「病院に着いたら、じんましんが消えていて説明しにくかった」「湿疹がいつ悪くなるのか、自分でもよく分からない」「何が原因かを調べてほしいけれど、何を伝えればいいのか分からない」。皮膚の症状は、言葉だけで伝えるのが意外と難しいものです。診察で役に立つ記録の残し方を説明します。
記録が役に立つ理由(仕組み)
じんましんは数時間〜1日以内に跡を残さず消えるのが特徴で、診察室で実物を見られないことがよくあります。湿疹も、良い日と悪い日の波があり、受診した日の状態だけでは、ふだんの様子が分かりません。
また、じんましんの多くははっきりした原因が見つかりませんが、温度・汗・こすれ・特定の食べ物や薬など、悪化のきっかけが見つかることはあります。きっかけは、記録を並べてはじめて見えてくることが多いのです。記録があると、医師は「どのタイプのじんましんか」「薬が効いているか」「量を減らせるか」を判断しやすくなります。
何を記録すればいいか
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 日時と続いた時間 | 10/26 夜9時ごろ〜翌朝には消えた |
| 出た場所 | おなかと太もも、腰のゴムのあたり |
| 見た目・かゆさ | 赤いミミズ腫れ、かゆみ強い(眠れない程度) |
| 直前にしていたこと | 入浴後、カイロを貼っていた、運動した |
| 食べたもの・飲んだ薬 | 夕食にサバ、鎮痛薬を1錠 |
| 使った薬と効き方 | かゆみ止めを飲んで1時間で軽くなった |
全部をそろえる必要はありません。「日時・場所・直前にしていたこと」の3つがあれば、診察ではかなり役に立ちます。
写真の撮り方
- 近くと遠くの2枚を撮る。近くの1枚でブツブツの形が、遠くの1枚で体のどこにどれくらい広がっているかが分かります。
- 明るい場所で、フラッシュを使わずに撮る。フラッシュは赤みを飛ばしてしまい、色が分かりにくくなるためです。
- いちばんひどいときに撮る。じんましんは消えるのが早いので、気づいたらすぐに撮っておくのがコツです。
- 治療を始める前に撮っておく。治療の前後を比べることで、薬がどれくらい効いているかが分かります。
写真は診察のときにスマートフォンの画面で見せていただくのがいちばん確実です。プライバシーの気になる部位は、無理に撮らなくて構いません。
治療・受診との関係
じんましんでは、毎日飲むかゆみ止めの量を、症状の出方に合わせて増やしたり減らしたりします。湿疹では、塗り薬を塗る回数を少しずつ減らしていく時期を見極めます。どちらも「最近どれくらい出ているか」が判断の材料になるため、記録があると、薬の調整がしやすくなります。
診察室でよく聞かれる質問
Q. 毎日書くのが続きません。どうすればいいですか?
A. 症状が出た日だけで十分です。スマートフォンのメモやカレンダーに1行書き、写真を撮るだけでも役に立ちます。症状が出なかった日は、何も書かなくて構いません。出なかったこと自体が、薬が効いているという情報になります。
Q. 食べ物が原因か調べてほしいのですが、記録で分かりますか?
A. 記録で同じ食べ物のあとに繰り返し出ていることが分かれば、検査を考える手がかりになります。ただし、ほとんどのじんましんは食べ物とは関係がありません。自己判断で食べ物を次々に除くと、かえって食事が偏ることがあるので、記録を持って相談してください。
受診の目安
- じんましんや湿疹が、何度も繰り返し出る
- 同じきっかけで出ている気がする
- かゆみで眠れない、日常生活に支障がある
- まぶたや唇の腫れ、息苦しさを伴う場合は、記録よりもすぐの受診を優先してください(迷うときは #7119)
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-26)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-26)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

