「頭を触るとかさぶたがあって、つい爪ではがしてしまう」「フケと一緒にかさぶたが取れる」「何度も同じところにできる」。頭皮は見えないぶん、触って確かめて掻いてしまい、なかなか治らない悪循環になりがちです。原因ごとの特徴と、治し方を整理します。
頭皮のかさぶたとは(仕組み)
頭皮は皮脂(あぶら)の腺と毛穴がとても多く、髪で覆われて蒸れやすい場所です。皮脂が多いことでカビ(真菌)の一種が増えやすく、整髪料やヘアカラーなどの刺激も受けます。
炎症でかゆくなって掻くと、皮膚が傷つき、血液や浸出液が固まってかさぶたになります。かさぶたは傷を守るふたですが、気になってはがすと、また傷になってかゆくなり、同じことを繰り返します。
症状・見分け
| 考えられるもの | 特徴 | 多い人・きっかけ |
|---|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | 黄色っぽい、べたつくフケ。生え際・耳のうしろ・眉毛にも赤みと皮むけ | 皮脂の多い人、寝不足・疲れ |
| ヘアカラー・シャンプーのかぶれ | 染めた・新しいシャンプーにした後、数日以内に強いかゆみ。生え際や首まで赤い | 白髪染めを続けている人 |
| 乾癬(かんせん) | 銀白色の厚いフケが、境目のはっきりした赤い盛り上がりに付く。生え際を越えて広がる | ひじ・ひざ・爪にも変化があることがある |
| 毛包炎・頭皮ニキビ | 毛穴に一致した赤いブツブツ、中央に膿。痛みを伴う | 汗・蒸れ、整髪料 |
| 乾燥 | 白く細かい、パラパラしたフケ | 洗いすぎ、冬 |
| 頭部白癬(しらくも) | 円形にフケが付き、毛が切れたり抜けたりする | 子ども、柔道・レスリングなどの格闘技 |
| 日光角化症 | 薄毛の部分に、はがしてもまたできる、ざらざらしたかさぶた | 屋外で長く過ごしてきた高齢の方 |
治療・セルフケア
治療は、かさぶたそのものではなく、元になっている炎症に対して行います。
- 脂漏性皮膚炎: カビ(真菌)に効く塗り薬やローションを中心に、赤みが強いときはステロイドのローションを短い期間使います。市販品では、コラージュフルフルなどの抗真菌成分を配合したシャンプーが代表的です
- かぶれ: 原因のヘアカラーやシャンプーをやめ、ステロイドのローションで炎症を抑えます。白髪染めのかぶれは、続けるとだんだん強くなることがあります
- 乾癬: ステロイドやビタミンD3の外用薬を使います。範囲が広い場合は、飲み薬や注射の薬を考えることもあります
- 頭部白癬: カビの検査で確かめ、飲み薬で治療します。塗り薬だけでは毛の奥まで届きにくいためです
- 日光角化症: 液体窒素や塗り薬で治療します。必要に応じて、一部を取って顕微鏡で調べます
脂漏性皮膚炎は体質による面が大きく、いったん良くなっても繰り返しやすい病気です。良くなったあとも、シャンプーの選び方や塗り薬の使い方を調整しながら、長く付き合っていく姿勢が大切です。
家でできること
- かさぶたは、はがさない。シャンプーでふやけて自然に取れるのを待ちます
- 洗うときは爪を立てず、指の腹でやさしく洗う
- 洗った後はドライヤーで根元まで乾かす。蒸れるとカビが増えやすくなるためです
- ヘアカラーを使っていて頭皮がかゆいときは、次の染毛を見送る
受診の目安
- 市販のシャンプーやかゆみ止めを2週間ほど続けても、よくならない
- ヘアカラーの後に、顔や首まで赤く腫れた(早めに)
- ジュクジュクして黄色いかさぶたが広がっている
- 髪が抜けて、地肌が見える範囲がある
- 高齢の方で、同じ場所のかさぶたが何か月も治らない、出血しやすい
診察室でよく聞かれる質問
シャンプーは毎日したほうがいいですか?
脂漏性皮膚炎で皮脂やフケが多い場合は、毎日洗ったほうが落ち着きやすいです。乾燥が原因のときは、洗いすぎがかえって悪化させるため、洗う回数やシャンプーの量を控えめにします。原因によって答えが変わるので、受診時に確認してください。
かぶれていても、白髪染めを続けたいのですが。
一度かぶれた染毛剤を使い続けると、反応がだんだん強くなり、顔が大きく腫れることもあります。原因の成分を含まないタイプ(ヘアマニキュアなど)に変えられるか、受診時に相談してください。
かさぶたがはがれた所から、髪は生えてきますか?
多くの場合、炎症が治まれば生えてきます。ただし、強い炎症や掻き壊しが長く続くと毛根が傷むことがあるため、早めに炎症を抑えることが大切です。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ(確認日: 2026-10-12)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 白癬(確認日: 2026-10-12)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-12)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

