「リウマチの治療中に、ひじに硬いしこりができた」「足に治りにくい傷や紫の点々が出てきた」「薬を変えてから湿疹が出る」。関節リウマチは関節の病気として知られていますが、皮膚にもさまざまな変化が出ます。リウマチそのものによる症状と、治療薬による症状に分けて、見分け方と受診の目安を説明します。
関節リウマチと皮膚の関係
関節リウマチは、免疫が自分の関節を攻撃して炎症が続く病気です。炎症は関節だけでなく、皮膚の下の組織や、皮膚の血管にも及ぶことがあります。また、関節の炎症を抑える薬は免疫に働きかけるため、感染症や薬疹など皮膚の副作用が出ることがあります。
皮膚の症状は、次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
- リウマチそのものによる症状:リウマチ結節、血管炎による紫斑や潰瘍、手のひらの赤みなど
- 治療薬による症状:口内炎、脱毛、薬疹、帯状疱疹などの感染症、皮膚が薄くなる・あざができやすいなど
リウマチそのものによる皮膚症状
| 症状 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| リウマチ結節 | ひじの外側、指の関節、かかとなど圧がかかる場所に、硬くて動きにくいしこり。痛みは少ないことが多い | 粉瘤や痛風結節と見分ける。ぶつけて傷になると治りにくい |
| 血管炎による紫斑・潰瘍 | すねや足首に紫の点々、指先の小さな黒い点、治りにくい潰瘍 | リウマチの活動が強いサインのことがある。早めの受診が必要 |
| 手のひらの赤み | 手のひらの付け根がまだらに赤い | 痛みやかゆみは少ない |
| 網目状の赤紫の模様 | 太ももやすねに網の目のような模様 | 血流の変化。ほかの症状と合わせて評価する |
リウマチ結節は、多くの場合そのまま様子を見ます。ただ、靴や机に当たって痛む、皮膚が破れて傷になる、急に大きくなったといった場合は、切除を検討することがあります。粉瘤など別のしこりのこともあるため、診察で確認します。
治療薬による皮膚症状
関節リウマチの治療では、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬、ステロイドなどが使われます。皮膚に出やすい副作用には次のようなものがあります。
- 口内炎・脱毛:メトトレキサートで出ることがあります。葉酸の補充で軽くなることがあるため、主治医に伝えてください
- 帯状疱疹:免疫を抑える治療中は帯状疱疹にかかりやすくなります。とくにJAK阻害薬で起こりやすいことが知られています
- 水虫・カンジダ・蜂窩織炎などの感染症:治りにくく、広がりやすい傾向があります
- 乾癬のような発疹や湿疹:生物学的製剤の使用中に出ることがあります
- 皮膚が薄くなる・あざができやすい:ステロイドを長く飲んでいると起こりやすくなります
- 薬疹:どの薬でも起こりえます。新しく始めた薬の後に出る発疹は要注意です
副作用が出ても、リウマチの薬を自己判断でやめないでください。皮膚の治療で抑えながら続けられることも多く、続けるかどうかは主治医と皮膚科が相談して決めます。
自分でできること
- リウマチ結節がある場所を、硬い面に長く当てない。ひじをつく癖や、合わない靴は傷のもとになります
- 足の傷・ひび割れ・水虫を放置しない。治療中は小さな傷から感染が広がることがあります
- 保湿を続ける。乾燥した皮膚はひび割れやすく、感染の入り口になります
- 使っている薬の名前を、お薬手帳やスマートフォンで持ち歩く。皮膚科では薬の情報が診断に欠かせません
よくある質問
Q. ひじのしこりは取ったほうがいいですか?
A. 痛みや傷がなければ、基本的には取らずに様子を見ます。生活に支障があるとき、傷になって治らないとき、別のしこりとの区別が必要なときに切除を考えます。リウマチの治療で小さくなることもあります。
Q. リウマチの治療中ですが、帯状疱疹ワクチンは受けられますか?
A. 不活化(組換え)タイプの帯状疱疹ワクチンは、免疫を抑える治療中でも接種を検討できるとされています。生ワクチンは使えない場合があるため、主治医に確認してください。
Q. 皮膚科とリウマチ科、どちらに相談すればいいですか?
A. 皮膚の症状は皮膚科で診断し、結果をリウマチの主治医に伝えるのがスムーズです。紫斑や潰瘍など、リウマチの活動に関わる症状のときは、両方で連携して治療を決めます。
受診の目安
- ひじや指のしこりが痛む・傷になった・急に大きくなった
- すねや足首に紫の点々、治りにくい潰瘍が出た
- 指先に黒い点、色が変わる部分がある
- リウマチの薬を始めてから、発疹・口内炎・脱毛が続く
- ピリピリした痛みのあとに、体の片側に水ぶくれが帯状に出た(帯状疱疹の可能性)
発熱とともに発疹が全身に広がる、口や目がただれる、皮膚が急に赤く腫れて熱を持つ場合は、その日のうちに受診してください。夜間や休日で迷うときは、救急安心センター(#7119)に相談できます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-31)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ヘルペスと帯状疱疹(確認日: 2026-10-31)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

