「お腹や胸に赤い点がポツポツ増えてきた」「指先に赤いできものができて、触るとすぐ血が出る」「背中のしこりが赤く腫れて痛い」。赤く見えるできものは、血管が増えたもの、炎症(体の防御反応による赤み・腫れ)が起きているもの、そしてまれに皮膚がんの3つに大きく分かれます。それぞれ対応がまったく違うので、まずどれに近いかを整理しましょう。
赤く見える仕組み
皮膚が赤く見えるのは、その場所の血管が増えている・広がっているか、炎症で血流が増えているかのどちらかです。血管そのものが増えてできたできものは、ガラス板で押すと色が少し薄くなることがあります。炎症によるものは、赤みに加えて熱っぽさや痛みを伴うのが特徴です。
症状・見分け方
診察室で見ることの多い順に並べています。
| できもの | 見た目・経過 | 痛み・出血 | 注意度 |
|---|---|---|---|
| 老人性血管腫(赤いほくろ) | 1〜数mmの真っ赤な丸い点。30代以降に体幹で少しずつ増える | 痛みなし。ひっかけると出血することがある | 良性 |
| 毛包炎・ニキビ | 毛穴を中心に赤く盛り上がり、中央に膿の点 | 軽い痛み。数日〜1週間で治まる | 良性 |
| 炎症を起こした粉瘤 | もともとあったしこりが、急に赤く腫れる | ズキズキ痛い。膿が出ることも | 早めの受診を |
| 虫刺され・痒疹 | かゆい赤いブツブツ。かくと硬くなって長引く | 強いかゆみ | 良性 |
| 化膿性肉芽腫 | 数週間で急に大きくなる、つやのある赤い盛り上がり | 軽く触れただけで出血しやすい | 受診が必要 |
| 皮膚線維腫 | 赤茶色の硬い小さなしこり。つまむと中に沈む | ほぼなし | 良性 |
| 有棘細胞癌・ボーエン病 | 赤くカサカサした斑やしこりが、ただれ・かさぶたを繰り返して治らない | 出血・ジクジクすることがある | 受診が必要 |
老人性血管腫は年齢とともに増えるもので、数が増えても多くは心配いりません。一方で、赤いできものが「短い期間で急に変わった」ときは、良性でも悪性でも治療が必要なことが多いので、見た目の印象よりも変化の速さを重視してください。
治療・セルフケア
- 老人性血管腫: 治療は必須ではありません。見た目が気になる・ひっかかって出血する場合は、電気で焼く方法や、小さく切り取る方法で取ることができます
- 毛包炎・ニキビ: 清潔に保ち、数が多い・繰り返す場合は抗菌薬の塗り薬を使います
- 炎症を起こした粉瘤: 腫れが強い時期は、切開して中の膿を出すと痛みが早く引きます。炎症が落ち着いたあとに、袋ごと取る手術で再発を防ぎます
- 化膿性肉芽腫: 自然に消えることは少なく、出血を繰り返すため、切除や焼灼(電気で焼く処置)で取り、取ったものを顕微鏡で確認します
- 皮膚がんが疑われるもの: 一部を取って病理検査で確定し、周りを含めて切除します
出血したときは、清潔なガーゼで5〜10分ほど指でしっかり押さえ続けると、たいていは止まります。何度も押さえ直して確認すると、固まりかけた血がはがれてかえって止まりにくくなるためです。
受診の目安
- 数週間で急に大きくなった
- 軽く触れただけで出血する、出血を繰り返す
- ただれ・かさぶたを繰り返して、1か月以上治らない
- しこりが赤く腫れて痛む、熱っぽい
- 赤みが線状に広がってきた、熱が出た(細菌が皮膚の深いところやリンパの流れに沿って広がっている可能性があり、当日中の受診が必要です)
診察室でよく聞かれる質問
赤いほくろが急に増えたのは、何かの病気のサインですか?
老人性血管腫は年齢とともに増えるのが普通で、増えたこと自体が病気のサインであることはまれです。ただし、数日〜数週間で一気に増えた、ほかに体調の変化がある、という場合は一度相談してください。
出血するできものに、絆創膏を貼っておいてもいいですか?
出血を抑える目的で、受診までの間に貼っておくのはかまいません。ただし、はがすときに引っ張って出血しないよう、傷にくっつきにくいタイプを選んでください。貼ったまま様子を見続けるのではなく、出血を繰り返すなら受診を優先してください。
受診する前に、自分でできることはありますか?
できものに気づいた日と、そのときの大きさが分かる写真を残しておくと、どのくらいの速さで変化したかを医師が判断する大きな手がかりになります。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 粉瘤(確認日: 2026-10-04)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 皮膚悪性腫瘍(確認日: 2026-10-04)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-04)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

