「目の横に黒いブツブツが増えてきた」「ニキビの年でもないのに、頬に黒い点が並んでいる」。60代以降の方、とくに屋外で過ごす時間が長かった方によく見られる症状です。見た目はニキビの黒い芯(黒ニキビ)に似ていますが、できる仕組みは少し違います。
日光性面皰とは(仕組み)
面皰(めんぽう)とは、毛穴に皮脂や古い角質が詰まった状態のことで、ニキビの始まりの段階もこう呼びます。日光性面皰は、長年浴びてきた紫外線によって、皮膚を支える弾力の線維(真皮のコラーゲンや弾性線維)が傷み、毛穴のまわりの支えが弱くなって起こります。
支えを失った毛穴は広がったまま戻りにくくなり、そこに角質がたまって固まります。表面が空気に触れて酸化すると黒く見えます。喫煙もこの変化を進めることが知られています。目尻・頬骨の上・こめかみなど、日光が当たりやすく皮膚が薄い場所に、左右対称に出やすいのが特徴です。黄色っぽくたるんだ皮膚の中に、黒い点や白い粒が集まって見えることもあります。
症状・見分け
痛み・かゆみ・赤みはなく、黒い点や小さな白いふくらみが集まっているだけ、というのが典型です。思春期のニキビと違い、赤く腫れたり膿を持ったりすることはあまりありません。
| 見るポイント | 日光性面皰 | ニキビの黒い芯(黒ニキビ) | 脂漏性角化症(老人性イボ) |
|---|---|---|---|
| 年代 | 中高年に多い | 思春期〜若い大人に多い | 中高年に多い |
| できる場所 | 目尻・頬骨・こめかみ | 額・鼻・あご・頬など皮脂の多い場所 | 顔・体のどこでも |
| 見た目 | 広がった毛穴に黒い点が集まる。周りの皮膚が黄色っぽく厚い | 毛穴に黒い点。赤いニキビが混じる | 茶色〜黒の平たい、または盛り上がったできもの |
| 炎症 | ほとんどない | 赤く腫れることがある | ふつうはない |
顔の黒い点には、ほくろ、脂漏性角化症、まれに皮膚がん(基底細胞がんなど)が含まれることもあります。点がひとつだけ大きくなってくる、形がいびつ、出血するといった変化があれば、日光性面皰とは別のものとして受診してください。
治療・セルフケア
日光性面皰は体に害のあるものではないので、気にならなければそのままで大丈夫です。治療は見た目が気になる方が選ぶものになります。
皮膚科でよく行うのは、細い器具で毛穴の詰まりを押し出す「面皰圧出」です。毛穴の入り口を小さく開けてから、専用の器具で中身を取り出すため、指で押し出すより皮膚への負担が少なく済みます。ただ、広がった毛穴そのものはすぐには戻らないので、時間がたつと再び詰まることがあります。
詰まりにくくするために、角質を整える塗り薬を使うことがあります。アダパレン(ニキビの保険治療で使う塗り薬)は日光性面皰には保険の適応がなく、使う場合は適応外の使用になります。海外で使われるトレチノインの塗り薬は国内未承認の薬で、使う場合は医師が個別に判断する自由診療になります。どちらも使い始めに赤み・ヒリヒリ・皮むけが出やすく、刺激を見ながら少量から始めます。範囲が広い方には、炭酸ガスレーザーなどで取り除く方法がとられることもあります。
※適応外・国内未承認の薬やレーザーによる処置は自由診療になる場合があります。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。
自分で爪や毛穴パックで押し出すのは避けてください。周りの皮膚が薄く弱っているため、内出血や傷、色素沈着が残りやすいからです。
予防と悪化防止にいちばん大切なのは紫外線対策です。日焼け止めや帽子、日傘を習慣にし、喫煙している方は禁煙も肌のために役立ちます。洗顔はやさしく、こすりすぎないようにします。
受診の目安
- 黒いブツブツが目立ってきて、見た目が気になる
- 白い粒が赤く腫れたり、膿を持ったりした
- ひとつだけ大きくなる、形がいびつ、出血する黒い点がある
- 自分で押し出して、傷や内出血になった
診察室でよく聞かれる質問
洗顔をしっかりすれば取れますか?
洗顔だけで取れることはあまりありません。詰まりは毛穴の奥で固まっているためです。ゴシゴシ洗うと周りの皮膚を傷めるので、洗顔はやさしく、取りたい場合は皮膚科で相談してください。
一度取れば、もうできませんか?
広がった毛穴は残るため、時間がたつと再び詰まることがあります。紫外線対策を続けると、新しくできるのを減らすことが期待できます。
ニキビ用の市販の塗り薬を使ってもいいですか?
刺激で赤くなることがあり、高齢の方の薄い皮膚には合わないこともあります。使う前に一度、皮膚科で日光性面皰かどうかを確かめてもらうと安心です。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-10-19)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-19)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

