とびひ(伝染性膿痂疹)とは?うつる仕組み・治療・登園やプールの目安

とびひ(伝染性膿痂疹)とは?うつる仕組み・治療・登園やプールの目安
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年9月14日執筆: あび皮膚科クリニック編集部監修: アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)医師紹介

とびひは、正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれる、細菌による皮膚の感染症です。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、接触によってうつり「火事の飛び火のようにあっという間に広がる」ことが名前の由来と説明されています。あせも・虫刺され・湿疹などを引っかいた傷や、転んでできた傷に細菌が二次感染して発症します。

適切な治療で治る病気ですが、放置して掻き続けると広がり、まれに全身に影響する合併症もあるとされています。水ぶくれやジクジクした部分が急に増えてきたら、早めに皮膚科の受診をご検討ください。

目次

とびひ(伝染性膿痂疹)とは

あご周りにかさぶた(痂皮)を伴う紅斑ができているとびひ(伝染性膿痂疹)の例
とびひ(伝染性膿痂疹)の例。水ぶくれが破れてかさぶたになり、掻いた手を介して広がります。※一般的な症状の例であり、当院の患者・治療結果ではありません写真: James Heilman, MD(Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0・縮小のみ改変なし)

ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌が原因の皮膚感染症です。特に幼児・小児では、鼻の入り口に細菌が常在しているため、鼻を触るくせがあると鼻の周りからとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されを引っかいて発症したりすることが多いと説明されています。

とびひの2つのタイプ

水疱性膿痂疹(水ぶくれができるタイプ)

とびひの多くを占めるタイプで、黄色ブドウ球菌が原因であることが多いです。菌が出す毒素(表皮剥脱毒素)が皮膚の細胞どうしのつながりを壊すことで水ぶくれができます。乳幼児・小児に多く、初夏から真夏にかけて発症しやすいとされています。掻き壊した部分の周りに小さな水ぶくれができ、破れてびらん(皮膚がむけた状態)となり、その浸出液によって周囲へ広がっていきます。

痂皮性膿痂疹(厚いかさぶたができるタイプ)

A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因であることが多いタイプです。季節にあまり関係なく、小児より成人に多くみられ、アトピー性皮膚炎に合併することが多いとされています。赤く腫れた部分に膿疱やびらん、厚いかさぶたができ、炎症が強く痛みを伴います。発熱やリンパ節の腫れなどの全身症状が出ることもあります。

治療の考え方

ごく軽い場合は抗菌薬の塗り薬で治療しますが、通常は抗菌薬の飲み薬を併用するとされています。かゆみが強い病気のため、掻き壊して広がるのを防ぐ目的で抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。なかなか治らない場合は、原因菌に薬が効きにくいこと(耐性)があるため、細菌培養で原因菌と効く薬を調べることがあります。溶連菌タイプではペニシリン系の抗菌薬が使われ、まれに腎障害を合併することがあるため、治ってからも尿検査で経過をみることがすすめられています。

処方された薬は自己判断でやめず、医師の指示どおりに使い切ることが大切です。

おうちでのケア — 洗ってもいい?

病変部は洗ってかまわないとされています。せっけんをよく泡立てて、そっと丁寧に洗い流します。入浴は湯ぶねにつからずシャワーがよく、きょうだいがいる場合は最後に入るようにします。入浴後は、浸出液が周囲につかないように、軟膏を塗ってガーゼなどで保護します。あわせて、手洗いの励行・爪を短く切る・鼻を触らない、といった予防も大切です。

受診の目安

  • 水ぶくれやジクジクした部分が急に増えて広がってきた
  • 発熱・リンパ節の腫れ・強い痛みなど、皮膚以外の症状がある
  • 市販薬などでケアしても数日たっても良くならない、繰り返す
  • アトピー性皮膚炎があり、急にかゆみ・浸出液が悪化した

登園・登校とプールはどうする?

伝染性膿痂疹は学校保健安全法で「学校感染症・第三種(その他の感染症)」に位置づけられています。日本皮膚科学会などの統一見解では、医師の治療を受け、病変部を外用処置してガーゼや包帯できちんと覆っていれば、原則として学校を休む必要はないとされています。ただし病変が広範囲の場合や全身症状がある場合は、休んで治療が必要なことがあります。

一方、プール・水泳は治るまで禁止というのが日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解です。プールの水ではうつりませんが、触れ合うことで悪化させたり、ほかの子にうつしたりする恐れがあるためです。

よくある質問

Q1. 一度かかったら、もうかかりませんか?

細菌が原因のため、ウイルス感染症と違って免疫は成立せず、何回でもかかるとされています。皮膚を清潔に保つ・傷をつくらない・爪を短く切る・手洗いをするなどの予防が大切です。

Q2. 大人もとびひになりますか?

通常は子どもに多い病気ですが、まれに大人もかかります。特に高齢の方は皮膚のバリア機能が低下しているため感染しやすく、水ぶくれができる別の病気(水疱性類天疱瘡など)との区別が必要になる場合もあるとされています。

Q3. 放っておくとどうなりますか?

通常は皮膚の病変にとどまりますが、まれにSSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)や敗血症、溶連菌による腎障害など全身に影響する状態が知られています。広がる前に治療を始めることがすすめられています。

参考情報

  • 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「とびひ」 – https://qa.dermatol.or.jp/qa13/index.html (2026年8月28日確認)
  • 日本小児皮膚科学会 こどもの皮膚Q&A「とびひ」(学校感染症・プールに関する統一見解を含む) – https://jspd.umin.jp/qa/02_tobihi.html (2026年8月28日確認)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状の診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は皮膚科の受診をご検討ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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