乾燥肌・アトピーに入浴剤は使っていい?保湿系・炭酸系・硫黄系の違いと選び方、入浴剤より大切なお風呂の入り方

乾燥肌・アトピーに入浴剤は使っていい?保湿系・炭酸系・硫黄系の違いと選び方、入浴剤より大切なお風呂の入り方
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年11月1日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「乾燥肌に効く入浴剤はどれ?」「アトピーの子どもに入浴剤を使ってもいい?」。冬は湯船につかる機会が増え、入浴剤を選ぶ人も多くなります。入浴剤には種類ごとに違う性質があり、肌の状態によっては合わないものもあります。入浴剤の種類と選び方、肌にやさしいお風呂の入り方を説明します。

目次

入浴と肌の関係(仕組み)

お風呂は、汗や汚れを落として皮膚を清潔に保ち、温まってリラックスできる大切な習慣です。一方で、お湯につかると、皮膚の表面の皮脂や、角層の中で水分を抱え込む成分(天然保湿因子)が少しずつ溶け出します。

そのため、熱いお湯・長湯・洗いすぎが重なると、お風呂上がりに皮膚が乾燥し、かゆみが出やすくなります。入浴剤は、この「お湯で失われるうるおい」を少し補う、あるいは温まりやすくする目的で使われます。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる バリアのすき間から刺激が入り込む
皮膚のバリア。お湯や洗浄で皮脂や保湿成分が失われるとバリアが弱くなる図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

入浴剤の種類と特徴(見分け方)

種類 主な成分 特徴 乾燥肌・アトピーへの向き不向き
保湿系 セラミド、スクワラン、ホホバオイル、米ぬか成分など お湯に保湿成分が溶け、皮膚の表面に薄い膜を残す 比較的向いている。無香料・無着色を選ぶとより安心
炭酸ガス系 炭酸水素ナトリウムなど 温まりやすく、血行を促す 大きな問題はないが、温まりすぎるとかゆみが出ることも
無機塩類系(温泉成分) 硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど 湯冷めしにくい 人によってはつっぱり感が出る
硫黄系 硫黄など 温泉の雰囲気がある 乾燥・刺激が強く、乾燥肌やアトピーには向かない。風呂釜を傷めることも
発汗・香り重視 生薬、精油、香料 香りでリラックス 精油や香料でかぶれることがある

保湿系の入浴剤でも、湯船の中で皮膚に残る量は多くありません。湿疹のある子どもを対象にした海外の研究でも、保湿入浴剤を加えても、通常のスキンケアに上乗せする効果ははっきりしなかったと報告されています。入浴剤は「補助」、保湿剤が「主役」と考えてください。

入浴剤を選ぶときのポイント

  • 無香料・無着色のものを選ぶ
  • アトピー・乾燥肌向けと表示されたものや、低刺激のものを選ぶ
  • 初めて使うものは、少なめの量から試す
  • 湿疹がジュクジュクしている、かき壊しが多いときは、入浴剤は使わない
  • 赤ちゃんには、赤ちゃん向けのものか、入浴剤なしにする

肌にやさしいお風呂の入り方(セルフケア)

  • お湯の温度は38〜40℃:熱いお湯は皮脂を落とし、体が温まりすぎてかゆみも強くなります
  • つかるのは10分程度:長湯は乾燥のもとです
  • 体は泡で手洗い:ナイロンタオルやボディブラシでこすらず、よく泡立てた石けんで手で洗います。乾燥が強い場所(すね・腕)は毎日石けんを使わなくてもよいこともあります
  • すすぎは十分に:石けんやシャンプーが残ると刺激になります
  • タオルで押さえて拭く:こすらずに水気を取ります
  • 上がったらすぐに保湿:皮膚が湿っているうちに、全身に保湿剤を塗ります。脱衣所に保湿剤を置いておくと忘れません

アトピー性皮膚炎で炎症がある場合は、保湿に加えて、処方された塗り薬をお風呂上がりに塗るのが効果的です。

よくある質問

Q. 入浴剤を入れたお湯は、シャワーで流してから上がるべきですか?

A. 保湿系の入浴剤なら、軽く体を拭いて上がってかまいません。ただし、肌がピリピリする、かゆくなるといった場合は、シャワーで流してから上がり、その入浴剤の使用はやめてください。

Q. 冬はかゆいので、お風呂を控えたほうがいいですか?

A. お風呂に入らないと、汗や汚れが残ってかえってかゆみや感染の原因になります。ぬるめのお湯で短めに入り、上がってすぐに保湿をするのがおすすめです。

Q. 入浴剤の残り湯で洗濯しても大丈夫ですか?

A. 入浴剤によっては、洗濯に使えないものがあります。製品の表示を確認してください。成分が衣類に残ると、肌への刺激になることもあります。

受診の目安

  • 入浴剤を使ったあとに、赤み・かゆみ・ブツブツが出た
  • 入浴方法と保湿を見直しても、かゆみや乾燥が2週間以上続く
  • お風呂上がりに体中がかゆくなり、眠れない
  • 湿疹がジュクジュクしている、かき壊しが広がっている

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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