「ゴム手袋をはめたら、手が赤く腫れてかゆくなった」「料理で生の食材を触ったら手がブツブツになった」「ペットを触ったところが盛り上がった」。触れてすぐに出て、しばらくすると消える発疹は、かぶれ(接触皮膚炎)ではなく接触蕁麻疹かもしれません。似ているようで、仕組みも対処も違います。
接触蕁麻疹とは(仕組み)
接触蕁麻疹は、ある物質が皮膚に触れたことで、皮膚の中でヒスタミンなどのかゆみ物質が放出され、触れた場所に蕁麻疹(膨疹)が出る状態です。大きく2つのタイプがあります。
- アレルギー性: 特定の物質(ラテックス・食物・動物の毛やだ液など)に体が反応して起こります。反応が強いと、触れた場所を越えて全身の蕁麻疹や、息苦しさ(アナフィラキシー)につながることがあります
- 非アレルギー性: 物質そのものの刺激でかゆみ物質が出るタイプです。イラクサなどの植物、一部の虫や化学物質で起こり、誰にでも起こり得ます。多くは触れた場所だけで治まります
かぶれ(接触皮膚炎)との大きな違いは、出るまでの時間と消え方です。かぶれは触れてから半日〜2日ほどして出て、数日〜1週間以上続きます。接触蕁麻疹は触れてすぐ出て、数時間で跡を残さず消えるのが特徴です。
症状・見分け方
| ポイント | 接触蕁麻疹 | かぶれ(接触皮膚炎) |
|---|---|---|
| 出るまでの時間 | 数分〜30分ほど | 半日〜2日ほど |
| 見た目 | 赤く盛り上がる(ミミズ腫れ・地図状) | 赤み・ブツブツ・水ぶくれ・ジュクジュク |
| 消え方 | 数時間で跡を残さず消える | 数日〜1週間以上続き、皮むけを残す |
| 全身への広がり | アレルギー性では全身や呼吸に及ぶことがある | 基本的に触れた場所が中心 |
原因として多いものは次のとおりです。
- ゴム製品(ラテックス): ゴム手袋、風船など。医療・介護・調理の仕事で多くなります
- 食物: 生の魚介・肉・野菜・果物など。調理中に手に出ることが多く、手荒れがあると起こりやすくなります
- 動物: 犬や猫のだ液、毛
- 植物・虫: イラクサ、毛虫など
- 化粧品・ヘアケア製品の一部
治療・セルフケア
- 出たとき: 原因と思われるものから離れ、触れた場所を流水でよく洗い流します。かゆみが強ければ冷やします
- 飲み薬: かゆみや膨疹には、抗ヒスタミン薬(かゆみ止めの飲み薬)が効きます
- 原因を確かめる: くり返す場合は、どんなときに出るかを記録し、必要に応じて血液検査やプリックテスト(皮膚に少量をつけて反応を見る検査)などで原因を調べます
- 原因を避ける: 原因が分かれば、その物質を避けることがいちばんの予防です。ラテックスが原因なら、ニトリルなど別の素材の手袋に替えます
手荒れがあると、皮膚のバリアが弱って物質が入り込みやすくなり、接触蕁麻疹が起こりやすくなります。手荒れを治すことも予防の一部です。
ラテックスにアレルギーがある人は、バナナ・アボカド・キウイなど一部の果物でも症状が出ることがあります(ラテックス・フルーツ症候群)。思い当たる場合は医師に伝えてください。
受診の目安
- 唇・まぶた・のどが腫れる、息苦しい、声がかすれる、ぐったりする(すぐに救急受診。救急車を呼んでください)
- 触れた場所を越えて、全身に蕁麻疹が広がった
- 同じものに触れるたびに出る、仕事で避けられない
- 手荒れがあり、調理や手袋で毎回のように出る
判断に迷うときは、救急安心センター(#7119)に相談できます。
診察室でよく聞かれる質問
触ってすぐ治まったので、受診しなくても大丈夫ですか?
触れた場所だけで、すぐに治まったのであれば、原因を避けて様子を見てもかまいません。ただ、くり返す場合や、だんだん強く出るようになった場合は、全身の反応につながる前に原因を確かめてください。
食べても大丈夫ですか?
触ると出る食べ物でも、食べて症状が出るかどうかは人によって違います。触れて症状が出る食べ物を食べて、口のかゆみや全身の症状が出たことがある場合は、自己判断で食べ続けず相談してください。
受診するときに準備しておくことはありますか?
出たときの写真を撮っておくと役立ちます。蕁麻疹は受診するころには消えていることが多いためです。何を触って、何分後に出て、どのくらいで消えたかもメモしておいてください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-07)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-07)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

