「アゼライン酸がニキビや赤ら顔にいいと聞いた」「海外の皮膚科では処方されていると知った」。アゼライン酸は、SNSや美容の情報でよく取り上げられる成分です。日本での扱いと、保険の治療との位置づけを知ったうえで選ぶことが大切です。
アゼライン酸とは(肌でどう働くのか)
アゼライン酸は、小麦などの穀物に含まれ、皮膚にいる常在菌(マラセチアなど)もつくり出す成分です。肌では次のような働きが知られています。
- 毛穴のつまりを抑える — 毛穴の出口の角質が厚くなるのを抑える
- ニキビの原因菌を減らす — アクネ菌などの増殖を抑える
- 炎症・赤みを抑える — ニキビの赤みや、酒さの赤み・ブツブツに使われる
- メラニンをつくる働きを抑える — ニキビのあとの茶色い色素沈着への働きも研究されている
海外では、濃度の高いアゼライン酸がニキビや酒さの治療薬として承認されていますが、日本では医薬品としては国内未承認です。国内では、低い濃度で配合された化粧品のほか、一部の医療機関が自由診療で扱っています。
保険の治療との位置づけ
| 悩み | まず検討する保険の治療 | アゼライン酸の位置づけ |
|---|---|---|
| ニキビ | アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬の塗り薬など(関連記事: ニキビの塗り薬) | 保険の治療が合わない場合の選択肢のひとつ(医薬品としては国内未承認) |
| 酒さ(赤ら顔) | メトロニダゾールの塗り薬など(関連記事: 酒さ) | 海外では治療薬として使われている(医薬品としては国内未承認) |
| ニキビ跡の色素沈着 | 多くは時間とともに薄くなる。紫外線対策が基本(関連記事: 炎症後色素沈着) | 補助的なケアのひとつ |
アゼライン酸が注目される理由のひとつは、アダパレンや過酸化ベンゾイルで刺激が強く出てしまった方や、ニキビと赤ら顔が混ざっている方の選択肢になりうる点です。一方で、保険の塗り薬でよくなる方も多いため、まずは保険の治療を、医師の指示どおりに続けてみることをおすすめします(関連記事: ニキビと酒さの違い)。
使い方と注意点
- 塗り始めのヒリヒリ・かゆみ — 使い始めに、刺激感・かゆみ・赤みが出ることがある。多くは続けるうちに慣れるが、強い場合は中止して相談する
- 目や口のまわりは避ける — 皮膚が薄く、刺激が出やすいため
- 保湿と日焼け止めを一緒に — 刺激をやわらげ、色素沈着を防ぐため
- 個人輸入の製品は使わない — 品質や濃度が確認できず、トラブルが起きても公的な救済制度の対象外になるため
- 妊娠中・授乳中 — 使ってよいかは、医師に相談してから決める(関連記事: 妊娠・授乳中の薬)
医療機関で扱うアゼライン酸の費用は、1本数千円程度が目安とされていますが、濃度や量によって異なります。主なリスクは、刺激感・かゆみ・赤み・かぶれです。
※医療機関で扱うアゼライン酸の外用は自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 市販の化粧品でも効果はありますか? | 医薬品と同じ効果は期待しにくいと考えてください | 化粧品は配合できる濃度や、うたえる効果が医薬品とは異なるためです |
| ほかのニキビの薬と一緒に使えますか? | 自己判断で重ねず、医師に相談してください | 刺激の出やすい薬を重ねると、赤みやヒリヒリが強くなることがあるためです |
| 赤ら顔にステロイドを塗ってもいいですか? | 自己判断では塗らないでください | 酒さはステロイドで悪化することがあるためです(関連記事: 顔にステロイドを塗っても大丈夫?) |
受診の目安
- 受診を — 赤いニキビが増えてきた、市販のケアでよくならない
- 受診を — 頬や鼻の赤み・ほてりが続く、ニキビのようなブツブツが混ざる(酒さの可能性)
- 受診を — 使っている塗り薬の刺激がつらく、続けられない
- 早めの受診を — 新しい化粧品や塗り薬で、赤み・腫れ・かゆみが強く出た
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-09-26)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-26)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

