「かさぶたが気になって、ついはがしてしまう」「かさぶたが取れた後、ピンク色や茶色い跡が残った」。小さな傷でも、跡が残るかどうかは気になるものです。かさぶたの役割と、跡を残しにくい手当てを整理します。
かさぶたとは(仕組み)
傷ができると、出てきた血液や体液が固まって傷口をふさぎます。これが乾いて硬くなったものがかさぶたです。かさぶたは、傷口から細菌が入るのを防ぐふたの役目をしています。
一方で、新しい皮膚の細胞は、乾いた場所よりも潤った場所のほうが動きやすく、傷のふちから中心へ伸びていきやすいことが分かっています。かさぶたが厚くできると、新しい皮膚はその下にもぐり込むように進むため、治るまでに時間がかかりやすくなります。そのため、最近は傷を乾かさずに潤った状態で守る手当て(湿潤療法)が広く行われています(関連記事: すり傷・切り傷の正しい手当て)。
症状・見分け
| かさぶたの状態 | 考えられること |
|---|---|
| 茶色〜黒っぽく乾いて、周りの赤みが少ない | 順調に治っている途中 |
| 黄色っぽく、ジュクジュクしている | 体液が多い状態。黄色く厚いかさぶたが広がる場合は、とびひなどの細菌感染のことも |
| 周りが赤く腫れ、熱をもって痛む | 細菌感染の可能性 |
| 取れてはまたできる、をくり返して1か月以上 | 治りにくい傷。皮膚の病気や血の流れの問題が隠れていることがある |
かさぶたが取れた後の跡には、主に次の2つがあります。
- ピンク色・赤い跡: 新しい皮膚の下で血管が増えている状態です。多くは数か月かけて、周りの肌の色に近づいていきます
- 茶色い跡: 傷の炎症の後に、メラニンという色素が増えたものです(炎症後色素沈着)。紫外線を浴びると濃くなりやすく、半年〜1年ほどかけて薄くなっていくことが多いです
治療・セルフケア
かさぶたができる前(傷ができたばかり)
- 水道水で砂や汚れをよく洗い流す
- ワセリンを塗ってガーゼや絆創膏で覆うか、ハイドロコロイドの絆創膏を貼る
- 傷を乾かさずに守ると、厚いかさぶたができにくくなる
かさぶたができてしまったら
- 無理にはがさない: まだくっついているかさぶたをはがすと、下でできかけた新しい皮膚まで一緒にはがれ、傷が深くなって跡が残りやすくなります
- ワセリンなどで柔らかく保つ: かさぶたが乾いて割れると、引きつれて痛みます。上から薄く塗っておくと、ひび割れにくくなります
- かゆいときは冷やす: 治りかけの傷はかゆくなりやすいものです。掻く代わりに保冷剤をタオルで包んで当てます
かさぶたが取れた後
- 紫外線を避ける: 新しい皮膚は日焼けしやすく、茶色い跡が濃く残る原因になります。日焼け止めや絆創膏、衣類で数か月は覆うようにします
- 保湿を続ける: 新しい皮膚は乾燥しやすく、かゆみも出やすいためです
- こすらない: 摩擦も色素沈着を濃くする原因になります
茶色い跡がなかなか薄くならない場合は、美白の塗り薬やレーザーなどの方法もあります(関連記事: 炎症後色素沈着)。
受診の目安
- かさぶたの周りが赤く腫れる、膿が出る、熱をもつ
- 黄色いかさぶたが周りに広がる(とびひの可能性)
- 1か月以上、かさぶたができては取れるをくり返す
- 傷あとが盛り上がって赤く硬くなってきた(ケロイド・肥厚性瘢痕の可能性)
- 顔の傷で、跡が残らないか心配
傷がなくても、同じ場所にかさぶたがくり返しできる場合は、皮膚がんなどの病気が隠れていることもあります。長く続くものは一度見てもらってください。
診察室でよく聞かれる質問
かさぶたがはがれそうで引っかかります。切ってもいいですか?
端が浮いていて服などに引っかかる場合は、浮いている部分だけを清潔なはさみで切り取ってかまいません。くっついている部分は残してください。
お風呂でかさぶたがふやけてしまいます
入浴でかさぶたがふやけるのは問題ありません。こすらずに、上がったら清潔なタオルでそっと押さえて水分をとり、ワセリンなどで保護してください。
子どもがかさぶたをはがしてしまいます
かさぶたが見えるとつい触ってしまうので、絆創膏で覆って見えなくするのが効果的です。かゆみが原因のことも多いため、保湿や冷やす工夫も併せて行ってください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-15)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ケロイド(確認日: 2026-10-15)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

