「子どもの頬に、赤い点がぽつんとできた」「よく見ると周りに細い線が伸びている」「押すと消える」。くも状血管腫は、顔や首、手の甲などに見られる小さな血管のできものです。見た目の特徴と、様子を見てよい場合・受診したい場合を整理します。
くも状血管腫とは(仕組み)
皮膚の浅いところにある細い動脈が広がり、中心の1点から周りへ放射状に細い血管が伸びた状態です。名前のとおり、クモが脚を広げたような形に見えます。
- 子ども: 幼児〜学童期の顔(頬・目の下・鼻)や手の甲によく見られます。はっきりした原因はなく、健康な子どもにできるものです
- 妊娠中の女性: ホルモンの影響で一時的に増えることがあり、出産後に薄くなることが多いです
- 大人で数が多い場合: 肝臓の病気(慢性肝炎・肝硬変など)のサインとして、胸や首、肩のまわりに多発することがあります
症状・ほかの赤いできものとの見分け
くも状血管腫には、次のような特徴があります。
- 大きさは数mm〜1cmほど。中心の点がわずかに盛り上がっていることもある
- 中心を細い棒などで押すと、周りの赤い線がスッと消え、離すと中心から再び広がる
- 痛みやかゆみはない
| できもの | 見た目 | 主にできる人 |
|---|---|---|
| くも状血管腫 | 中心の赤い点+放射状の細い血管 | 子ども・妊娠中・肝臓の病気がある人 |
| 老人性血管腫(赤いほくろ) | ドーム状の真っ赤な小さい粒。線は伸びない | 30代以降に増える |
| 毛細血管拡張症 | 細い血管が網目状・線状に見える。中心の点はない | 頬や小鼻。日光・寒暖差の影響 |
| 化膿性肉芽腫 | 短期間で大きくなる赤いこぶ。出血しやすい | 子ども・妊娠中・けがの後 |
短い期間でどんどん大きくなる、出血をくり返すといった場合は、くも状血管腫ではなく別のできものを考えます。
治療・セルフケア
くも状血管腫は良性で、体に害はありません。子どもの場合は、成長とともに目立たなくなることも多く、まずは様子を見るのが基本です。妊娠中にできたものも、出産後しばらく待つと薄くなることがあります。
見た目が気になる、何年たっても消えないという場合は、色素レーザーなどの血管に反応するレーザーで治療します。中心の血管に当てることで、1〜数回で目立たなくなることが多い治療です。状態によっては保険が適用されることがあり、適用の判断は医療機関ごとに異なります。
レーザーの後は、数日〜1週間ほど、紫色の内出血やかさぶたが出ることがあります。小さなお子さんでは、痛みを抑える塗る麻酔を使うことが一般的です。
大人で数が増えてきた場合は、見た目の治療の前に、肝臓の状態を内科で確認しておくことをおすすめします。
受診の目安
- 大人になってから、胸・首・肩まわりに同じような赤い点が次々に増えてきた
- 手のひらが赤い、白目が黄色い、おなかが張るなど、ほかの体の変化もある
- 赤いできものが短期間で大きくなる、出血をくり返す
- 子どもで、顔の目立つ場所にあり本人が気にしている
診察室でよく聞かれる質問
子どもの赤い点は、ぶつけたことが原因ですか?
ぶつけたことが原因でできるものではありません。気づいたきっかけがけがの後だった、ということはよくあります。
治療するなら何歳からがいいですか?
決まった年齢はありません。自然に薄くなるかを見ながら、本人が気にし始めた時期や、じっとしていられる年齢かどうかで相談して決めます。
レーザーの後にまた出てきますか?
同じ場所に再び出ることもあります。その場合は追加で照射することで対応できることが多いです。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-08)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-08)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

