「鼻だけがだんだん大きく、赤くなってきた」「毛穴が開いてゴツゴツしている」「お酒を飲む人だと思われるのがつらい」。鼻瘤は中高年の男性に多く、見た目の悩みが大きい病気です。何が起きているのか、どう治療するのかを説明します。
鼻瘤とは(仕組み)
鼻瘤は、顔の赤みやほてりが続く酒さという病気の一つのタイプです。鼻の皮膚で、皮脂をつくる組織(皮脂腺)と、その周りの組織が厚く増えて、鼻が膨らんだようになります。
酒さは、顔の血管が広がりやすい体質に、紫外線、寒暖差、刺激物、皮膚にすむダニ(ニキビダニ)などが重なって起こると考えられています。鼻瘤になるのは酒さの一部の方で、とくに40〜50代以降の男性に多く見られます。
「鼻が赤い=お酒の飲みすぎ」というイメージがありますが、お酒を飲まない方にも起こります。お酒は顔を赤くして症状を一時的に目立たせることはありますが、鼻瘤の直接の原因ではありません。
症状・見分け
はじめは鼻の赤みと毛穴の開きが目立つ程度ですが、進むと次のように変わります。
- 鼻の先・小鼻が赤〜赤紫色になる
- 毛穴が大きく開き、皮脂が多く出る
- 皮膚が厚くなり、表面がデコボコ・ゴツゴツしてくる
- 鼻全体が大きく見えるようになる
| 考えられるもの | 見た目 | ポイント |
|---|---|---|
| 鼻瘤(酒さ) | 鼻全体が赤く厚く、デコボコ | ゆっくり進む。頬の赤みを伴うことも |
| 脂腺増殖症 | 黄色っぽい小さな粒。中央がへこむ | 粒が点在する。鼻全体は膨らまない |
| 基底細胞がん | 黒っぽい、または光沢のあるしこり。中央がただれることも | 一か所だけが盛り上がる、出血する |
| 鼻の毛包炎・せつ | 赤く腫れて痛い | 数日で急に腫れる。膿をもつ |
鼻の一部分だけが盛り上がる、出血する、ただれが治らない場合は、皮膚がんとの見分けが必要です。
治療
治療は、赤み・炎症を抑える治療と、膨らんだ形を整える治療の2つに分けて考えます。
まだ膨らみが軽い段階では、酒さの治療を行います。酒さの塗り薬(保険適用の外用薬があります)や、炎症を抑える目的の飲み薬(酒さへの使用は適応外になるものがあります)を使い、進行を抑えます。あわせて、紫外線対策、刺激の強い洗顔を避ける、急な温度変化を避けるなど、悪化のきっかけを減らします。
すでに厚く膨らんでしまった部分は、塗り薬や飲み薬では元に戻りません。この場合は、炭酸ガスレーザーや電気メスで厚くなった組織を少しずつ削り、鼻の形を整える治療を検討します。局所麻酔で行い、削った部分は数週間かけて新しい皮膚で覆われます。削ったあとも、酒さの治療を続けないと再び厚くなることがあります。
※レーザーによる形を整える治療は、内容によって保険適用にならない場合があります。自由診療となる場合、費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、赤みの長期化、色素沈着、傷あとが残ることがあります。
受診の目安
- 鼻の赤みと毛穴の開きが、数か月以上続いている
- 鼻が以前より大きくなった、デコボコしてきた
- 鼻の一部だけが盛り上がる、出血する、ただれが治らない
- 頬や額の赤み・ほてりも続いている
早い段階で治療を始めるほど、膨らみが進むのを抑えやすくなります。
診察室でよく聞かれる質問
お酒はやめた方がいいですか?
お酒は原因ではありませんが、飲むと顔が赤くなり、赤みやほてりを強めることがあります。症状が強いときは量を控えると楽になることがあります。
毛穴の皮脂を押し出してもいいですか?
押し出すと炎症が強くなり、かえって赤みや腫れが悪化することがあります。洗顔はぬるま湯でやさしく行い、こすらないでください。
削ったら元通りになりますか?
形はかなり整えられますが、完全に元の鼻に戻すことを約束できる治療ではありません。どこまで整えたいか、ダウンタイムをどれくらい取れるかを相談して計画します。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-09)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-09)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

