「皮膚科で透明なテープを出された」「シールみたいな薬を毎日貼るように言われた」。ステロイドには塗り薬だけでなく、薬を含んだテープを皮膚に貼るタイプがあります。どんなときに使い、何に気をつければよいのかを説明します。
ステロイドテープとは(仕組み)
薄いフィルムの片面に、ステロイドを含む粘着面がついた貼り薬です。患部の大きさに合わせてハサミで切って使います。
塗り薬との大きな違いは、フィルムで覆うことで薬が皮膚に浸み込みやすくなる点です(これを密封の効果といいます)。さらに、テープが物理的なカバーになるため、掻けなくなる・こすれから守られるという利点もあります。
- 同じ成分でも、塗るより貼る方が効き目が強く出やすい
- 薬が衣類や手で取れにくく、効果が安定する
- 掻き壊しのくり返し(かゆい→掻く→さらに厚くなる)を断ち切りやすい
症状・見分け: どんな病気に使うか
| 病気・症状 | テープを使う理由 |
|---|---|
| 痒疹(かゆいしこり)・慢性単純性苔癬(掻きすぎて厚くなった湿疹) | 皮膚が厚く、塗り薬が届きにくい。掻くのを防ぐ |
| 指先・手のひらのひび割れを伴う手湿疹 | 水仕事で塗り薬が落ちやすい。割れ目を保護する |
| ケロイド・肥厚性瘢痕 | 盛り上がり・赤み・かゆみ・痛みを和らげる |
| かかと・足の裏の厚い湿疹 | 角質が厚く、薬が浸み込みにくい |
逆に、じくじくした湿疹、水虫やカンジダなどカビ(真菌)や細菌の感染がある場所には向きません。密封すると感染が悪化することがあるためです。
治療・セルフケア: 正しい貼り方
- 患部より少し大きめに切る: 角を丸く切ると、はがれにくくなります
- 皮膚を清潔にし、水気を拭いてから貼る: 入浴後、肌が乾いてから貼ると密着しやすくなります
- 1日1回を目安に貼り替える: 処方されたときの指示に従ってください。ケロイドなどでは夜だけ貼る方法をとることもあります
- 正常な皮膚にはなるべくかからないように: 健康な皮膚に長く貼ると、薄くなる・赤くなるといった副作用が出やすくなります
- はがすときはゆっくり: 皮膚を押さえながら、毛の流れに沿ってはがします。かぶれやすい人は、はがす前にお湯でふやかすと楽です
実際には「指先だけすぐはがれる」「関節に貼りにくい」という声がよくあります。指先は先を少し余らせて折り返す、関節は切れ込みを入れるなど、診察時に貼り方を一緒に確認すると続けやすくなります。
注意したい副作用
- テープかぶれ: 粘着剤で赤くなる、かゆくなることがあります。テープの形に沿って赤くなる場合は、いったん中止して相談してください
- 皮膚が薄くなる・血管が透けて見える: 長期間、同じ場所に貼り続けた場合に起こり得ます。良くなってきたら、貼る日を減らす、塗り薬に替えるなどして調整します
- ニキビや毛包炎: 密封で毛穴が詰まり、ブツブツが出ることがあります
こうした副作用は、場所と期間を守って使えば多くは避けられます。強い薬というより、狙った場所にだけ効かせられる薬と考えてください。
受診の目安
- 2週間ほど貼っても、かゆみ・厚みが変わらない
- テープの形に沿って赤くかぶれた
- 貼った場所がじくじくしてきた、膿が出た
- テープが余ったので、別の場所や家族に使ってよいか迷っている(自己判断で使わないでください)
診察室でよく聞かれる質問
市販の絆創膏の上から塗り薬を貼るのと同じですか?
考え方は似ていますが、テープ剤は薬の量が一定で、貼るだけで済むのが利点です。塗り薬を絆創膏で覆う方法は、密封の強さが安定しないため、自己判断では行わない方が安全です。
お風呂のときはどうしますか?
入浴前にはがし、入浴後に新しいものを貼るのが一般的です。水仕事が多い場合は、貼った上からゴム手袋などで保護すると長持ちします。
顔に貼ってもいいですか?
顔の皮膚は薄く、副作用が出やすいため、基本的には使いません。医師が必要と判断した場合のみ、期間を区切って使います。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ケロイド(確認日: 2026-10-08)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-08)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

