「乾癬で治療していたら、急に熱が出て全身が赤くなった」「皮膚に膿のようなブツブツが広がり、寒気がする」。膿疱性乾癬は乾癬の中でも頻度の低いタイプですが、症状が急に強く出ることがあり、早めの治療が大切な病気です。国の指定難病にもなっています。
膿疱性乾癬とは(仕組み)
乾癬は、免疫の働きが皮膚で過剰になり、炎症が続く病気です。その中で、皮膚に膿疱(のうほう・膿のたまった小さなブツブツ)がたくさんできるタイプを膿疱性乾癬と呼びます。
膿というと細菌の感染を思い浮かべますが、膿疱性乾癬の膿は炎症で集まった白血球のかたまりで、細菌はいません。そのため、人にうつることはありません。
大きく分けて、次のようなタイプがあります。
- 汎発性(はんぱつせい)膿疱性乾癬: 全身に赤みと膿疱が広がり、発熱などの全身の症状を伴う。この記事の中心となるタイプです
- 限局性のもの: 手足の指先など、体の一部に膿疱がとどまる。手のひら・足の裏に出る掌蹠膿疱症は別の病気として扱われることが多いです
きっかけとして、感染症、妊娠、ストレス、ステロイドの飲み薬の急な中止などが知られていますが、はっきりしないことも多くあります。もともと尋常性乾癬がある方に起こることも、乾癬がなかった方に突然起こることもあります。
症状・見分け方
典型的には、発熱・寒気・だるさとともに、皮膚が赤く腫れて熱をもち、その上に1〜数mmの黄色っぽい膿疱が次々に現れます。膿疱が集まると、膿の湖のように見えることもあります。皮膚の痛みやヒリヒリ感、関節の痛み、むくみを伴うことがあります。
| 考えられる原因 | 特徴 | 手がかり |
|---|---|---|
| 膿疱性乾癬(汎発型) | 全身の赤みの上に膿疱が次々に出る | 発熱・だるさ。乾癬の持病があることが多い |
| 急性汎発性発疹性膿疱症 | 全身の赤みと細かい膿疱 | 新しい薬を飲み始めて数日以内に出ることが多い |
| とびひ・毛のう炎 | 膿をもったブツブツ、黄色いかさぶた | 細菌の感染。全身が赤くなることは少ない |
| 掌蹠膿疱症 | 手のひら・足の裏に限った膿疱 | 全身の症状はない |
見分けには、膿疱の中に細菌がいないかを調べる検査、皮膚の一部を取って調べる皮膚生検、全身の状態を見る血液検査などを行います。
治療・セルフケア
全身の症状を伴う膿疱性乾癬は、入院して治療することが多い病気です。脱水、体温の異常、感染、むくみなど、全身の管理が必要になることがあるためです。
- 飲み薬: 皮膚の角化と炎症を抑える薬や、免疫の働きを調整する薬を使います
- 生物学的製剤: 炎症にかかわる物質の働きを狙って抑える注射や点滴の薬です。膿疱性乾癬に使える薬が増え、急な悪化を抑える選択肢も広がっています
- 塗り薬・保湿: 皮膚の炎症を抑え、皮膚を守ります
- 全身の管理: 水分補給、熱や痛みの対応、感染の予防を行います
急性期を越えたあとも、再び悪化しないように治療を続けます。指定難病のため、条件を満たせば医療費の助成制度を利用できます。
乾癬で治療中の方が気をつけること
- ステロイドの飲み薬を自己判断でやめない: 急にやめることが悪化のきっかけになることがあります
- 風邪や感染症にかかったら、早めに主治医に伝える
- 妊娠を考えている、または妊娠中の方は、主治医と治療の計画を相談しておく
受診の目安
次の症状があるときは、その日のうちに医療機関を受診してください。
- 熱が出て、皮膚が広い範囲で赤くなり、膿のブツブツが増えている
- 寒気・強いだるさ・食事や水分がとれない
- むくみがひどい、息苦しい、ふらつく
- 乾癬の治療中に、急に全身の赤みが広がった
夜間や休日で受診先に迷うときは、救急安心センター(#7119)に相談できます。意識がもうろうとしている、息が苦しいなどの場合は、迷わず救急車を呼んでください。
診察室でよく聞かれる質問
膿が出ているので、抗菌薬で治りますか?
膿疱性乾癬の膿は細菌によるものではないため、抗菌薬だけでは治りません。ただし、皮膚が弱っているところに細菌の感染が重なることがあるため、検査で確かめて必要なら抗菌薬も使います。
家族にうつりますか?
うつりません。家族と同じお風呂やタオルを使っても問題ありません。
一度治まれば、もう出ませんか?
再び悪化することがある病気です。治まったあとも通院を続け、悪化のきっかけになりやすい感染症や薬の急な中止を避けることが再発予防につながります。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-06)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-06)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

