「まずはドラッグストアの薬で何とかしたい」。多くの方が最初にとる選択で、間違いではありません。問題は、効かない市販薬を何か月も続けて、そのあいだにニキビ跡ができてしまうことです。市販薬で済むニキビと、そうでないニキビの線引きを知っておいてください。
ニキビとは(市販薬と処方薬の違いを理解するために)
ニキビは、①毛穴の出口が詰まる → ②中に皮脂がたまる(白ニキビ・黒ニキビ)→ ③アクネ菌が増えて炎症が起きる(赤ニキビ・膿をもったニキビ)という順番で進みます。
市販薬の多くは③の炎症や菌をおさえる成分が中心です。一方、皮膚科で処方される薬には、①の毛穴の詰まりそのものを改善する薬があり、今あるニキビを治すだけでなく、新しいニキビをつくらせない(予防する)ことができます。これが、くり返すニキビに処方薬が向いている理由です(関連記事: ニキビの塗り薬の種類)。
市販のニキビ薬に入っている主な成分
| 成分の種類 | 成分の例 | 主な働き |
|---|---|---|
| 炎症をおさえる成分 | イブプロフェンピコノール、グリチルリチン酸 など | 赤み・腫れをしずめる |
| 殺菌成分 | イソプロピルメチルフェノール、レゾルシン など | アクネ菌などの菌を減らす |
| 角質をやわらかくする成分 | サリチル酸、イオウ など | 毛穴の詰まりをゆるめる。乾燥しやすい |
選ぶときは、パッケージの「有効成分」の欄を見てください。赤く腫れたニキビには炎症・殺菌の成分、白ニキビが中心なら角質をやわらかくする成分が合っています。ニキビ用の化粧品・医薬部外品は予防やスキンケアが目的のもので、できてしまったニキビを治す力は医薬品より穏やかです。
市販薬を使うときのルール
- 添付文書に書かれた期間使っても良くならなければ、やめて受診する — 合っていない薬を続けても改善しないためです
- ニキビのある場所に塗る。顔全体に厚く塗り広げない — 殺菌・角質をやわらかくする成分は、乾燥や刺激の原因になります
- 赤み・ヒリヒリ・かゆみが出たらやめる — かぶれの可能性があります
- 潰さない — 潰すと炎症が深くなり、へこんだ跡や色の残る跡ができやすくなります(関連記事: ニキビを潰してはいけない理由)
皮膚科での治療(保険診療が基本)
皮膚科のニキビ治療は、多くが保険診療で受けられます。毛穴の詰まりを改善する外用薬を中心に、炎症が強いときは抗菌薬の外用・内服を組み合わせるのが基本です。赤いニキビが落ち着いた後も、詰まりを改善する外用薬を続けることで再発を防ぐ、というのが皮膚科の治療の考え方です(関連記事: ニキビの維持療法)。
処方の外用薬は、はじめの数週間に乾燥・赤み・ヒリヒリが出やすいことが知られています。多くは使い続けるうちに慣れていくので、自己判断でやめずに、塗る量や回数の調整を医師と相談してください。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 市販薬と処方薬を一緒に使ってもいいですか? | 自己判断での重ね塗りはやめてください | 刺激の強い成分が重なり、乾燥やかぶれが起きやすくなるためです。受診時に使っている市販薬を伝えてください |
| 病院に行くほどのニキビではない気がします | 数個でも、くり返しているなら受診してよいです | ニキビ跡を残さないためには、早く治療を始めるほうが有利だからです |
| 皮膚科の治療は高いのでは? | 基本の治療は保険診療で受けられます | 外用薬・内服薬の多くに保険が適用されます。自由診療の施術は、必要な場合に選ぶものです |
| 背中のニキビにも市販薬は効きますか? | カビ(真菌)によるブツブツのことがあり、ニキビ薬が効かない場合があります | 見た目が似ていても原因が違うためです(関連記事: 背中ニキビ) |
受診の目安
- 受診を — 市販薬を添付文書の期間使っても良くならない
- 受診を — 何か月もくり返している、数が多い
- 受診を — ニキビ跡(赤み・茶色・へこみ)が残り始めた
- 受診を — あご・フェイスラインに毎月できる
- 早めの受診を — 硬く大きなしこりのニキビ、痛みの強いニキビ、膿がたまったニキビが多い
- 受診を — 市販薬で赤み・かゆみ・ヒリヒリが出た
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-09-23)
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン(確認日: 2026-09-23)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

