ブユ(ブヨ)に刺されてパンパンに腫れた・かゆみが何週間も続く|蚊との違い、早めのステロイドが大切な理由

ブユ(ブヨ)に刺されてパンパンに腫れた・かゆみが何週間も続く|蚊との違い、早めのステロイドが大切な理由
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年9月25日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「キャンプから帰ってきたら、足首がパンパンに腫れてきた」「刺されたときは気づかなかったのに、翌日から猛烈にかゆい」「1か月たっても、硬いしこりとかゆみが残っている」。ブユの刺し口は、蚊に刺されたときとは腫れ方も長引き方もまったく違うのが特徴です。

目次

ブユ(ブヨ)とは(なぜひどく腫れるのか)

ブユは体長3〜5mmほどの、ハエを小さくしたような黒っぽい虫で、地域によって「ブヨ」「ブト」とも呼ばれます。きれいな川や渓流の近くで育つため、山・高原・キャンプ場・釣り場・農作業の場などで刺されることが多く、特に朝方や夕方によく活動します。

蚊が針を刺して血を吸うのに対し、ブユは皮膚をかみ切って、出てきた血を吸います。そのとき唾液の成分が皮膚に入り、それに対する体のアレルギー反応が強く出るため、ひどく腫れます。かまれた瞬間はあまり痛みがなく、その場では気づかないことがほとんどです。

症状と見分け方

典型的な経過は次のとおりです。

  • 刺された直後 — 小さな赤い点、少量の出血。気づかないことが多い
  • 半日〜翌日 — 刺された場所を中心に、赤く大きく腫れ上がり、強いかゆみ・熱感・痛みが出る。足首なら足の甲までむくむこともある
  • 数日〜数週間 — 腫れはひいても、硬いしこりと強いかゆみが残ることがある。かきこわすと長引きやすい
虫 症状が出るまで 腫れ・かゆみの特徴
ブユ(ブヨ) 半日〜翌日に強くなる 大きく腫れ、痛みも伴う。かゆみが数週間続くことがある。刺し口に小さな出血点
蚊 刺されてすぐ ぷくっとした盛り上がりで、多くは数時間〜数日でおさまる
ハチ 刺された瞬間に強い痛み 強い痛みと腫れ。全身症状が出ることがある(関連記事: ハチに刺されたら)
マダニ かまれても痛みやかゆみが少ない 虫が皮膚にくっついたままになっていることがある(関連記事: マダニにかまれたら)

治療と自分でできる対処

治療の基本は、強めのステロイドの塗り薬で、早めに炎症を抑えることです。ブユの刺し口は炎症が深く強いため、弱い薬で様子を見ているうちに、かきこわして硬いしこり(痒疹:ようしん)になってしまうことがあるからです(関連記事: 痒疹)。

  • 刺されたと気づいたら — 流水と石けんで洗い、保冷剤をタオルで包んで冷やす。冷やすとかゆみや腫れがやわらぐ
  • 塗り薬 — 市販薬なら、ステロイド成分入りの虫刺され薬を選ぶ。腫れが大きい場合は、医療機関で強めのステロイドを処方してもらうのがよい
  • かゆみが強いとき — かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)を併用することがある
  • しこりが残ったとき — ステロイドのテープ剤を貼る、しこりに直接注射するなどの治療を行うことがある

かきこわさないことが、長引かせないためのいちばんのコツです。かき傷から細菌が入ると、とびひ(伝染性膿痂疹)や、皮膚の奥の感染(蜂窩織炎:ほうかしきえん)を起こすことがあります。

予防のしかた

  • 肌を出さない — 長袖・長ズボン・靴下を着用する。ブユは足首やすねをよく刺すため、ズボンのすそを靴下に入れるのも有効
  • 虫よけ剤を使う — ディートやイカリジンを含む虫よけ剤を、肌の露出部分にむらなく塗る。汗で流れたら塗り直す(関連記事: 虫よけ剤の選び方)
  • 時間帯と場所に気をつける — 朝方・夕方の川辺や草地では特に注意する
  • 明るい色の服を選ぶ(黒っぽい色に寄ってきやすいとされる)

診察室でよく聞かれる質問

質問 答え 理由
毒を吸い出したり、しぼり出したりしたほうがいいですか? おすすめしません ブユは毒を注入するのではなく、唾液に対するアレルギー反応で腫れるためです。強くしぼると皮膚を傷つけ、感染のもとになります
お風呂に入ってもいいですか? 入ってかまいませんが、熱いお湯や長湯は避けてください 体が温まると血のめぐりがよくなり、かゆみが強くなるためです
1か月たってもかゆいのは普通ですか? ブユでは珍しくありませんが、治療したほうが早く治ります かいてはかゆくなる、をくり返すと、しこりが固定してしまうことがあるためです

受診の目安

  • 受診を — 腫れが大きい、痛みやかゆみが強い、市販薬で数日たってもおさまらない
  • 受診を — 硬いしこりとかゆみが何週間も残っている
  • 早めの受診を — 赤みが広がる、熱をもって痛む、発熱がある(細菌感染の可能性)
  • すぐに救急へ — 刺されたあとに、全身のじんましん・息苦しさ・めまい・顔や唇の腫れがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。迷わず119番へ。判断に迷うときは救急安心センター(#7119)に相談してください

あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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