「ニキビを隠したいけど、ファンデーションを塗ると悪化しそう」「皮膚科の薬を塗ったあと、どの順番でメイクすればいいの?」「すっぴんで過ごしたほうが早く治る?」。仕事や学校でメイクが欠かせない方にとって、ニキビの治療とメイクの両立は切実な悩みです。
ニキビとメイクの関係(仕組み)
ニキビは、毛穴の出口が厚くなった角質でふさがり、中に皮脂がたまるところから始まります。この「毛穴のつまり(白ニキビ・黒ニキビ)」に、ニキビの原因菌が増えて炎症が起こると、赤ニキビになります。
メイクがニキビに影響するのは、主に次の3つの場面です。
- 油分の多いものを厚く重ねる: 毛穴の出口をふさぎやすくなります
- 落とし残し: 皮脂と混ざって毛穴にたまり、つまりの原因になります
- 強いクレンジングやこすり洗い: 皮膚のバリアが傷つき、赤みや乾燥が出て、かえって皮脂が増えることがあります
逆に言えば、この3つを避ければ、メイクそのものがニキビを大きく悪化させることは多くありません。
選び方と、ニキビのタイプ別の考え方
| アイテム | 選び方のポイント | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 下地・日焼け止め | 軽いつけ心地のもの。「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示は選ぶ目安の一つ | こってりした油分の多いものを厚く塗る |
| ファンデーション | パウダーや、薄く伸びるリキッド。必要な部分だけに使う | ニキビを隠そうと何度も重ね塗りする |
| コンシーラー | 赤ニキビの上はごく少量を指でのせる程度 | ブラシやスポンジで強くこする |
| クレンジング | メイクの濃さに合った強さのもの。短時間で済ませる | オイルを長時間なじませる、ゴシゴシこする |
「ノンコメドジェニックテスト済み」は、ニキビのもとができにくいことを確かめた製品という意味の表示です。すべての人にニキビができないという意味ではないので、使ってみて増えるようなら別の製品に切り替えてください。
ニキビの状態によって、メイクの考え方も少し変わります。
- 白ニキビ・黒ニキビが中心: 毛穴のつまりが主役です。油分の多いアイテムを減らし、落とし残しを防ぐことを優先します
- 赤ニキビが中心: 炎症の上を何度もこすらないことが大切です。コンシーラーは指でそっとのせ、上から触らないようにします
- 黄色い膿をもったニキビ: その部分は無理に隠さず、できるだけメイクを薄くしてください。つぶすのは跡が残る原因になります
治療中のスキンケアとメイクの順番
皮膚科で処方されるニキビの塗り薬には、夜1回、洗顔後に塗るものが多くあります。その場合、朝のメイクと重なることはありません。朝も塗るよう指示された薬は、次の順番が基本です。
- 洗顔(泡でやさしく、ぬるま湯で)
- 処方された塗り薬(指示された範囲に、指示された量を)
- 保湿剤(薬で乾燥しやすいため)
- 日焼け止め・下地
- ファンデーション・ポイントメイク
塗り薬が肌になじむまで少し待ってから次に進むと、薬がよれにくくなります。薬の種類によって「保湿剤の前か後か」の指示が違うことがあるので、処方時の説明を優先してください。
なお、過酸化ベンゾイルという成分を含む塗り薬は、髪や衣類、タオル、枕カバーを脱色することがあります。色の濃いタオルは避ける、塗ったあとに手をよく洗う、といった工夫をしてください。
受診の目安
- メイクを変えても、ニキビが1〜2か月以上続いている
- 赤ニキビや膿をもったニキビが繰り返しできる
- ニキビ跡(赤み・茶色いしみ・へこみ)が残り始めた
- 特定の化粧品を使い始めてから、赤みやかゆみを伴うブツブツが増えた(かぶれの可能性があります)
ニキビは、早めに治療を始めるほど跡が残りにくくなります。「メイクで隠せるから」と先延ばしにせず、繰り返すようなら相談してください。
よくある質問
すっぴんで過ごしたほうが早く治りますか?
メイクをやめること自体で治りが大きく早くなるわけではありません。メイクを控えると、落とすための洗顔やクレンジングの負担が減る、という利点はあります。休日だけでも薄くするなど、無理のない範囲で調整すれば十分です。
マスクをするときは、ファンデーションを塗らないほうがいいですか?
マスクの下は蒸れやすく、こすれも加わるため、ニキビが出やすい環境です。マスクで隠れる部分は、日焼け止めと薄いパウダー程度にとどめると、蒸れと摩擦の両方を減らせます。
ニキビ用の化粧品を使えば、治療はいりませんか?
ニキビ用の化粧品は、できにくくするための補助と考えてください。すでにできた赤ニキビを治す力は、医療用の塗り薬のほうがはっきりしています。繰り返す場合は、化粧品だけで対応せず、治療と組み合わせるのがおすすめです。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-10-02)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-02)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

