「白いシャツの脇だけが黄ばむ」「汗を拭いたタオルが黄色っぽい」「自分だけ汗の色がおかしいのでは」。汗の色は人に相談しにくく、ひとりで悩んでいる方が少なくありません。汗はもともと無色透明です。それでも黄色く見えるのには理由があり、その理由によって対処が変わります。
汗が黄色く見える仕組みとは
汗を出す腺(汗腺)には2種類あります。
- エクリン汗腺: 全身にあり、体温を下げるための汗を出します。ほとんどが水で、色もにおいもほぼありません
- アポクリン汗腺: 脇・乳輪・陰部など限られた場所にあり、毛穴の中に汗を出します。たんぱく質や脂質を含み、少しとろみがあります
アポクリン汗腺の汗そのものは、出た直後はほぼ無色です。ところが皮膚の表面にいる細菌がこの成分を分解したり、時間がたって酸化したりすると、黄色っぽく変わります。これが衣類の脇の黄ばみの正体です。同じ仕組みでにおいも生まれるため、黄ばみやすい人は、脇のにおいも気になりやすい傾向があります。
症状・見分け
汗が黄色い原因は、大きく次の4つに分けられます。頻度の高い順に並べています。
| 考えられるもの | 特徴 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| アポクリン汗の変色(体質) | シャツの脇がじわじわ黄ばむ。汗そのものはほぼ無色 | 耳あかがしっとりしている人、脇のにおいが気になる人に多い |
| 腋毛の細菌の病気(腋毛部の毛菌症) | 脇の毛に黄色〜茶色の小さな粒がこびりつく。汗や衣類が黄色く染まる | 脇の毛をよく見ると、毛の表面がざらざらしている |
| 色汗症 | 顔(頬・額)や脇から、黄・緑・青・黒など色のついた汗が出る | まれ。拭き取ると色がつく。若い人に多いとされる |
| 体の中の変化 | 汗だけでなく、皮膚や白目も黄色い | 白目が黄色ければ黄疸(肝臓などの病気)を考え、内科の受診が先 |
手のひらや足の裏が黄色いときは、みかんやかぼちゃを多く食べたことによる「柑皮症」のこともあります。この場合は白目は黄色くなりません。
治療・セルフケア
体質による黄ばみ
病気ではないので、治療は必須ではありません。気になる場合は、汗と細菌を減らすことが基本です。
- 汗をかいたら早めに拭く・洗う: 細菌が汗を分解する前に取り除くと、変色もにおいも出にくくなります
- 制汗剤を使う: 汗の量そのものを減らします。塗るのは汗をかく前、寝る前が効果的とされています。理由は、汗が少ない時間帯のほうが成分が汗腺の出口にとどまりやすいためです
- 衣類は早めに洗う: 時間がたつと酸化して黄ばみが落ちにくくなります。汗取りパッド付きの肌着も役立ちます
腋毛の細菌の病気
脇の毛を短く切るか剃るだけで、多くは改善します。細菌の住みかになっている毛を減らすためです。あわせて、細菌に効く塗り薬を使うこともあります。剃ったあとは制汗剤や殺菌成分の入ったデオドラントで再発を防ぎます。
色汗症
汗の量を減らす治療(制汗剤、汗を抑える治療)を中心に行います。原因がはっきりしないことも多く、時間とともに落ち着くこともあります。まれな病気のため、ほかの原因ではないかをまず確かめます。
においも強く気になる場合
黄ばみと強いにおいが両方ある場合は、ワキガ(腋臭症)として治療を相談できます。保険の塗り薬から手術まで選択肢があります(関連記事: ワキガ(腋臭症)とセルフチェック)。
受診の目安
- 脇の毛に黄色い粒がついている、毛がざらざらしている
- 顔や脇から、色のついた汗が出る
- 黄ばみに加えて、脇のにおいで生活に支障がある
- 脇が赤くかゆい、ただれている(かぶれや、カビ・細菌の感染のことがあります)
- 白目も黄色い、尿の色が濃い、だるい(この場合は内科を先に受診してください)
診察室でよく聞かれる質問
黄色い汗は、何かの病気のサインですか?
多くは体質によるもので、病気のサインではありません。脇以外の汗は黄色くなく、白目も黄色くなければ、まず心配はいりません。白目や皮膚全体が黄色い場合は、肝臓などの病気を確かめるために内科を受診してください。
食べ物で汗の色は変わりますか?
汗そのものの色が食べ物で変わることはほとんどありません。ただし、にんにくや香辛料などで汗のにおいが変わることはあります。黄ばみ対策としては、食事を変えるよりも、汗をこまめに拭き、制汗剤を使うほうが現実的です。
黄ばんだシャツは、どう洗えばいいですか?
黄ばみは汗の脂質やたんぱく質が残って酸化したものなので、着たらなるべく早く洗うのが一番です。皮膚の悩みとしては、衣類の対策と同時に、汗と細菌を減らすケアを続けると、黄ばみそのものが出にくくなります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 汗の病気(確認日: 2026-10-13)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-13)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

