「乾癬の治療で紫外線を当てると聞いたが、日焼けして大丈夫なのか」「何回くらい通うのか」——通院の負担が読めないと決めにくい治療です。仕組みと現実的な通い方を整理します。
どういう治療か
紫外線にはUVA・UVBといった幅があり、波長ごとに皮膚への働きが違います。光線療法では、そのうち治療に有用とされる狭い範囲の波長だけを取り出して照射します。広く使われているのがナローバンドUVBと呼ばれる方法です。
当たった紫外線は皮膚の中で、過剰に働いている免疫の反応を抑える方向に作用すると考えられています。塗り薬が「表面から炎症を抑える」のに対し、光線療法は皮膚の中の反応そのものに働きかける点が違いです。
日焼け・日光浴との違い
| 光線療法 | 日光浴・日焼けサロン | |
|---|---|---|
| 波長 | 治療目的の狭い範囲に限定 | 広い範囲が混ざる |
| 量の管理 | 秒単位で照射量を設定・記録 | 管理されない |
| 回数の記録 | 累積照射量を医療機関が把握 | 把握されない |
| 当てる範囲 | 病変部に絞ることができる | 全身に無差別 |
| 目の保護 | 専用のゴーグルを使用 | 不十分なことがある |
| 位置づけ | 医師の管理下の治療 | 治療ではない |
この違いから、「治療の代わりに日焼けする」ことは勧められません。効果が期待できないだけでなく、日焼けによる皮膚の負担が増えます。
対象になりやすい病気
- 乾癬——外用薬で十分に落ち着かない場合の選択肢のひとつです
- アトピー性皮膚炎——年齢や状態を見たうえで検討されます
- 白斑(尋常性白斑)——色が戻る反応をねらって行われます
- 掌蹠膿疱症——手のひら・足の裏に絞って当てる装置が使われることがあります
- 円形脱毛症・痒疹・皮膚掻痒症など——状態に応じて検討されます
いずれも効果の出方・必要な回数には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるものではありません。効果が見られない場合には、他の治療への切り替えが検討されます。
通い方と、実際の流れ
- 頻度——週1〜3回が一般的です。間隔が空くと効果が出にくくなるため、通える範囲かどうかが治療選択の実際的な条件になります
- 1回の時間——照射自体は数十秒〜数分で終わることが多く、着替えを含めても短時間です
- 始め方——最初は弱い量から始め、皮膚の反応を見ながら少しずつ増やします。いきなり強く当てることはしません
- 効果の判断——数週間〜数か月続けて評価します。1〜2回で判断できるものではありません
- 記録——照射量は毎回記録され、累積の量が管理されます
起こりうること・注意点
- 照射後に赤み・ヒリつきが出ることがあります。強く出た場合は次回の量を調整するため、必ず伝えてください
- 色素沈着(日焼けのように黒くなる)が起こることがあります
- 乾燥・かゆみが出ることがあるため、保湿は続けます
- 目の保護——照射中はゴーグルを着けます
- 長期・多数回の照射では、皮膚への影響が考慮されます。だからこそ累積量が記録され、漫然と続けない管理が行われます
- 光線過敏を起こす病気・薬がある場合は行えないことがあります。飲んでいる薬は必ず申告してください(お薬手帳の持参が確実です)
- 治療当日の日焼け止め・化粧品の使い方について指示が出ることがあります
受診・相談の目安
- 塗り薬を続けているが、良くなったり悪くなったりを繰り返している
- 広い範囲に症状があり、塗るのが追いつかない
- ステロイド外用の量や期間が気になっている
- 治療の選択肢として何があるのかを知りたい
光線療法は装置のある医療機関で行われる治療です。現在通院中の方は、まず主治医に適応と通院回数を確認してください。
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。慢性に経過する皮膚の病気は、「続けられる方法かどうか」まで含めて選ぶことが結果につながります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-09)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「アトピー性皮膚炎」(確認日: 2026-09-09)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

