ワキや胸のほくろのようなもの・ふくらみは副乳?見分け方と取りたいときの相談先

ワキや胸のほくろのようなもの・ふくらみは副乳?見分け方と取りたいときの相談先
DERMATOLOGY GUIDE | DERMATOLOGIC SURGERY
更新日: 2026年10月15日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「胸の下にほくろのようなものがあって、よく見ると乳首に似ている」「生理前になるとワキがふくらんで痛い」。こうした相談は診察室でもよくあります。多くは副乳と呼ばれる、生まれつきの体のつくりによるものです。

目次

副乳とは(仕組み)

お母さんのお腹の中にいる胎児のころ、ワキから足の付け根にかけて、左右1本ずつ「乳腺のもとになる線(ミルクライン)」があります。ふつうは胸の1対だけが残り、ほかは消えていきます。この線の途中が消えずに残ったものが副乳です。

男女どちらにも見られ、珍しいものではありません。残り方によって、次のようないくつかのタイプがあります。

  • 副乳頭(ふくにゅうとう): 乳首だけが小さく残ったもの。茶色い小さなポツッとしたもので、ほくろと間違われやすい
  • ワキの副乳(乳腺組織): ワキの下に乳腺が残ったもの。やわらかいふくらみとして触れ、生理前や妊娠・授乳中に張ったり痛んだりする
  • 両方がそろったもの: 乳首と乳腺の両方が残ったもの。授乳期に母乳がにじむこともある

症状・見分け

副乳頭は、胸の乳首からお腹に向かう線上(乳首の少し下あたりが多い)や、ワキに見られます。よく見ると中央が少しへこんでいたり、まわりがうっすら色づいていたりして、小さな乳首のような形をしています。

ワキの副乳は、ワキの前側にやわらかいふくらみとして触れます。生理前に大きくなり、生理が終わると小さくなる、というように周期で変わるのが特徴です。

考えられるもの 見た目・触った感じ 見分けのポイント
副乳(副乳頭) 茶色の小さなポツッとしたもの。中央が少しへこむことがある 乳首と同じ線上にある。何年も変わらない
ワキの副乳(乳腺) やわらかいふくらみ 生理前・妊娠中に張る。周期で大きさが変わる
ほくろ 茶色〜黒の平らまたは盛り上がった点 線上に並ぶとは限らない。中央のへこみはない
粉瘤 皮膚の下の丸いしこり。中央に黒い点があることも 押すと臭いものが出ることがある。炎症で赤く腫れる
リンパ節の腫れ ワキの奥のコリッとしたしこり かぜやけが、ワクチン接種のあとに一時的に腫れることがある

ワキのしこり全体の見分けは(関連記事: ワキのしこり)でも詳しく解説しています。

治療・セルフケア

副乳は病気ではないため、困っていなければそのままで問題ありません。見た目が気になる、下着がこすれて痛い、生理前の張りがつらい、といった場合に、切り取る手術を検討します。

  • 副乳頭: 小さなものは局所麻酔で切り取り、縫って閉じる日帰り手術で対応できることが多いです
  • ワキの副乳(乳腺): 乳腺組織の範囲が広い場合は、乳腺外科や形成外科での手術になることがあります

見た目を整えるための切除は、自由診療になる場合があります。保険が使えるかどうかは、症状の有無や診断によって変わるため、診察時に確認してください。手術には、傷あとが残る、まれに出血や感染が起こるといったリスクがあります。

※見た目を目的とした切除は自由診療となる場合があります。費用は医療機関ごとに異なり、仕上がりの感じ方には個人差があります。

生理前の張りや痛みが強いときは、きつい下着を避け、締め付けの少ないものを選ぶと楽になります。ふくらみを強くもんだり押したりすると、かえって痛みが長引くことがあるので避けましょう。

受診の目安

  • ほくろなのか副乳なのか、はっきりさせたい
  • 色が濃くなってきた、形がいびつになってきた、出血する
  • ワキのしこりが硬く、周期に関係なく大きくなっていく
  • 赤く腫れて痛い、膿が出る
  • 見た目や下着のこすれが気になり、取りたい

副乳にも乳腺が含まれるため、まれに胸と同じように乳腺の病気が起こることがあります。乳がん検診を受けるときは、ワキに副乳があることを伝えておくと安心です。硬いしこりが周期と関係なく大きくなる場合は、乳腺外科の受診をおすすめします。

診察室でよく聞かれる質問

副乳は遺伝しますか?

家族の中に同じように副乳がある方は少なくありません。ただし、遺伝の仕組みがはっきり分かっているわけではなく、副乳があるからといって、ほかの病気が隠れていると心配する必要はほとんどありません。

授乳中にワキが腫れて痛いのですが、大丈夫ですか?

出産後、ワキの副乳が母乳で張って腫れることはよくあります。多くは授乳が落ち着くにつれて小さくなります。冷やすと楽になることがあります。ただし、赤みや熱感が強い、発熱がある場合は乳腺炎のこともあるため、産婦人科や乳腺外科に相談してください。

自分で取ってもいいですか?

やめてください。糸でしばる、削るなどの方法は、出血や感染、傷あとの原因になります。また、ほくろや皮膚のできものだった場合、正しい診断ができなくなります。取りたい場合は医療機関で相談しましょう。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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