「生まれたときから、おでこと上まぶたが赤い」「泣くと赤みが濃くなる」「首の後ろにも赤いあざがある」。新生児の健診や沐浴のときに気づいて、心配になる保護者の方は少なくありません。ここでは、サーモンパッチとウンナ母斑がどんなものか、ほかの赤いあざとの見分け方、治療が必要になる場合を説明します。
サーモンパッチ・ウンナ母斑とは(仕組み)
皮膚の浅いところにある細い血管(毛細血管)が、生まれつき少し広がっている状態です。血管が増えたり腫瘍になったりしているわけではなく、血管が広がっていることで、皮膚が赤く透けて見えていると考えてください。
顔の真ん中に出るものをサーモンパッチ、うなじに出るものをウンナ母斑と呼び分けます。新生児によく見られるもので、病気というより「生まれつきの皮膚の特徴」に近いものです。痛み・かゆみはなく、体に害はありません。
症状・見分け
典型的なのは、おでこの真ん中から眉間、上まぶた、鼻の下(上唇の上)、そしてうなじです。平らで、境目がはっきりしない淡いピンク〜赤色をしています。泣いたとき・お風呂上がり・いきんだときに赤みが濃くなるのが特徴です。
赤いあざにはいくつか種類があり、消えるかどうか、治療を急ぐかどうかが違います。
| あざの種類 | 見た目・場所 | 経過 |
|---|---|---|
| サーモンパッチ | おでこの真ん中・まぶた・鼻の下。平らで淡い赤 | 多くは1歳半ごろまでに薄くなる |
| ウンナ母斑 | うなじ。平らで淡い赤 | 大人まで残ることがある(髪で隠れることが多い) |
| 単純性血管腫(ポートワイン母斑) | 顔の片側や手足など。境目がはっきりした赤 | 自然には消えにくい。成長とともに色が濃くなることも |
| 乳児血管腫(いちご状血管腫) | 生後しばらくして出てくる。盛り上がった鮮やかな赤 | 生後数か月で急に大きくなることがある。早めの受診が大切 |
見分けのポイントは「顔の真ん中にあるか」「平らか」「生まれたときからあるか」です。顔の片側だけにある、盛り上がってくる、生後数週間たってから出てきて大きくなる場合は、サーモンパッチ以外の可能性を考えます。
治療・セルフケア
サーモンパッチは自然に薄くなることが多いので、基本的には治療せずに経過を見ます。日常生活で気をつけることも特にありません。保湿や日焼け止めで消えるものではありませんが、塗っても悪くなることはありません。
経過を見るときは、月に1回程度、同じ明るさの場所で写真を撮っておくと、薄くなっているかどうかを比べやすくなります。毎日見ていると変化に気づきにくいためです。
3歳を過ぎても顔の赤みがはっきり残っている場合や、見た目が気になる場合は、色素レーザー(赤い色に反応するレーザー)による治療が選択肢になります。あざの種類によっては保険適用になることがあるため、まずは診察で種類を確かめます。
うなじのウンナ母斑は、髪で隠れて気にならないことが多いため、治療しない方がほとんどです。
受診の目安
- 赤いあざが盛り上がってきた、急に大きくなってきた
- 顔の片側だけ、または広い範囲に赤いあざがある
- あざの部分がただれる、出血する
- まぶたのあざが大きく、目が開きにくそうに見える
- 3歳を過ぎても顔の赤みがはっきり残っていて気になる
乳児血管腫は、生後早い時期に治療を始めた方がよい場合があります。「サーモンパッチだと思っていたけれど、盛り上がってきた」と感じたら、早めに皮膚科・小児科でご相談ください。
診察室でよく聞かれる質問
泣くと真っ赤になります。悪くなっていますか?
悪くなっているわけではありません。泣くと顔の血流が増えるため、広がった血管がよりはっきり見えるだけです。落ち着くと元の色に戻ります。
妊娠中の何かが原因ですか?
妊娠中の過ごし方が原因でできるものではありません。新生児によく見られる皮膚の特徴です。ご自身を責める必要はありません。
きょうだいにもうつりますか?
うつるものではありません。触ったり、同じタオルを使ったりしても問題ありません。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-09)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-09)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

