「冬になると足の指が紫になる」「最近、指先が黒っぽくなってきた」。足の指の色の変化は、寒さによる一時的なものから、血管の病気のサインまで幅があります。とくに糖尿病・喫煙・高血圧・透析などがある方では、見逃したくない変化です。
足の指の色が変わる仕組み
皮膚の色は、皮膚の下を流れる血液の量と状態で決まります。血液がよく流れていればピンク色、流れが遅くなって酸素が減ると紫色(チアノーゼ)、流れが止まって組織が傷むと黒色になります。
- 寒さで血管が一時的に縮む: しもやけ、レイノー現象。温まれば戻ります
- 血管そのものが細く・詰まってくる: 末梢動脈疾患(足の動脈硬化)。少しずつ進み、温めても戻りにくくなります
- 細い血管に何かが詰まる: 血管のカテーテル検査・治療のあとなどに、コレステロールのかけらが流れて指先が紫になることがあります
- 皮膚の下の出血: ぶつけた、靴に当たった。爪の下が黒くなるのもこのタイプです
症状・見分け
| 原因 | 特徴 | 温めると |
|---|---|---|
| しもやけ | 赤紫に腫れ、かゆい。温まるとむずがゆくなる。子どもや若い方にも多い | 徐々に引く |
| レイノー現象 | 冷えると指が白→紫→赤と色が変わる。手の指に多いが足にも出る | 数分〜数十分で戻る |
| 足の血流障害(末梢動脈疾患) | 足が冷たい、歩くとふくらはぎが痛くなり休むと治る、傷が治りにくい、指先が紫〜黒 | 戻りにくい |
| 打撲・靴ずれの内出血 | ぶつけた覚えや靴の当たる場所に一致。痛みは日に日に軽くなる | 変わらない(徐々に消える) |
見分けの決め手は、「温めると戻るか」と「歩くとふくらはぎが痛むか」です。歩くと脚が痛み、少し休むとまた歩ける状態を「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といい、足の血流障害の代表的なサインです。
治療・セルフケア
しもやけ・レイノー現象の場合
靴下の重ねばき、厚手の靴、濡れた靴下はすぐ替えるなど、足を冷やさない工夫が基本です。しもやけには血流をよくする塗り薬やビタミンEの飲み薬を使うことがあります(関連記事: しもやけ(凍瘡)とは)。
足の血流障害が疑われる場合
足首と腕の血圧を比べる検査などで、血流の状態を調べます。血管の治療が必要な場合は、循環器内科や血管外科と連携します。皮膚科では、治りにくい傷の処置や、傷を作らないための足のケアを担当します。
血流障害がある足は、小さな傷でも治りにくく、そこから感染が広がることがあります。そのため、次のことを毎日の習慣にしてください。
- 毎日、足を見る: 指の間や足の裏も。見えにくければ鏡を使うか、家族に見てもらいます
- あんかや湯たんぽを直接当てない: 血流が悪い足は熱を感じにくく、低温やけどになりやすいためです
- きつい靴を避ける: 靴ずれが傷の入り口になります
- 禁煙: たばこは血管を縮め、血流障害を進める大きな原因です
受診の目安
- 急に足の指や足先が白〜紫になり、冷たく強く痛む、しびれる、動かしにくい: 血管が急に詰まった可能性があります。すぐに救急車(119)を呼んでください。迷うときは救急安心センター(#7119)へ
- 指先が黒くなってきた、乾いて硬くなってきた
- 足の傷が2週間以上治らない
- 温めても紫色が戻らない
- 歩くとふくらはぎが痛み、休むと治まることを繰り返す
- 血管のカテーテル検査や治療を受けたあとに、足の指が紫になった
診察室でよく聞かれる質問
糖尿病があります。何科に行けばいいですか?
傷や色の変化があれば、まず皮膚科で診てもらってかまいません。血流の検査や治療が必要なら、循環器内科や血管外科へ紹介します。糖尿病の主治医にも、足の変化を必ず伝えてください。
マッサージや足湯で血流はよくなりますか?
しもやけやレイノー現象なら、ぬるめの足湯で温めるのは役立ちます。ただし、足の血流障害がある方は熱さを感じにくいため、熱いお湯でやけどをすることがあります。お湯の温度は手で確かめてから入れてください。
色の変化を記録しておいたほうがいいですか?
はい。色は時間帯や温度で変わるため、受診時には戻っていることがあります。紫や黒になっているときの写真を、日付がわかる形で撮っておくと診断に役立ちます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-14)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-14)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

