「すねや腕に、真ん中がへこんで黒っぽいかさぶたがついたブツブツが増えてきた」「かゆくて掻くと、そこにまた新しいブツブツができる」。名前は長く難しいのですが、透析を受けている方や糖尿病のある方では、診察室で見かけることが珍しくない皮膚の病気です。
後天性反応性穿孔性膠原症とは(仕組み)
皮膚の深いところ(真皮)には、皮膚の張りを支えるコラーゲンという線維があります。この病気では、何らかのきっかけで傷んだコラーゲンが、皮膚の表面に向かって押し出されてきます。「穿孔(せんこう)」は「穴をあけて外に出る」という意味です。
外へ出ようとするコラーゲンとまわりの角質が固まって、ブツブツの中心の硬い芯(かさぶたのように見えるもの)になります。
大きなきっかけになるのが、掻くことです。腎臓の働きが落ちている方や糖尿病のある方は、もともと皮膚がかゆくなりやすく、掻くことで皮膚の深いところに小さな傷がくり返しできます。そこからこの病気が起こりやすくなると考えられています。
症状・見分け
- 強いかゆみ: いちばん多い訴えです。夜に強くなることもあります
- 中心に芯のあるブツブツ: 数mm〜1cmほどの盛り上がりで、真ん中がくぼみ、茶色〜黒っぽい硬いかさぶた状の芯がついています
- 手の届く場所に多い: すね、腕、背中の手が届く範囲など、掻きやすい場所に集まります
- 掻いた線に沿って並ぶ: 掻き傷の上に、ブツブツが線のように並んでできることがあります
| 考えられるもの | 特徴 |
|---|---|
| 後天性反応性穿孔性膠原症 | 中心がくぼみ、硬い芯がある。透析・糖尿病の方に多い |
| 痒疹(ようしん) | かゆい硬いしこり。中心の芯ははっきりしないことが多い |
| 毛包炎 | 毛穴に一致した赤いブツブツ。膿をもつ |
| 虫刺され | 急にでき、数日〜数週間で引く。季節性がある |
見た目だけで区別しにくい場合は、皮膚の一部を小さく取って顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)で確かめます。
治療・セルフケア
治療の中心は、かゆみを抑えて掻かないようにすることです。掻かなくなると、新しいブツブツは減り、今あるものも少しずつ平らになっていきます。
- ステロイドの塗り薬: ブツブツの炎症とかゆみを抑えます。硬いものには、テープ剤で覆う方法も使います
- かゆみ止めの飲み薬: 抗ヒスタミン薬などを使います。透析中の方のかゆみには、それに合わせた飲み薬が使われることもあります
- 保湿: 乾燥はかゆみを強めるため、毎日の保湿を続けます
- 光線療法: 塗り薬で落ち着かない場合、紫外線を当てる治療が選ばれることがあります
あわせて、もとにある病気の管理も大切です。糖尿病であれば血糖のコントロール、透析中であれば透析の主治医との連携が、かゆみの改善につながります。薬を選ぶときも、腎臓の働きに合わせて量を調整することがあるため、通院中の病気と飲んでいる薬は必ず伝えてください。
家での工夫として、爪を短く切っておく、かゆいときは掻く代わりに冷やしたタオルを当てる、寝ている間に掻かないよう長袖・長ズボンで寝る、といった方法があります。
受診の目安
- 中心に芯のあるかゆいブツブツが増えてきた
- かゆみで眠れない、掻き壊して出血する
- ブツブツのまわりが赤く腫れる、膿が出る、熱をもつ(細菌感染のことがあるため早めに)
- 市販のかゆみ止めでは治まらない
透析中の方は、透析施設の主治医に相談のうえで皮膚科を受診するとスムーズです(関連記事: 腎臓病・透析中のかゆみ)。
診察室でよく聞かれる質問
人にうつりますか?
うつりません。感染症ではなく、皮膚の反応によって起こる病気です。ご家族と同じタオルや寝具を使っても問題ありません。
治ったあと、跡は残りますか?
ブツブツが平らになったあと、茶色いシミのような跡や小さなへこみが残ることがあります。色は時間とともに薄くなっていくことが多いです。新しいブツブツを作らないことが、跡を増やさないいちばんの近道です。
糖尿病の治療をがんばれば治りますか?
血糖が安定するとかゆみが軽くなり、皮膚も落ち着きやすくなります。ただ、それだけで消えるとは限らないため、皮膚の治療も並行して続けることをおすすめします(関連記事: 糖尿病の方のスキンケア)。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-15)
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-15)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

