「バスケットボールの練習のあと、かかとに黒い点々があるのに気づいた」「足の裏のほくろが急に出てきた気がして心配」。足の裏の黒いものは、インターネットで調べるとメラノーマの話ばかりが出てきて不安になりがちです。実際には、スポーツの摩擦でできる内出血のことがよくあります。
ブラックヒールとは(仕組み)
急に止まる・方向を変える・跳ぶといった動きをくり返すと、靴の中でかかとの皮膚に横ずれの強い力(ずれ力)がかかります。すると皮膚の浅いところの細い血管が切れて、出血した血液が角質(皮膚の表面の硬い層)の中に閉じ込められ、黒い点として見えます。医学的には「踵部点状出血」、英語でタロン・ノワール(黒いかかと)と呼ばれます。
- バスケットボール・バレーボール・テニス・サッカー・陸上などをしている10〜20代に多い
- サイズの合わない靴、新しい靴、硬い床での練習がきっかけになる
- かかとの後ろや横のふち、足の指の付け根などにできる
症状・見分け方
ブラックヒールは、黒〜赤紫色の小さな点が、ゴマを散らしたように集まって出ます。痛みやかゆみはなく、押しても変化しません。運動量の多い時期に急に出てくるのが手がかりです。
| 考えられる原因 | 見た目 | 手がかり |
|---|---|---|
| ブラックヒール(内出血) | 黒〜赤紫の小さな点の集まり | スポーツのあとに急に出る。数週間で薄くなる |
| 足の裏のほくろ | 茶色〜黒の小さな斑。形は整っている | 長い間、大きさや色が変わらない |
| メラノーマ(悪性黒色腫) | 色むらのある黒いしみ。ふちがぼやける・にじむ | だんだん大きくなる。形がいびつ |
| 血まめ | ふくらんだ赤黒い水ぶくれ | はっきりした強い圧迫や摩擦のあと。痛みがある |
皮膚科では、ダーモスコピーという拡大鏡で黒い点を観察します。足の裏の皮膚には細かい溝と山があり、色素がどちらに沿って並ぶかで、ほくろ・メラノーマ・内出血をある程度見分けられます。さらに、表面の角質を少しだけ削ると、内出血なら色が取れることが多く、これも区別の手がかりになります。痛みはほとんどありません。
治療・セルフケア
ブラックヒールは治療をしなくても自然に消えていきます。角質が新しく入れ替わるにつれて、閉じ込められた血液が押し上げられ、数週間ほどで薄くなります。
- 靴を見直す: かかとが靴の中で動かないサイズとひも締めにします。かかとの浮きやずれを減らすだけで、再発がかなり減ります
- 靴下を工夫する: 厚手のスポーツソックスや、2枚重ねで摩擦を減らす方法もあります
- 自分で削らない: 爪切りやカミソリで削ると、傷から細菌が入ることがあります。気になる場合は皮膚科で処置します
運動を休む必要はありません。痛みが出るようなら、靴ずれや血まめになっている可能性があるので、保護してください。
受診の目安
- 足の裏やかかとに、初めて黒いものができた(一度は確かめておくと安心です)
- 運動を休んでも、1〜2か月たって色が薄くならない
- 黒いしみが少しずつ大きくなる、色むらがある、ふちがにじむ
- しみの一部が盛り上がってきた、または出血・ただれがある
- 爪に黒い縦線が出てきた、広がってきた
運動のきっかけがなく、ゆっくり大きくなる黒いしみは、内出血ではない可能性があります。この場合は早めに受診してください。
診察室でよく聞かれる質問
写真を撮っておいたほうがいいですか?
おすすめです。気づいた日に定規を横に置いて撮っておくと、2〜3週間後に比べて「薄くなっているか」「大きくなっているか」が分かりやすくなります。受診のときにも役立ちます。
部活を休む必要はありますか?
ブラックヒールであれば休む必要はありません。靴とひもの締め方を見直しながら続けてください。
何度も同じ場所にできます。
同じ場所に繰り返すのは、靴の中でかかとがずれているサインです。インソールやかかとの固定がしっかりした靴に替えることを考えてみてください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A メラノーマ(確認日: 2026-10-06)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-10-06)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-06)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

