「仕事があるのでメイクをしないわけにいかない」「赤みを隠したいけど、悪くならないか心配」。顔の湿疹は人目につきやすく、メイクで隠したいと思うのは自然なことです。一方で、メイクの成分やクレンジングの刺激で悪化することもあるので、時期と方法を選ぶことが大切です。
湿疹・かぶれとメイクの関係(仕組み)
湿疹やかぶれがある皮膚は、バリアが壊れて、外からの刺激が入りやすい状態です。そこにメイクをすると、次のような影響が考えられます。
- 成分の刺激: 普段は平気な成分でも、荒れた皮膚にはしみたり、炎症を強めたりする
- 落とすときの摩擦: クレンジングでこすることが、かえって湿疹を悪化させる
- 原因そのもの: 化粧品の成分にかぶれていて、湿疹の原因がメイクそのもののこともある
つまり、「メイクで悪くなる」には、刺激で悪化している場合と、原因がメイクにある場合の2通りがあります。どちらかによって、対応が変わります。
症状・見分け(化粧品が原因かどうか)
| 様子 | 考えられること |
|---|---|
| 新しい化粧品を使い始めてから出た | その化粧品へのかぶれ |
| アイシャドウ・アイライン・まつ毛まわりなど、使った場所に一致 | アイメイク・ビューラーなどへのかぶれ |
| メイクをしない休日は軽くなる | メイク・クレンジングの刺激、またはかぶれ |
| メイクの有無と関係なく、頬・小鼻・眉まわりが赤くカサカサ | 脂漏性皮膚炎、酒さなど別の原因 |
| 首・ひじの内側などほかの場所にも湿疹がある | アトピー性皮膚炎の顔の症状 |
化粧品が原因と思われる場合でも、どの製品のどの成分かは見た目では分かりません。繰り返す場合は、皮膚科でパッチテストを受けると、原因が分かることがあります。
メイクをするときの工夫(治療・セルフケア)
お休みしたい時期
- 赤くじくじくしている、かさぶたがある
- 何を塗ってもヒリヒリしみる
- 腫れている、急に広がっている
この時期は、炎症を抑える治療を優先します。皮膚科で処方される塗り薬で炎症を早めに抑えるほうが、結果的にメイクを再開できる日が早くなります。
再開するとき
- 使い慣れて、かぶれたことのないものを選ぶ: 新しい化粧品は、湿疹が治ってから試す
- 重ねる数を減らす: 日焼け止め+パウダーのように、最低限から
- 落としやすいものを選ぶ: 落とすのに強いクレンジングが必要なウォータープルーフ製品は避ける
- 帰宅したら早めに落とす: 付けている時間を短くする
- 落とすときはこすらない: たっぷりの量で、なでるように
塗り薬との順番
塗り薬を使っている場合は、基本的に「洗顔 → 塗り薬 → 保湿剤(指示があれば) → 日焼け止め・メイク」の順にします。塗り薬が乾いてなじんでからメイクをすると、ヨレにくくなります。目のまわりなど薬の使い方に注意が必要な場所もあるので、処方された医師の指示を優先してください。
受診の目安
- メイクを止めても、1〜2週間で良くならない
- まぶたや顔全体が腫れている
- 化粧品を変えるたびに荒れる
- 赤みがだんだん広がっている、じくじくしている
- 自己判断で市販の薬を塗って、かえって悪化した
診察室でよく聞かれる質問
「敏感肌用」「低刺激」と書いてあれば安心ですか?
刺激が少なくなるよう工夫された製品ですが、すべての人がかぶれないわけではありません。一度かぶれた成分が入っていれば、同じように反応します。新しい製品は、腕の内側などで数日試してから顔に使ってください。
ステロイドの塗り薬の上からファンデーションを塗っても大丈夫ですか?
薬がなじんでからであれば、薄く塗るのはかまいません。ただし、薬を塗った場所をメイクで厚く覆うと、薬が拭き取られたり、落とすときにこすったりしやすくなります。治療中はできるだけ薄く、短時間にしてください。
受診するとき、メイクはして行ってもいいですか?
顔の湿疹で受診するときは、メイクをしないで行くか、落とせる準備をしていくと、皮膚の状態を正確に見ることができます。使っている化粧品を持って行くか、成分表の写真を撮っておくと、原因探しに役立ちます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-17)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-10-17)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

