「目の下のブツブツが何か月も治らない」「ニキビだと思って市販薬を塗っても変わらない」「病名を調べたら『狼瘡』と出てきて不安になった」。20〜40代を中心にみられ、顔の目立つ場所に出るため、つらい思いをされる方が多い病気です。
顔面播種状粟粒性狼瘡とは(仕組み)
皮膚の中で、免疫の細胞が小さな粒状のかたまり(肉芽腫)をつくる病気です。昔は結核と関係があると考えられていたため「狼瘡」という名前が付いていますが、現在は結核とは関係がないと考えられています。また、全身性エリテマトーデス(膠原病の一つ)の「狼瘡」とも別の病気です。
はっきりした原因はわかっていませんが、毛穴のまわりの炎症が関係していると考えられ、酒さ(顔の赤みの病気)の仲間として扱われることもあります。人にうつることはなく、体のほかの臓器に広がる病気でもありません。
症状・見分け
典型的には、下まぶた・目のまわり・ほお・鼻のわき・口のまわりに、つぶつぶとした赤〜赤茶色の盛り上がりが、左右対称に散らばって出ます。かゆみや痛みはあまりありません。ガラス板で押すと、黄色っぽく透けて見えるのが特徴の一つです。
| 見るところ | ニキビ | 酒さ | 顔面播種状粟粒性狼瘡 |
|---|---|---|---|
| できやすい場所 | おでこ・あご・フェイスライン | ほお・鼻の赤み | 下まぶた・目のまわり・ほお |
| 見た目 | 毛穴のつまり(白・黒ニキビ)がある | 赤み・ほてり・小さな血管が見える | つまりのない赤茶色の粒が左右対称 |
| ニキビの塗り薬 | 効く | 刺激で悪化することも | 効きにくい |
| 経過 | くり返す | 慢性的に続く | 1〜2年ほどで自然に落ち着くことが多い |
目のまわりの小さなブツブツには、汗管腫や稗粒腫など、色や盛り上がり方の違う病気もあります。見た目で迷うときは、局所麻酔で一部を取って調べる検査(皮膚生検)で確かめます。
治療・セルフケア
自然に落ち着くことが多い病気ですが、何もしないと治るまでに時間がかかり、治ったあとに小さなくぼみ(へこんだあと)が残ることがあります。そのため、炎症が強い時期に治療で早くおさめることをおすすめします。
- 抗菌薬の飲み薬: 菌を殺すためではなく、炎症をおさえる働きを期待して、ニキビや酒さにも使うテトラサイクリン系の薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど)を数か月使うことが多い。この病気に対しては適応外の使い方になる場合がある
- トラニラストの飲み薬: 肉芽腫の炎症をおさえる目的で使うことがある(この病気に対しては適応外)
- 塗り薬: 酒さに使う塗り薬などを組み合わせることがある
注意したいのは、ステロイドの塗り薬を自己判断で顔に長く使わないことです。理由は、一時的に赤みが引いても、長く使うと酒さに似た状態が悪化し、かえって治りにくくなることがあるためです。
家では、こすらない洗顔、刺激の少ない保湿、日焼け止めを基本にします。ブツブツを潰したり針で刺したりすると、あとが残りやすくなるので避けてください。
受診の目安
- 目のまわりやほおのブツブツが、1か月以上治らない
- ニキビの薬を使っても変わらない、または悪化した
- ブツブツが左右対称に増えてきた
- 治ったあとにへこみが残り始めている
診察室でよく聞かれる質問
メイクはしてもいいですか?
メイクをすること自体は問題ありません。ただし、こすらずに落とせるもの、刺激の少ないものを選んでください。落とすときにゴシゴシこすることの方が、炎症を長引かせる原因になります。
治ったあとのへこみは治せますか?
浅いものは時間とともに目立たなくなることがあります。気になるへこみが残った場合は、ニキビ跡と同じような治療を相談できることがあります。まずは炎症を早くおさめて、へこみを増やさないことが一番の対策です。
結核の検査は必要ですか?
現在は結核とは関係のない病気と考えられているため、この病気だから結核の検査が必要、ということはありません。ただし、ほかの病気との区別のために、必要に応じて検査をすることはあります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-10-10)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-10)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

