「顔のほくろが、昔より盛り上がってきた気がする」「平らなほくろと膨らんだほくろは何が違うの?」「ほくろから毛が生えている」。ほくろは誰にでもあるものですが、種類による違いはあまり知られていません。種類と変化のしかた、取り方の違いを整理します。
ほくろとは(仕組み)
ほくろは、皮膚の色をつくる細胞(メラノサイト)の仲間が集まってできた良性のできもので、医学的には「色素細胞母斑(しきそさいぼうぼはん)」と呼ばれます。
この細胞が、皮膚の浅いところ(表皮と真皮の境目)にあると平らで黒っぽく、深いところ(真皮)に移っていくと盛り上がって色が薄くなります。多くのほくろは、年齢とともに浅いところから深いところへゆっくり移っていくと考えられています。
症状・見分け(ほくろの種類)
| 種類 | 見た目 | 多い年代・場所 |
|---|---|---|
| 境界母斑 | 平らで、黒〜こげ茶色。境目がはっきり | 子ども〜若い人。手のひら・足の裏にも |
| 複合母斑 | 少し盛り上がり、中央が茶色く濃い | 思春期〜大人 |
| 真皮内母斑 | ドーム状に盛り上がり、肌色〜薄茶色。毛が生えていることが多い | 大人。顔に多い |
| 乳頭状のほくろ | 表面がでこぼこした、やわらかいふくらみ | 大人。体・首 |
| 先天性色素細胞母斑 | 生まれつきの、大きめで毛が生えることのあるほくろ | 生まれたとき〜乳児期から |
| 青色母斑 | 青〜灰色の、小さく硬いふくらみ | 手の甲・顔・頭 |
| スピッツ母斑 | 赤〜茶色の、急に出てくるドーム状のふくらみ | 子ども |
ほくろと間違えやすいもの
- 脂漏性角化症(老人性イボ): 表面がざらざらした茶色〜黒のふくらみ。中年以降に増える
- 基底細胞がん: 黒〜灰色のつやのあるふくらみ。ただれや出血を繰り返す。顔の中心に多い
- メラノーマ: 形がいびつ、色むら、ふちがにじむ、短期間で大きくなる
これらは、拡大鏡(ダーモスコピー)で色の並び方や模様を見ることで、多くは見分けられます。
治療(取り方の選び方)
ほくろは良性なので、取ることは必須ではありません。見た目が気になる、ひっかかる、変化が気になる場合に、種類と場所に合わせて方法を選びます。
| 方法 | 向いているほくろ | 特徴 |
|---|---|---|
| 切除して縫う | 平らで大きいもの、悪性を否定したいもの | 根元まで取れるので再発しにくい。病理検査ができる。線状の傷あとが残る |
| くり抜き法 | 小さめのもの | 丸くくり抜いて、縫わない・または小さく縫う |
| 炭酸ガスレーザー | 小さく盛り上がったもの | 削るように取る。傷は小さいが、深い細胞が残ると再発することがある |
| シェービング(削る) | 盛り上がった真皮内母斑 | ふくらみを平らに削る。病理検査ができる |
悪性が疑われる場合や、炎症を繰り返す場合の切除は、保険診療になることがあります。見た目だけを目的とした除去は自由診療となることが多く、扱いは医療機関によって異なります。
※見た目を目的としたほくろ除去は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、傷あと・へこみ・赤み・色素沈着・再発があります。
受診の目安
- 大人になってから出てきたほくろが、短い期間で大きくなっている
- 形が左右非対称、ふちがにじむ、色むらがある
- 出血する、ただれて治らない(早めに)
- 足の裏・手のひら・爪のほくろの形や色が変わってきた
- ひげそりや服にひっかかって、何度も傷つく
診察室でよく聞かれる質問
ほくろが盛り上がってきたのは、悪いサインですか?
何年もかけてゆっくり盛り上がり、色が薄くなってきたのであれば、ほくろの細胞が深いところに移っていくふつうの変化であることがほとんどです。数か月の単位で急に大きくなった、色が濃く・まだらになったという場合は、受診してください。
ほくろから生えている毛は、抜いてもいいですか?
抜くより、ハサミで短く切るほうがおすすめです。抜くと毛穴に炎症が起き、ほくろが赤く腫れることがあります。毛を抜いてもほくろが悪くなるわけではありません。
レーザーで取ったほくろが、また出てきました。
レーザーで削る方法では、深いところの細胞が残り、再発することがあります。再発したものは、切除して病理検査で確かめることもあります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ホクロ(確認日: 2026-10-12)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A メラノーマ(確認日: 2026-10-12)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

