「どれを買えばいいか分からない」「子どもに使ってよいのか不安」——夏場から秋にかけて相談が増えます。虫よけ剤は、成分の種類と濃度で使い方が決まっている製品です。表示を見るポイントが分かれば、選ぶのは難しくありません。
2つの主な成分
| ディート | イカリジン | |
|---|---|---|
| 効く相手 | 蚊・ブユ・アブ・マダニなど幅が広い | 蚊・ブユ・アブ・マダニ(対象は製品表示で確認) |
| 年齢の制限 | 濃度によって制限がある。高濃度(30%)は12歳以上 | 年齢の制限が設けられていない製品がある |
| 持続 | 濃度が高いほど長い傾向 | 濃度が高いほど長い傾向 |
| 使用感 | 特有のにおいがある。プラスチックや合成繊維を傷めることがある | においが少なく、衣類や樹脂への影響が少ないとされる |
| 向いている場面 | 山・草むら・長時間の屋外活動 | 日常使い、子ども、繰り返し使う場面 |
「濃度が高い=強く効く」ではなく「効いている時間が長い」と理解してください。短時間の外出で高濃度を選ぶ必要はありません。逆に、草むらや山に長時間入るなら、濃度と塗り直しの両方が必要になります。
子どもに使うとき
ディートは、製品ごとに年齢と使用回数の目安が定められています。「生後6か月未満には使用しない」「2歳未満は1日1回」といった表示があるため、買う前にパッケージのその欄を必ず読んでください。ここを守ることが、子どもに使ううえでの前提になります。
- 顔には直接スプレーしない — 目や口に入るためです。大人の手のひらに出してから、頬や首に薄く伸ばします
- 手には塗らない・塗ったら拭く — 子どもは手を口に入れます
- 傷や湿疹のある場所は避ける — 荒れた皮膚からは吸収されやすく、しみることもあります
- 服の上から使えるタイプを併用する — 肌に塗る量を減らせます
- 帰宅したら洗い流す — 必要な時間だけついていればよいものだからです
塗り方: 効果を決めるのは塗り残し
- スプレーは肌から離してムラなく、最後に手で伸ばす — 吹きかけただけでは点でしかついていません。塗っていない1センチから刺されます
- 足首・すね・首の後ろ・耳のうしろ・手の甲を忘れずに — 刺されやすいのに塗り残しやすい場所です
- 日焼け止めが先、虫よけが後 — 順番を逆にすると、日焼け止めを塗る動作で虫よけを落としてしまいます
- 汗をかいたら塗り直す — 表示の持続時間は、汗や水で落ちない前提の目安です
- 効果が切れる前に塗り直す — 刺されてからでは遅く、塗り直しの間隔は製品の表示に従います
- スプレーは風下を避け、室内では使わない — 吸い込みを避けるためです
あわせて有効なのが服装です。薄手でも長袖・長ズボン、明るい色、足首を覆う靴下にすると、そもそも肌が露出しません。草むらやキャンプではこちらのほうが確実です。マダニ対策としては、裾を靴下や靴の中に入れることが基本になります。マダニに関しては(関連記事: マダニに咬まれたときの対応)もご覧ください。
刺されてしまったら
- 洗って冷やす — かゆみの神経の反応が鈍くなり、掻く回数が減ります
- 掻かない — 掻き壊すと、とびひや色素沈着につながります。とくに子どもは跡が残りやすい部分です
- 市販薬を使うなら、かゆみ止めの外用で数日様子を見ます。改善しない・広がるときは受診してください
- マダニが皮膚についているときは、自分で引き抜かない — 口の部分が皮膚に残り、無理に取ると感染や炎症の原因になります。そのまま医療機関へ
受診・相談の目安
- 刺された部位が大きく腫れて熱をもつ、水ぶくれになった
- 数日たってもかゆみと赤みが引かない、じくじくしてきた
- 掻き壊して黄色いかさぶたが広がる(とびひの可能性があります)
- マダニが皮膚についている、咬まれたあとに発熱した
- 虫よけを塗った範囲に赤みやかゆみが出た(かぶれの可能性があります)
刺されたあとに息苦しさ、くちびるや舌の腫れ、じんましんが全身に広がる、意識がもうろうとする症状が出たときは、迷わず救急要請してください。とくにハチに刺された場合は急速に進むことがあります。夜間・休日で判断に迷うときは救急安心センター(#7119)、お子さんはこども医療でんわ相談(#8000)が利用できます。
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 虫さされ(確認日: 2026-09-11)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ダニ類による感染症(確認日: 2026-09-11)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

