「毎日アイパッチを貼っていたら、目のまわりが四角く赤くなってきた」「はがすたびに痛がって、嫌がるようになった」「かゆがってこするので心配」。弱視の治療で、よく見える方の目を一定時間ふさぐ治療(遮閉訓練)をしているお子さんの保護者から寄せられる相談です。子どもの目のまわりの皮膚は薄く、毎日同じ場所に貼ってはがすことで負担がかかります。
アイパッチでかぶれが起きる仕組み
アイパッチは、粘着テープで目のまわりに直接貼るものが多く、毎日数時間貼り続けます。このとき皮膚には次のような負担がかかります。
- はがすときの刺激…粘着テープをはがすと、皮膚のいちばん外側の層(角層)が一緒にはがれます。毎日くり返すと、皮膚のバリアが弱くなり、赤み・ヒリヒリが出ます。いちばん多い原因です。
- 蒸れ…貼っている間、汗や涙がこもり、皮膚がふやけて刺激に弱くなります。
- 粘着剤によるかぶれ…テープの粘着剤そのものに反応してかぶれる(接触皮膚炎)ことがあります。強いかゆみや、細かいブツブツが特徴です。
赤みの形を見ると原因の見当がつきます。テープの縁や形どおりに四角く赤い場合は、はがす刺激や粘着剤が考えられます。
症状と見分け方
| 考えられるもの | 見た目・特徴 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| はがすときの刺激 | 赤み、皮むけ、ヒリヒリ | テープの貼っていた範囲。はがした直後に強い |
| 蒸れ・ふやけ | 白くふやける、赤み | 長時間貼った日、汗をかいた日に目立つ |
| 粘着剤のかぶれ | 強いかゆみ、細かいブツブツ、ジュクジュク | テープの形どおりに出る。製品を変えると引く |
| もともとのアトピー性皮膚炎 | 目のまわり以外にも乾燥や湿疹がある | 首・ひじ・ひざの内側などにも湿疹がある |
まぶたが急に大きく腫れる、目やにが多い、目が赤い場合は、皮膚だけでなく目そのものの病気のことがあるため、眼科を受診してください。
家でできる対策
- はがすときはゆっくり、皮膚を押さえながら。テープを皮膚と平行に、折り返すように少しずつはがします。勢いよく引っぱると角層が一緒にはがれるためです。入浴中やぬるま湯でテープを湿らせてからはがすと、刺激が少なくなります。
- 貼る位置を少しずつずらす。毎日まったく同じ場所に貼ると、同じ皮膚に負担が集中します。
- はがした後と寝る前に保湿。ワセリンなどで皮膚を守ります。ただし、貼る直前に塗るとテープがつきにくくなるので、貼る前は塗った跡をよく拭き取ってください。
- 種類を変えて相談する。肌にやさしい粘着剤のもの、眼鏡にかぶせる布タイプなど、複数の種類があります。どれを使ってよいかは、治療の内容によって違うため、眼科に確認してください。
皮膚科での治療
赤みやかゆみが強い場合は、目のまわりにも使える強さの炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)を短期間使います。目のまわりの皮膚は薄いため、塗る量・期間を決めて使い、良くなったら保湿だけに戻します。粘着剤のかぶれが疑われる場合は、皮膚に貼って反応を見る検査(パッチテスト)で確かめることがあります。皮膚を治しながら治療が続けられるよう、眼科と情報を共有して進めます。
診察室でよく聞かれる質問
Q. かぶれがひどいので、しばらくアイパッチを休んでもいいですか?
A. 自己判断で休まないでください。弱視の治療は、子どもの目が育つ時期に行うことで効果が期待できるため、休む日数が治療に影響することがあります。休むかどうか、時間を短くするかどうかは眼科で決めてもらい、その間に皮膚を治療します。
Q. 目のまわりにステロイドを塗っても大丈夫ですか?
A. 医師の指示どおりの強さと期間で使えば、心配しすぎる必要はありません。長く塗り続けることが良くないので、赤みが引いたら保湿に切り替えます。目に入らないように、まぶたのきわには塗りすぎないようにしてください。
Q. 子どもがはがすときに嫌がって泣きます。
A. 入浴時に湿らせてはがすと、痛みがかなり減ります。貼る時間を、好きなテレビや遊びの時間に合わせるなど、楽しい時間とセットにするのも続けるコツです。
受診の目安
- 工夫をしても赤みやかゆみが1〜2週間続く
- ジュクジュクする、かき壊して傷になった
- はがすたびに痛がり、治療が続けにくくなっている
- まぶたが大きく腫れる、目やに・目の充血がある(眼科へ)
関連ページ
参考情報
- 日本眼科医会 目の健康情報(確認日: 2026-10-22)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ(接触皮膚炎)」(確認日: 2026-10-22)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

