「ハロウィンでフェイスペイントをしたら、夜になって顔が赤くかゆくなった」「傷メイク用の接着剤をはがしたら、皮膚がヒリヒリする」「子どもにボディペイントをしてあげたいけれど、肌が弱いので心配」。仮装を楽しむイベントのあとは、こうした皮膚トラブルの相談が出てきます。
仮装メイクでかぶれる仕組み
皮膚のいちばん外側には、外からの刺激や異物の侵入を防ぐバリアがあります。仮装用のメイクは、ふだんの化粧品よりも色が濃く、厚く、広い範囲に、長時間塗ることが多く、さらに落とすときにこすりがちです。これらが重なると、バリアが傷んで刺激を受けやすくなります。
かぶれには大きく2つのタイプがあります。
- 刺激によるかぶれ: 成分の刺激や、こすり落としによる摩擦で起こります。誰にでも起こりうるもので、塗った場所全体がヒリヒリ赤くなります
- アレルギーによるかぶれ: 特定の成分に体が反応して起こります。一度反応するようになると、少量でも繰り返し起こり、塗った範囲より広がることもあります
症状と、原因になりやすいもの(見分け方)
| アイテム | 起こりやすいトラブル | 注意点 |
|---|---|---|
| フェイスペイント・ボディペイント | 塗った範囲の赤み・かゆみ | 「化粧品」として販売されているものを選ぶ。工作用の絵の具は使わない |
| 傷メイク用の接着剤・ラテックス | はがしたあとのヒリヒリ、かぶれ | 専用のリムーバーでゆっくりはがす。ゴムのアレルギーがある人は避ける |
| つけまつげの接着剤 | まぶたの腫れ・かゆみ | まぶたは皮膚が薄く、腫れやすい |
| ラメ・グリッター | 目に入る、こすって傷つける | 化粧品用のものを使う。目のまわりは避ける |
| 黒いタトゥーシール・ヘナ | 数日後に模様どおりの強いかぶれ | 黒いヘナには強いかぶれを起こす成分が含まれていることがある |
症状は、塗っている最中〜数時間後に出るもの(刺激によるもの)と、1〜2日たってから出るもの(アレルギーによるもの)があります。イベントの翌日以降に赤みやかゆみが出てくることもあるので、注意してください。
なお、黒いヘナや黒いタトゥーシールで強いかぶれを起こした方は、同じ系統の成分を含むヘアカラー(白髪染め)でもかぶれることがあると知られています。将来ヘアカラーを使うときのためにも、受診して原因を確かめておくことをおすすめします。
応急処置と治療
かぶれが出たら、まず原因を皮膚から取り除き、刺激を足さないことが大切です。
- やさしく落とす: ぬるま湯と、ふだん使っている低刺激の洗浄料で、泡をのせるようにして落とします。落ちにくいものは、こすらずに専用のリムーバーやクレンジングをなじませてから流します
- 冷やす: 清潔なタオルで包んだ保冷剤を当てると、赤みやかゆみがやわらぎます
- 新しい化粧品や市販薬を重ねない: 炎症が起きている皮膚は、ふだん使えている化粧品でも刺激になることがあります
- 目に入ったとき: こすらず、すぐに流水でよく洗い流してください。痛みや充血が続く場合は眼科を受診してください
皮膚科では、炎症を抑えるステロイド外用薬や、かゆみ止めの飲み薬を使います。顔やまぶたは皮膚が薄いので、部位に合った強さの薬を選びます。原因の成分をはっきりさせたい場合は、パッチテスト(疑わしいものを背中などに貼って反応をみる検査)を行うことがあります。
受診の目安
- 洗い流して冷やしても、赤みやかゆみが1〜2日で良くならない
- 水ぶくれやじくじくができた
- まぶたや唇が腫れている
- 塗った範囲を越えて、発疹が広がっている
- 黒いヘナやタトゥーシールのあとに、模様どおりのかぶれが出た
息苦しさ、全身のじんましん、顔やのどの急な腫れが出た場合は、すぐに119番に連絡してください。
よくある質問
子どもに使う前に、どうやって確かめればいいですか?
使う予定のメイク用品を、前日までに腕の内側に10円玉くらいの大きさで塗り、そのまま様子をみてください。赤み・かゆみ・ブツブツが出たら、その製品は使わないようにします。ただし、このテストで反応が出なくても、当日にかぶれないとは言い切れません。塗る範囲は必要な部分だけにとどめ、イベントが終わったらその日のうちに落としてください。
アトピー性皮膚炎がありますが、仮装メイクをしても大丈夫ですか?
湿疹が落ち着いている部分に、短時間だけ使う程度であれば楽しめることも多いです。湿疹が出ている部分や、治りかけの部分には塗らないでください。心配な場合は、顔ではなく服や小物で仮装を楽しむのもひとつの方法です。
かぶれた跡が茶色く残りました。消えますか?
炎症のあとに残る茶色いしみ(炎症後色素沈着)は、多くは数か月かけて薄くなっていきます。こすらないこと、紫外線を避けることが、早く薄くするためのポイントです。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-02)
- 日本眼科医会 目の健康情報(確認日: 2026-10-02)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

