「しこりを診てもらったら、エコーをしましょうと言われた」「エコーで何が分かるの?痛くない?」。エコー検査は妊婦健診や内臓の検査のイメージが強いかもしれませんが、皮膚のできもの、とくに皮膚の下のしこりを調べるのにもよく使われます。
エコー検査とは(仕組み)
エコー検査は、人の耳には聞こえない高い音(超音波)を皮膚に当て、はね返ってくる音を画像にする検査です。音のはね返り方は、水っぽいもの・脂肪・硬い組織などで違うため、しこりの中身の違いが画面上の明るさや模様の違いとして見えます。
- 放射線を使わないので、被ばくの心配がない
- 子どもや妊娠中の方にも行える
- その場で画像を見ながら説明を受けられる
エコーで分かること(見分け)
しこりは、触った硬さや動き方である程度見当がつきますが、エコーを使うと次のことがより正確に分かります。
| 分かること | 何に役立つか |
|---|---|
| しこりの種類の見当(袋状か、脂肪のかたまりか、など) | 粉瘤・脂肪腫・ガングリオン・リンパ節などの見分け |
| 大きさ・形 | 外から触った大きさより、実際は大きいことがある |
| 深さ(皮膚のすぐ下か、筋肉の近くか) | 手術の方法・切る大きさ・かかる時間の見通し |
| 中の血の流れ | 血管が多いしこりは、詳しい検査や別の対応が必要なことがある |
| 炎症の広がり | 腫れた粉瘤で、膿がどこまで広がっているか |
たとえば、粉瘤は皮膚のすぐ下にある袋状のもの、脂肪腫は皮膚の下の脂肪の層にあるやわらかいかたまりとして見えることが多いです。ただし、エコーだけで最終的な診断が決まるわけではありません。取ったものを病理検査(顕微鏡で詳しく調べる検査)に出して、はじめて確定します。
検査の流れ
- しこりのある場所を出せる服装で受ける
- 皮膚にゼリーを塗る(音を皮膚の中に通しやすくするため。少しひんやりする)
- 小さな機械(プローブ)を皮膚に当てて、しこりのまわりをゆっくり動かす
- 数分〜10分ほどで終わる。終わったらゼリーを拭き取る
痛みはほとんどありません。炎症を起こして腫れているしこりは、押されると少し痛むことがあるので、痛いときは遠慮なく伝えてください。
治療(エコーの結果で変わること)
エコーの結果は、手術をするかどうか、どんな方法で取るかの判断材料になります。
- 浅く小さい粉瘤: 小さな穴から袋を取り出す方法(くり抜き法)が選べることがある
- 大きい・深い・癒着がある粉瘤: 切開して袋ごと取る方法が向いている
- 筋肉の近くや中にある脂肪腫: 手術の範囲が広くなるため、より大きな病院で行うことがある
- 血の流れが多い・形がいびつなしこり: MRIなど、さらに詳しい検査を考える
事前に深さや大きさが分かっていると、手術の時間や傷の長さの見通しを、手術前に説明できます。思っていたより大きかった、ということを減らせるのも利点です。
受診の目安
- 皮膚の下のしこりが、少しずつ大きくなっている
- しこりが5cmを超えるほど大きい
- 硬くて動かない、押しても形が変わらない
- しこりが赤く腫れて痛い
- 取りたいと考えているしこりがある
診察室でよく聞かれる質問
エコーだけで良性か悪性か分かりますか?
エコーで悪性を疑う手がかりが見つかることはありますが、最終的な判断は、取ったものの病理検査で行います。エコーは、どのくらい急ぐべきか、どんな検査や手術が必要かを決めるための検査です。
エコーは保険で受けられますか?
医師が診療に必要と判断して行う場合は、保険が適用されます。費用は、検査の内容や負担割合によって変わります。
MRIやCTとの違いは何ですか?
エコーはその場ですぐに、痛みや被ばくなく行えるのが利点です。MRIやCTは、深いところや広い範囲を詳しく見るのに向いています。まずエコーで調べ、必要な場合にMRIなどを追加するのが一般的な順番です。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 粉瘤(確認日: 2026-10-17)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-17)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

