粧品を使い始めた時期と症状が出た時期が重なる場合は、かぶれの可能性もあるため、受診のときに伝えてください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 白癬(みずむし・たむし)(確認日: 2026-10-02)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-10-02)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

