「お尻や太ももに、痛いおできが何度もできる」「治ったと思ったら、別の場所にまたできる」。繰り返すおできはつらく、周りにも相談しにくい悩みです。ここでは、繰り返す理由と、見直せるポイントを整理します。
おでき(せつ・よう)とは(仕組み)
毛穴の奥(毛包)に細菌が入り、深いところまで膿がたまったものを「せつ」、いくつかのせつがつながって大きくなったものを「よう」と呼びます。浅い毛穴の炎症は毛包炎といい、せつはそれがより深く強くなった状態です。
原因となる菌の多くは黄色ブドウ球菌です。この菌はもともと多くの人の鼻の中や皮膚にいる菌で、皮膚に小さな傷やこすれがあると、そこから入りこんで化膿を起こします。
繰り返す理由と見分け
繰り返す背景として、臨床でよくみるものから並べると次のとおりです。
- こすれ・蒸れ: お尻、太もも、ワキ、ベルトや下着のあたる場所。座り仕事や汗をかく仕事で増えやすい
- 鼻や皮膚に菌が住みついている: 本人や家族の鼻の中に菌がいると、手を介して何度も皮膚に戻る
- カミソリでの毛の処理: 小さな傷が菌の入り口になる
- 体の条件: 糖尿病、体重の増加、免疫を抑える薬の使用などで化膿しやすくなる
- 毒素を作るタイプの菌や、薬の効きにくい菌(MRSAなど): 家族で次々に繰り返す場合に疑われる
また、繰り返しているものが、実はおできではないこともあります。
| 病気 | 特徴 |
|---|---|
| おでき(せつ) | 毎回場所が変わることが多い。数日で急に赤く腫れて痛み、膿が出ると治まる |
| 炎症性粉瘤 | 同じ場所に、もともと小さなしこりがあり、そこが繰り返し腫れる。中に袋があるため、袋を取らないと繰り返す |
| 化膿性汗腺炎 | ワキ・足の付け根・お尻に、しこりや膿が繰り返しでき、トンネル状の傷あとが残る |
| 毛巣洞 | お尻の割れ目の上あたりに繰り返す |
治療・セルフケア
できたときの治療
膿がたまって腫れている場合は、切開して膿を出すと痛みが早く引きます。抗菌薬の飲み薬や塗り薬を使うこともあります。繰り返す場合は、膿を調べて菌の種類と効く薬を確かめる検査(培養検査)をすることが、次の治療の手がかりになります。
繰り返さないために見直すこと
- 自分で潰さない。膿を押し出すと、周りに菌を広げてしまうことがあります
- カミソリでの剃毛を控えるか、電気シェーバーに替える
- 締めつけの強い下着や服を避け、汗をかいたら早めに着替える
- タオルは家族と分け、こまめに洗濯する
- 糖尿病の検査をしばらく受けていない方は、一度確認する
菌が鼻の中に住みついていることが疑われる場合には、鼻の中に塗る薬で菌を減らす方法を検討することがあります。家族で繰り返している場合は、家族ぐるみで対策することもあります。
受診の目安
- 年に何度もおできを繰り返している
- 同じ場所が何度も腫れる(粉瘤などの可能性)
- 赤みが周りへ広がる、熱が出る、強い痛みでつらい
- 顔、特に鼻や上唇のまわりにできた
- 糖尿病がある、免疫を抑える薬を使っている
高い熱が出てぐったりしている、赤みが急速に広がるといった場合は、早めに受診してください。夜間・休日に迷ったときは#7119で相談できます。
診察室でよく聞かれる質問
膿が出たら、もう病院に行かなくていいですか?
膿が出て痛みが引けば、自然に治っていくことが多いです。ただし、繰り返している場合は、治っているときに一度受診してください。腫れていない時期のほうが、粉瘤かどうかなど元のしこりの有無を確かめやすいからです。
お風呂に入っても大丈夫ですか?
シャワーで清潔に保つことはむしろ大切です。膿が出ている間は、湯船は控えてシャワーにし、患部は最後に洗って、タオルを分けるとよいでしょう。
体質だから仕方ないのでしょうか?
体質だけで片付けず、こすれ・剃毛・菌の住みつき・持病などを一つずつ見直すと、回数が減ることは少なくありません。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-16)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 粉瘤(確認日: 2026-10-16)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

