「髪をとかしたら、頭にコリッとしたしこりがあった」「美容院で指摘された」「いくつもある」。頭のしこりは自分では見えにくく、気づいたときには数年たっていることもあります。粉瘤(ふんりゅう)と同じ仲間のできものですが、頭皮に多いなど、いくつか違いがあります。
外毛根鞘嚢腫とは(仕組み)
皮膚の下に袋ができ、その中に角質(垢のようなもの)がたまって少しずつ大きくなる良性のできものです。粉瘤が皮膚の表面に近い部分から袋ができるのに対し、外毛根鞘嚢腫は、毛の根元を包む部分(外毛根鞘)から袋ができます。そのため、毛の多い頭皮にできやすいのが特徴です。
中年以降の女性に多く、いくつも同時にできる人や、家族にも同じしこりがある人もいます。袋の中身はかたく詰まっていて、時間がたつとカルシウムがたまり、さらにかたくなることもあります。
症状・見分け
| 考えられるもの | 特徴 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| 外毛根鞘嚢腫 | つるっとしたかたいしこり。皮膚の下で少し動く | 頭皮に多い。表面に黒い点(へそ)がないことが多い。においの強い中身が出ることは少ない |
| 粉瘤 | やわらかめ〜かためのしこり。真ん中に黒い点があることが多い | 全身どこにでもできる。押すとくさい中身が出ることがある |
| 脂肪腫 | やわらかく、ぷよぷよしたしこり | 頭皮よりも、背中・肩・腕に多い |
| そのほかのできもの | 急に大きくなる、表面がただれる、出血する | まれに悪いものもあるため、早めに受診 |
見た目と触った感じでおおよそ見当はつきますが、確定するのは取り除いたものを顕微鏡で調べる検査(病理検査)です。
治療・セルフケア
手術で袋ごと取り除く
飲み薬や塗り薬で小さくなることはなく、治療は手術です。局所麻酔をして皮膚を小さく切り、袋ごと取り出して縫い合わせます。袋が残ると再発しやすいため、袋をきれいに取りきることが大切です。外毛根鞘嚢腫は袋の壁が比較的しっかりしているため、きれいに取り出しやすいことが多いです。
頭皮の手術では、多くの場合、髪を広く剃る必要はありません。傷あとは髪に隠れて目立ちにくいことがほとんどです。
小さくて気にならないなら、様子を見ることもある
良性のできものなので、小さく、大きさも変わらず、生活に困っていなければ、すぐに取る必要はありません。ただし、大きくなってから取ると傷も大きくなるため、気になっているなら小さいうちに取るほうが体の負担は少なくて済みます。
自分で潰さない
中身を押し出そうとすると、袋が破れて炎症を起こし、腫れて痛くなることがあります。炎症を起こすと、手術も難しくなります。
受診の目安
- 頭皮にしこりがあり、少しずつ大きくなっている
- くしやブラシが当たって痛い、髪を結ぶのに邪魔になる
- しこりが赤く腫れて痛い(炎症を起こしている可能性があります)
- 急に大きくなった、表面がただれる、出血する(早めに受診してください)
- しこりがいくつもある、家族にも同じしこりがある
診察室でよく聞かれる質問
手術の後、髪はいつから洗えますか?
多くの場合、翌日からシャワーで洗えます。傷を強くこすらず、シャンプーの泡でやさしく洗って、よく流してください。抜糸までの過ごし方は、傷の大きさによって変わるため、手術のときに確認してください。
ヘアカラーやパーマはいつからできますか?
傷が閉じるまでは、薬剤がしみたり、かぶれたりする原因になるため控えてください。抜糸が終わり、傷がしっかり閉じてからが目安です。
放っておくと、がんになりますか?
外毛根鞘嚢腫は良性で、がんになることは非常にまれです。ただし、急に大きくなる、形が変わるといった場合は、別のできものとの区別のためにも受診してください。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 粉瘤(確認日: 2026-10-13)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-13)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

