「シミ取りは冬にやったほうがいいと聞いた」「夏に始めたら失敗するのか」「年末に治療して、テープを貼ったまま人に会うことになるのは困る」。シミ取りを考え始めた方から、時期についてよく聞かれます。秋冬が向いているといわれる理由と、時期より大切なポイントを整理します。
なぜ秋冬が向いているといわれるのか(仕組み)
シミの多くは、紫外線などの刺激でメラニン(肌の色のもとになる色素)がつくられ、皮膚にたまったものです。レーザー治療では、このメラニンに光を当てて壊し、かさぶたとしてはがれ落ちさせます。
治療した直後の皮膚は、一時的にやけどに近い状態になっています。この時期に紫外線や摩擦の刺激を受けると、皮膚を守ろうとしてメラニンがまたつくられ、治療した場所が茶色くなる炎症後色素沈着が起こりやすくなります。多くは数か月かけて薄くなりますが、せっかく取ったシミが戻ったように見えるため、不安になる方が少なくありません。
秋から冬は紫外線の量が少なく、屋外で長く過ごす機会も減るため、治療後の数か月を紫外線から守りやすい。これが「シミ取りは冬がいい」といわれる理由です。
季節より大切な2つのこと
1. 治療前に、シミの種類を見分ける
シミには種類があり、治療法が異なります。とくに注意が必要なのが肝斑(かんぱん)で、強いレーザーを当てると、かえって濃くなることがあります。
| シミの種類 | 特徴 | 主な治療の考え方 |
|---|---|---|
| 老人性色素斑(いわゆるシミ) | 境目がはっきりした茶色の斑。頬やこめかみ、手の甲 | レーザーがよく使われる |
| 肝斑 | 頬骨のあたりに左右対称、もやっと広がる | 飲み薬・塗り薬が中心。強いレーザーは避ける |
| そばかす | 鼻や頬に散らばる小さな斑点 | レーザーや光治療。紫外線で再び出やすい |
| 炎症後色素沈着 | ニキビや傷、かぶれの後にできる | 時間とともに薄くなることが多い。紫外線対策と塗り薬 |
実際には、1人の顔に複数の種類が混ざっていることもあります。どの季節に始めるにしても、まず診察でシミの種類を見分けてもらうことが出発点です。
2. 治療後の数か月、紫外線対策を続ける
冬に治療しても、春になって紫外線対策をやめてしまえば、色素沈着や再発のリスクは上がります。治療後は少なくとも数か月、日焼け止めを毎日塗り、帽子や日傘も使うことが大切です。反対に、夏でもこれを守れるなら、治療をあきらめる必要はありません。
治療の流れとダウンタイム
- 治療当日: 照射した所が少し赤く、黒っぽく変化します。保護テープを貼ることが多いです
- 1〜2週間: かさぶたができて、自然にはがれます。無理にはがすと跡が残りやすくなります
- 1〜数か月: 一時的に茶色くなる(炎症後色素沈着)ことがあり、時間とともに薄くなっていきます
テープやかさぶたが目立つ期間があるため、人に会う予定の多い時期を避けて日程を組むのもポイントです。費用は、小さなシミ1か所で数千円〜1万円台程度が目安とされていますが、使う機器やシミの大きさ・数によって大きく異なります。主なリスクは、炎症後色素沈着、色が抜けて白くなる、シミの再発、まれにやけどのような跡が残ることです。
※シミのレーザー治療は、多くの場合自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。
診察室でよく聞かれる質問
Q. 冬でも日焼け止めは必要ですか?
A. 必要です。冬でも、窓ガラスを通る紫外線や、雪の照り返しがあります。治療後の肌はとくに刺激を受けやすいため、季節を問わず毎日塗ってください。
Q. 1回でシミは消えますか?
A. 小さく濃いシミは1回で目立たなくなることもありますが、シミの種類や深さによっては複数回の治療が必要です。治療前に、何回くらいかかりそうか確認しておくと安心です。
Q. 市販の美白化粧品で薄くなりますか?
A. 薄いシミや炎症後色素沈着では、紫外線対策と組み合わせて少しずつ目立たなくなることはあります。境目のはっきりした濃いシミを消すのは難しいことが多いです。
受診の目安
- シミ取りを考えていて、どの治療が合うか知りたい
- 左右対称に広がるシミがあり、肝斑かどうか分からない
- シミが急に大きくなった、盛り上がってきた、色がまだらになった、出血する(シミではない病気の可能性があるため早めに)
- 治療後に茶色くなった所が、半年以上薄くならない
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-24)
- 日本美容外科学会(確認日: 2026-10-24)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

