子どもの手汗・足汗がひどい(多汗症)とは?原因と見分け方、子どもでも受けられる治療と家庭でできる対策、受診の目安

子どもの手汗・足汗がひどい(多汗症)とは?原因と見分け方、子どもでも受けられる治療と家庭でできる対策、受診の目安
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月18日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「テストの用紙が汗でふやけてしまう」「鉛筆やリコーダーがすべる」「友だちと手をつなぐのを嫌がる」。お子さんの手汗について、こうした相談はめずらしくありません。体質だからと我慢させている方も多いのですが、手のひらや足の裏の多汗症は皮膚科で治療の対象になる病気です。

目次

子どもの多汗症とは(仕組み)

汗は、皮膚の中にある汗腺(汗を出す腺)から出ます。手のひらと足の裏には、この汗腺がとくに多く集まっています。多汗症の子どもでは、汗腺そのものに異常があるのではなく、汗を出すよう指令を出す自律神経の働きが強く出やすいと考えられています。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる ここが働きすぎる状態
汗は皮膚の中の汗腺から出ます。手のひらと足の裏は汗腺がとくに多い場所です図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

手のひら・足の裏の多汗症は、子どもから思春期にかけて始まることが多いとされています。家族にも同じように汗が多い人がいることがよくあります。暑さや運動に関係なく汗が出る、緊張すると一気に増える、眠っている間はほとんど出ない、という特徴があります。

緊張すると汗が出て、汗が気になってさらに緊張する、という悪循環が起こりやすいのも特徴です。汗はお子さんの気持ちの弱さで出ているのではありません。「気にしすぎ」と叱らないことが大切です。

症状・見分け

汗が多い原因が、手のひら・足の裏だけの多汗症(原発性)なのか、ほかの病気に伴うもの(続発性)なのかで、相談先が変わります。

見るポイント 手のひら・足の裏の多汗症(原発性) ほかの病気に伴う汗(続発性)
汗の場所 手のひら・足の裏・わきなど、決まった場所 全身にかく
寝ているとき ほとんど出ない 寝汗が多いことがある
ほかの症状 とくにない 体重が減る、動悸、発熱、だるさ、食欲の変化など
家族歴 家族にも汗の多い人がいることが多い 関係ないことが多い
相談先 皮膚科 まず小児科(全身の検査)

甲状腺の病気や感染症、薬の影響などで全身の汗が増えることがあります。右側に当てはまる場合は、手汗の治療より先に、小児科で全身を調べてもらってください。

足汗が多い子どもは、靴の中が蒸れて足のにおいや、足の裏の小さなくぼみ(点状角質融解症)、足の皮むけが起こりやすくなります。こうした症状をきっかけに多汗症に気づくこともあります。

治療・セルフケア

子どもの手汗では、まず塗り薬と、水道水を使った治療から始めるのが基本です。飲み薬は眠気や口の渇きなどの副作用があり、子どもには慎重に使います。

治療 特徴 注意
塩化アルミニウムの外用 汗の出口にふたをして汗を減らす。夜に塗り、朝に洗い流す かぶれやかゆみが出ることがある。刺激が出たら回数を減らす
手汗用の保険の塗り薬 汗を出す神経の信号を抑える。保険で使える 使える年齢に決まりがあるため、医師に確認する
水道水イオントフォレーシス 水を張った容器に手足をつけ、弱い電気を流して汗を減らす。保険適用 週に数回の通院から始めることが多い。ピリピリ感がある
飲み薬 全身の汗を抑える 眠気・口の渇き・便秘などがあり、子どもには慎重に使う

水道水イオントフォレーシスは、針や薬を使わないため、子どもでも検討しやすい治療です。効果が出たら間隔をあけて続けます。どの治療も、やめるとまた汗が戻ってくることが多いので、「治す」より「困らない程度に抑えて付き合う」と考えてください。

家庭では次のことが役立ちます。

  • ハンカチやタオルハンカチを持たせる: テストの前や書く前に拭けると、それだけで安心につながる
  • 下敷きや手の下に敷く紙を使う: 用紙がふやけるのを防げる
  • 吸湿性のよい靴下と、通気性のよい靴: 靴は2足を交互にはいて乾かすと、蒸れとにおいが減る
  • 汗が増えたら手を冷やす: 冷たいペットボトルを握るなど。体の熱が下がると汗が落ち着きやすい
  • 汗のことを責めない: 緊張と汗の悪循環を断つために、「汗は体質で、対策できる」と伝える

受診の目安

  • 手汗・足汗で、勉強・運動・友だち関係などに困っている
  • 汗のことを気にして、学校や習いごとを嫌がるようになった
  • 足のにおいや皮むけが続く
  • 市販の制汗剤でかぶれた、効かない

次の場合は、まず小児科で相談してください。

  • 全身に汗をかく、寝汗が多い
  • 体重が減る、動悸がする、熱が続く、元気がない

診察室でよく聞かれる質問

大人になれば自然に治りますか?

年齢とともに落ち着く方もいますが、大人になっても続く方も多いです。いつか治るのを待つより、困っているいまの時期に対策を始めるほうが、お子さんの負担は小さくなります。

大人用の制汗剤を使ってもいいですか?

使えるものもありますが、子どもの皮膚は刺激に弱く、かぶれることがあります。赤みやかゆみが出たら中止してください。手のひらに使う場合は、どの製品を使うか一度皮膚科で相談すると安心です。

治療は痛いですか?

塗り薬は痛みはありませんが、ヒリヒリすることがあります。イオントフォレーシスはピリピリした感覚がありますが、電流の強さを調整しながら行います。

あび皮膚科クリニックは2027年に開業予定です。子どもの多汗症の治療も、開業後に提供予定です。

関連ページ

参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

開業時期・診療内容・予約開始のお知らせを、いち早くお届けします。

2027年、つくばに開院予定。ご登録はメールアドレスだけでできます。

開業のお知らせを受け取る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次