「子どもの背中の片側に、水ぶくれが帯のように並んでいる」「帯状疱疹と言われたけれど、子どもでもなるの?」「きょうだいや保育園の友だちにうつる?」。子どもの帯状疱疹は大人ほど多くはありませんが、めずらしい病気ではありません。仕組みが分かると、必要以上に心配しなくて済みます。
子どもの帯状疱疹とは(仕組み)
帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルスが原因です。水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは神経の根もとに隠れて残ります。体の抵抗力が一時的に落ちたときなどに、そのウイルスが再び動き出し、神経に沿って皮膚に症状を出すのが帯状疱疹です。
そのため、帯状疱疹になるのは、水ぼうそうにかかったことがある子です。水痘ワクチンを受けた子でも起こることがありますが、自然に水ぼうそうにかかった場合より起こりにくいとされています。また、赤ちゃんのころ(とくに1歳未満)に水ぼうそうにかかった子は、子どものうちに帯状疱疹になりやすいとされています。
子どもの帯状疱疹は、大人に比べて痛みが軽いことが多く、治ったあとに痛みが長く残る「帯状疱疹後神経痛」も起こりにくいことが多いです。
症状・見分け
体の左右どちらか片側に、赤いブツブツと小さな水ぶくれが帯のように集まって出ます。胸・背中・おなかに多く、顔や首、手足に出ることもあります。大人では皮膚の症状の前にピリピリした痛みが出ることが多いのですが、子どもでは痛みが目立たず、かゆみだけのこともあります。
| 見るポイント | 水ぼうそう(水痘) | 帯状疱疹 |
|---|---|---|
| 発疹の場所 | 全身にばらばらに出る(頭の中にも) | 体の片側に、帯状に集まって出る |
| かゆみ・痛み | 強いかゆみ | ピリピリした痛みやかゆみ(子どもは軽いことが多い) |
| 熱 | 出ることが多い | 出ないことが多い |
| かかる子 | 水ぼうそうにかかったことのない子 | 水ぼうそうにかかったことがある子、ワクチンを受けた子 |
| うつり方 | 空気・接触でうつりやすい | 水ぶくれの中身に触れると、水ぼうそうとしてうつることがある |
片側に並ぶ水ぶくれは、虫刺されやとびひ、かぶれと間違われることもあります。水ぶくれが帯状に並んでいたら、帯状疱疹を考えて受診してください。
治療・セルフケア
治療は、ウイルスの増えるのを抑える抗ウイルス薬の飲み薬が基本です。発疹が出てから早く始めるほど、治りが早くなります。子どもは体重で薬の量を決めるので、受診のときには体重を伝えてください。痛みがあれば痛み止めを、皮膚には塗り薬を使います。軽い場合は塗り薬と経過観察で済むこともあります。
おうちでは、次のことに気をつけてください。
- 水ぶくれをつぶさない: 細菌が入ってとびひになったり、あとが残りやすくなったりするため。爪は短く切っておく
- 入浴はシャワーでやさしく: 石けんの泡でなでるように洗い、こすらない。熱が高くなければ入浴してかまわない
- タオルは家族と分ける: 水ぶくれの中身にはウイルスがいるため
- 十分に休ませる: 疲れや睡眠不足があると治りが遅くなるため
うつる? 登園・登校は?
帯状疱疹として他の人にうつるわけではありません。ただし、水ぶくれの中身に触れると、水ぼうそうにかかったことのない人(ワクチン未接種の赤ちゃんなど)に、水ぼうそうとしてうつる可能性があります。水ぶくれをガーゼや服で覆っておけば、うつるリスクは下げられます。
登園・登校の扱いは、園や学校によって異なります。保育園では、すべての発疹がかさぶたになるまでを目安とする扱いが多いとされていますが、患部を覆えれば登校してよいとする学校もあります。医師の意見をもとに、園や学校に確認してください。
受診の目安
- 体の片側に、水ぶくれが帯のように並んでいる
- 水ぶくれが広がってきた、痛みやかゆみが強い
次の場合は、早めに受診してください。
- 顔、とくに目のまわりやおでこ、鼻の先に出ている(目に合併症が出ることがあるため、眼科の診察も必要)
- 免疫の病気がある、免疫を抑える治療中である
- 高い熱がある、ぐったりして元気がない
- 発疹が片側だけでなく、全身に広がってきた
診察室でよく聞かれる質問
子どもが帯状疱疹になるのは、何か重い病気があるからですか?
ほとんどの場合、とくに重い病気はありません。疲れや体調不良などのきっかけがなくても起こることがあります。ただ、何度も繰り返す、範囲が広いといった場合は、念のため詳しく調べることがあります。
きょうだいに赤ちゃんがいます。どうすればいいですか?
水ぶくれを服やガーゼで覆い、赤ちゃんが触れないようにしてください。タオルや寝具を分け、触ったあとは手を洗います。赤ちゃんに熱や発疹が出たら、早めに小児科を受診してください。
水ぶくれのあとは残りますか?
多くはきれいに治りますが、水ぶくれをつぶしたり、かき壊したりすると、あとが残りやすくなります。治療を早く始めることと、触らないことが、いちばんの予防です。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A ヘルペスと帯状疱疹(確認日: 2026-10-18)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-18)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

