酒さ(しゅさ)とは?顔の赤み・ほてり・ブツブツの原因とニキビとの違い・治療の考え方

酒さ(しゅさ)とは?顔の赤み・ほてり・ブツブツの原因とニキビとの違い・治療の考え方
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年9月2日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「頬の赤みが一年じゅう引かない」「お風呂やお酒でカッと熱くなり、しばらく赤いままになる」「ニキビの薬を塗ったら、かえってヒリヒリした」——こうした訴えの背景に、酒さ(しゅさ・ロザケア)があることがあります。日焼けや敏感肌と誤解されて長く放置されやすい一方、対処の方向性がはっきりしている疾患でもあります。

目次

酒さとはどういう状態か

酒さは、顔の中心部に持続する赤み(紅斑)や拡張した細い血管、ときに赤いブツブツや膿を持った発疹が出る、慢性の炎症性疾患です。30〜50代以降に多く、女性にやや多い一方、鼻が厚く盛り上がるタイプは男性に多いとされています。

顔の皮膚の血管が刺激に対して過敏に広がりやすくなっていること、皮膚のバリア機能が低下して外からの刺激を受けやすくなっていること、毛穴に住むダニ(デモデックス)や免疫の反応が関わることなどが指摘されています。「洗い方が悪い」「不潔だから」起こるものではありません。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる バリアのすき間から刺激が入り込む
皮膚の断面。バリア機能が低下すると外からの刺激が入りやすく、内部の血管が広がって赤みやほてりが続く図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

4つのタイプ

酒さは症状の出方で大きく4つに分けられ、治療の重点が変わります。複数のタイプが重なることもあります。

タイプ 主な症状 特徴
紅斑血管拡張型 頬・鼻の持続する赤み、ほてり、細い血管が見える もっとも多い。温度差や刺激で急に赤くなる
丘疹膿疱型 赤いブツブツ、膿を持った発疹 ニキビと間違われやすい。面皰(白い芯)は出ない
鼻瘤型 鼻の皮膚が厚く、でこぼこに盛り上がる 男性に多い。長い経過で進むことがある
眼型 目の充血、異物感、まぶたのふちの炎症 皮膚症状より先に出ることがある。眼科的な確認が必要

ニキビ・脂漏性皮膚炎・かぶれとの見分け

顔の赤みとブツブツは原因が複数あり、それぞれ対処が異なります。

疾患 出る場所 見分けの手がかり
酒さ 頬・鼻・眉間・あご(顔の中心) ほてりを伴い、赤みが持続。白い芯(面皰)がない
ニキビ Tゾーン・フェイスライン・背中 白い芯や黒い点があり、大きさがまちまち
脂漏性皮膚炎 小鼻のわき・眉・生え際・耳の後ろ 黄色っぽい細かなフケ状の皮むけを伴う
接触皮膚炎(かぶれ) 触れたものの形に一致 境界がはっきりし、かゆみが強い。原因を除くと引く
ステロイド酒さ ステロイドを塗っていた範囲 顔にステロイド外用薬を長く使った経過がある

小鼻のわきの皮むけが目立つ場合は脂漏性皮膚炎、白い芯や黒い点があるならニキビが主体と考えます。この2つは酒さと同時に存在することもあり、その場合は両方に配慮した治療になります。

とくに注意したいのがステロイド酒さです。顔の赤みに対して市販のステロイド外用薬を長く使うと、いったん赤みが引いたあとに、やめたときに強い赤みとブツブツが出ることがあります。自己判断で顔にステロイドを塗り続けるのは避けてください。

悪化のきっかけ(トリガー)を減らす

酒さの管理でもっとも実用的なのは、自分にとって赤みが出るきっかけを見つけて減らすことです。人によって違うため、記録をつけると輪郭がはっきりします。

  • 温度差 — 熱い風呂、サウナ、暖房の効いた部屋への出入り、寒い外気
  • 紫外線 — もっとも一般的な悪化要因です。日焼け止めと物理的な遮光を習慣にします
  • 飲食 — アルコール、香辛料の強い料理、熱い飲み物
  • 精神的な緊張 — 人前で話す、強いストレスがかかる場面
  • スキンケアの刺激 — アルコール・メントール配合の化粧品、スクラブ、強いマッサージ、拭き取り
  • 運動 — 激しい運動で顔がほてる。休憩と冷却をはさむ工夫を

洗顔はぬるま湯で、泡でやさしく、こすらない。保湿は刺激の少ないものを選び、日焼け止めは肌への負担が少ないタイプを日常的に使う——これが土台になります。バリアが弱っている状態では、良かれと思って加えたケアがそのまま刺激になることが少なくありません。

皮膚科での治療

酒さは「一度で終わる治療」ではなく、症状の型に合わせて薬を選び、落ち着いた状態を保つことを目標にします。

  • 外用薬 — 炎症性の赤いブツブツに対しては、メトロニダゾール外用薬などが使われます
  • 内服薬 — 炎症が強い場合、テトラサイクリン系の抗菌薬を抗炎症目的で用いることがあります
  • 刺激の除去 — 顔へのステロイド外用を続けている場合は、医師の指示のもとで整理していく必要があります
  • 目の症状 — 充血や異物感が強い場合は眼科との連携が必要です

拡張した細い血管そのものや、赤みの色調に対しては、レーザー・光治療が選択肢になることがあります。これらは保険が適用されないことが多く、費用は1回あたり1万円台〜数万円程度が目安ですが、範囲・機器・回数・医療機関によって差があります。施術後の赤み・腫れ・一時的な色素沈着といったリスクがあり、複数回を要することが一般的です。

※赤みや血管の見え方の改善を目的としたレーザー・光治療は自由診療となる場合があります。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。

受診の目安

  • 顔の赤みが数か月以上引かない
  • ほてり・ヒリヒリ感が続き、化粧品がしみる
  • ニキビだと思って市販薬を使っているが変わらない、または悪化した
  • 顔にステロイド外用薬を長く使っている
  • 目の充血・異物感・まぶたのふちの炎症が一緒にある
  • 鼻の皮膚が厚くなってきた

なお、顔が急に広く赤く腫れて熱と痛みをともなう場合や、蝶が羽を広げたような形の赤みに発熱・関節痛が重なる場合は、酒さとは別の病気を考える必要があります。判断に迷う時間帯であれば、救急安心センター事業(#7119)などの相談窓口を利用してください。

関連ページ

参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

開業時期・診療内容・予約開始のお知らせを、いち早くお届けします。

2027年、つくばに開院予定。ご登録はメールアドレスだけでできます。

開業のお知らせを受け取る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次