「子どもに毎日日焼け止めを塗っているけれど、ビタミンDが足りなくならない?」「紫外線は浴びたほうが骨にいいと聞いた」。紫外線対策とビタミンDは、どちらも体のために大切なものとして紹介されるため、どちらを優先すればよいのか迷う方が多いテーマです。
ビタミンDと紫外線の関係(仕組み)
ビタミンDは、骨を丈夫に保つために欠かせない栄養素です。体に取り入れる方法は2つあります。
- 皮膚で作る: 日光に含まれる紫外線(UVB)が皮膚に当たると、皮膚の中でビタミンDが作られます
- 食事からとる: 鮭・さんま・いわしなどの魚、きのこ類(とくに日光に当てた干ししいたけ)、卵などに含まれます
日焼け止めは紫外線をさえぎるので、理論上はビタミンDを作る量を減らします。ただ、実際の生活では、日焼け止めを塗っていない部分があったり、塗る量が少なかったり、時間が経って落ちたりするため、完全に紫外線が届かなくなるわけではありません。日焼け止めを日常的に使っている人でも、ビタミンDの量が大きく下がるとは考えにくいとされています。
ビタミンDが不足しやすい人・見分け方
ビタミンD不足は、日焼け止めよりも、次のような条件が重なったときに起こりやすくなります。
| 不足しやすい状況 | 理由 |
|---|---|
| ほとんど外に出ない生活(入院中・高齢で外出が少ない など) | 日光に当たる機会そのものが少ない |
| 母乳だけで育てている乳児 | 母乳に含まれるビタミンDは多くない |
| 極端に紫外線を避けている(全身を覆い、外出も最小限) | 皮膚で作る量がとても少なくなる |
| 魚やきのこをほとんど食べない、食物アレルギーで食事制限がある | 食事からとる量が少ない |
| 冬・日照の少ない季節 | 紫外線が弱く、皮膚で作られる量が減る |
ビタミンDが不足しても、はっきりした自覚症状はないことがほとんどです。乳幼児ではO脚や成長の遅れ、大人では骨がもろくなることにつながる場合があります。心配な場合は、小児科や内科で血液検査をして確かめることができます。
紫外線対策とビタミンDを両立する方法
- 日焼け止めは続けてよい: 強い日差しの中で長時間過ごすとき、日焼けしやすい方は、日焼け止めを使ってください。日焼け(やけど)と、将来のしみ・皮膚の老化・皮膚がんのリスクを減らすことのほうが、確かめられた利益が大きいためです
- ふだんの外出で十分: 通勤や買い物、子どもの外遊びなど、日常の短い時間でも、手や顔に日光が当たればビタミンDは作られます。夏は短い時間で足り、冬は同じ量を作るのにより長い時間がかかります
- 食事でとる: 魚やきのこを週に何回か取り入れるのが、肌への負担なくビタミンDを補う方法です
- 日光浴はしない: ビタミンDのために、わざわざ肌を焼く日光浴をする必要はありません。日焼けをすると、作られる量には上限があるうえ、皮膚へのダメージだけが増えていきます
受診・相談の目安
- 乳児で母乳だけで育てていて、外に出る機会が少ない(小児科で相談してください)
- 光線過敏症などで、医師から強い紫外線対策を指示されている(食事やサプリメントでの補い方を主治医に相談してください)
- 骨折しやすい、骨粗しょう症を指摘されたことがある(内科・整形外科で相談してください)
- 日焼け止めでかぶれる、肌に合うものが見つからない(皮膚科で相談できます)
診察室でよく聞かれる質問
子どもには日焼け止めを塗らないほうがいいですか?
海や山など紫外線の強い場所で長く過ごすときは、子どもにも日焼け止めを使ってください。子どもの皮膚は薄く、日焼けでやけどのようになりやすいためです。ふだんの外遊びでは、帽子や日陰の活用を中心にし、日焼け止めは状況に応じて使えば十分です。
サプリメントでビタミンDを補ったほうがいいですか?
不足しやすい条件に当てはまる方は、医師と相談のうえで使うことがあります。ただ、ビタミンDはとりすぎると体に負担がかかる栄養素でもあるので、自己判断で多くとるのは避けてください。
日焼け止めを塗らない日を作ったほうがいいですか?
わざわざ作る必要はありません。日焼け止めを塗っていても、塗りムラや時間による落ちで紫外線はある程度届いています。顔は毎日の日焼け止め、手や腕は季節に応じて、という程度のメリハリで構いません。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-05)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-05)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

