「寝ても取れない」「疲れて見えると言われる」——年代を問わず相談の多いテーマです。そして、市販の美容液を何本も試したけれど変わらなかった、という経過をたどる方がとても多い。理由は単純で、タイプが違えば効くものが違うのに、同じ対策をしているからです。まず見分けから始めてください。
3つのタイプと見分け方
| 青ぐま | 茶ぐま | 黒ぐま | |
|---|---|---|---|
| 正体 | 皮膚から透けて見える血管の色 | 色素沈着(メラニン) | ふくらみとくぼみによる影 |
| 色 | 青〜紫っぽい | 茶色〜こげ茶 | 灰色〜黒っぽい |
| 引っぱると | 薄くなる | 色が残る(一緒に動く) | 変わらない |
| 上を向くと | やや薄くなる | 変わらない | 消える・目立たなくなる |
| 多い年代・背景 | 若い方、冷え、睡眠不足、もともと皮膚が薄い | こする癖、アトピー、花粉症、日焼け | 加齢による目の下のたるみ・脂肪のふくらみ |
鏡の前で2つの動作をするだけで、ほとんどの方は自分がどれか分かります。ただし「青と茶が混ざっている」「茶と黒の両方がある」というほうが、実際には多いです。純粋に1つだけ、というほうが少ないと思っておいてください。
タイプ別にできること
青ぐまは、下まぶたの皮膚が薄く、その下の血管が透けて見えている状態です。血流が滞ると色が濃く出るため、睡眠・冷え・肩こりといった生活側の要素で日によって変わります。「日によって濃さが違う」という方は、青ぐまの要素が強いと考えられます。ホットタオルで温める、蒸しタオルのあとに軽く保湿する——一時的ですが、実感しやすい方法です。ただしこすらないでください。こすれば次に述べる茶ぐまが上乗せされます。
茶ぐまは色素沈着です。原因の大半は摩擦——目をこする、メイクを落とすときに強くこする、花粉症やアトピーでかゆくてこする。ここを止めないかぎり、何を塗っても追いつきません(関連記事: 炎症後色素沈着)。まずかゆみの原因を治療することが、実際にはいちばん効きます。そのうえで、紫外線対策と、必要に応じて色素に働きかける外用を検討します(関連記事: 目のまわりの皮膚炎)。
黒ぐまは色ではなく形の問題です。目の下の脂肪が前に出てふくらみ、その下にくぼみができて、そこに影が落ちています。色の問題ではないので、美白の成分では変わりません。ここを理解しておくと、余計な出費を避けられます。対応としては、ふくらみやくぼみに対する処置——注入や手術による方法が選択肢になり、いずれも自由診療です。まぶたが下がって重い場合は、別の病気として診察が必要なこともあります(関連記事: 眼瞼下垂)。
※美容目的で行う診療は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、腫れ・内出血・左右差・思ったほど変化を感じないことなどがあります。
どのタイプでも共通してやること
- こすらない — 摩擦は青・茶・黒のどれにも悪く働きます。クレンジングはなでるだけにします
- かゆみを放置しない — 花粉症やアトピーによるかゆみは、治療でこする回数を減らせます。これは美容ではなく、色素沈着の予防です
- 日焼け止めを目のまわりにも — 塗り忘れの多い場所です。しみる方は、目のまわりに使える低刺激の製品を選びます
- 保湿する — 乾燥するとちりめんじわが増え、影が増えて濃く見えます
- 睡眠と冷え — 青ぐまには実際に効きます。生活の話が出てくるのは、この要素があるからです
クマではない可能性を考えるとき
目の下の色調は、体調を映すことがあります。急に濃くなった、まぶた全体がむくむ、だるさや息切れをともなうといった場合には、貧血や甲状腺の病気など、皮膚以外の原因が背景にあることがあります。「最近急に」という変化は、美容の問題として片づけないでください。
また、片側だけ、輪郭のはっきりした褐色の斑が出ている場合は、シミやあざの一種であることがあります(関連記事: シミの種類)。この場合は治療の方針がまったく変わるため、診察で確かめる価値があります。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| アイクリームで消える? | 茶ぐまと乾燥には意味がありますが、黒ぐまは変わりません | 黒ぐまは色ではなく影だからです |
| マッサージはいい? | 強くこするマッサージは勧めません | 摩擦が色素沈着を招くためです。温めるだけにしてください |
| 寝不足を解消すれば治る? | 青ぐまの要素は改善します | 血流の滞りが薄れるためです。茶・黒は睡眠では変わりません |
| コンシーラーで隠していい? | 構いません | ただし落とすときにこすらないこと。隠すために摩擦が増えると本末転倒だからです |
| 何科に行けばいい? | 色と皮膚の状態は皮膚科、まぶたが下がって見えにくいなら眼科です | 扱う問題が違うためです |
受診の目安
- 受診を — かゆくて目のまわりをこする癖がある(原因の治療が先です)
- 受診を — 片側だけ、境目のはっきりした褐色の斑がある
- 早めに受診 — 急に濃くなった、まぶたのむくみ・だるさ・息切れをともなう
- 受診を — まぶたが重く、視界にかかる
- 相談を — セルフケアを3か月続けても変わらない(タイプの見立てが違う可能性があります)
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-09-15)
- 日本眼科医会 目の健康情報(確認日: 2026-09-15)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

