血糖測定センサー・インスリンポンプの貼り跡がかぶれる|テープかぶれと感染の見分け方と、貼り続けるための工夫

血糖測定センサー・インスリンポンプの貼り跡がかぶれる|テープかぶれと感染の見分け方と、貼り続けるための工夫
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月23日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「センサーをはがした後、四角い形に赤く残ってかゆい」「新しいセンサーに替えるたびに、前より赤みが強くなる」「ポンプの貼り跡が茶色くなってきた」。持続血糖測定(CGM)センサーや、フリースタイルリブレなどの血糖測定器、インスリンポンプを使っている方から多い相談です。何日も貼りっぱなしにする道具だからこそ、原因を見分け、貼り続けながら皮膚を守る方法を整理します。

目次

貼り跡がかぶれる仕組み

センサーやポンプは、皮膚に細い針(カニューレ)を入れたうえで、強い粘着テープで1〜2週間ほど固定します。この「強い粘着」と「長い時間」が、皮膚に次のような負担をかけます。

  • はがすときの刺激…強い粘着テープをはがすと、皮膚のいちばん外側の角質(皮膚の浅いところにある薄い膜)が一緒にはがれ、バリアが弱くなります。
  • 蒸れ…テープの下は汗が逃げにくく、ふやけて刺激に弱くなります。
  • 粘着剤へのかぶれ…粘着剤や本体の接着成分(アクリレート系など)に対するアレルギー性のかぶれ(接触皮膚炎)が報告されています。

診察で多いのは、はがすときの刺激と蒸れによるものです。アレルギー性のかぶれは、使い続けるうちに反応が強くなる、テープの形より外側までかゆみが広がる、といった特徴で疑います。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる バリアのすき間から刺激が入り込む
強い粘着テープをはがすと角質が一緒にはがれ、皮膚のバリアが弱くなって刺激が入りやすくなる図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

症状と見分け方

考えられるもの 見た目・特徴 見分けのポイント
はがすときの刺激 テープの形どおりの赤み、ヒリヒリ はがした直後が強く、数日で引いていく
粘着剤へのかぶれ 強いかゆみ、細かいブツブツ、ジュクジュク 交換のたびに悪くなる。テープの外まで広がる
蒸れ・あせも 小さな赤いブツブツ 夏や運動の後に増える
刺入部の感染 針の入った所を中心に腫れ・痛み・熱・膿 テープの形ではなく、一点を中心に広がる
色素沈着 茶色い跡 赤みが引いた後に残る。かゆみは少ない

針の入った所を中心に赤く腫れ、熱をもって痛む、膿が出る場合は、テープかぶれではなく細菌感染の可能性があります。その場合はセンサーを交換し、早めに受診してください。

貼り続けながら皮膚を守る工夫

  1. 貼る場所を毎回変える。同じ場所に続けて貼ると、回復しきらないうちに次の刺激が重なります。左右の腕やお腹など、使ってよい部位の中で順番に回します。
  2. はがすときはゆっくり、皮膚を押さえながら。テープを皮膚と平行に、低い角度でゆっくりはがします。入浴中やシャワーの後など、テープがやわらかくなったときにはがすと刺激が少なくなります。医療用の剥離剤(リムーバー)を使う方法もあります。
  3. 貼る前の皮膚を整える。汗や皮脂、保湿剤が残っているとはがれやすくなるため、貼る場所は清潔にして乾かしてから貼ります。皮膚の表面に薄い膜を作る被膜剤を使うと、刺激がやわらぐことがあります。製品によっては使用に注意が必要なため、使ってよいかは主治医や製品の案内に確認してください。
  4. はがした後は保湿する。はがした跡はバリアが弱っているため、保湿剤で守ります。次に同じ場所へ貼るまでに回復させておくことが大切です。

皮膚科での治療

赤みとかゆみには、炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)を、センサーをはがした跡に短期間使います。貼る予定の場所に塗ると粘着が弱くなることがあるため、塗る場所と貼る場所を分けるのが基本です。かゆみが強い場合は、かゆみ止めの飲み薬を併用します。

交換のたびに悪くなる、テープの外まで広がる場合は、皮膚に貼って反応を見る検査(パッチテスト)で原因を確かめることがあります。原因が分かれば、センサーの下に皮膚を守るシートをはさむ方法や、別の製品への切り替えを、糖尿病の主治医と相談しながら検討します。

診察室でよく聞かれる質問

Q. かぶれたら、センサーを使うのをやめたほうがいいですか?

A. 基本的には、皮膚を治療しながら使い続けられます。貼る場所の工夫と塗り薬で、多くの方は続けられています。血糖の管理に関わる道具なので、自己判断でやめず、主治医に相談してください。

Q. 市販のかゆみ止めを塗ってもいいですか?

A. はがした跡の軽い赤みとかゆみなら、数日試してもかまいません。ただし、次に貼る場所には塗らないでください。粘着が弱くなり、センサーがはがれる原因になります。1週間ほどで良くならない場合や、交換のたびに悪くなる場合は受診してください。

Q. お風呂に入ってもいいですか?

A. 多くの製品は入浴できる設計ですが、長くお湯につかるとテープがふやけて、はがれやすくなります。入浴後は、テープの周りの水分をやさしく押さえるように拭き取ってください。こすると周りの皮膚が傷みます。

受診の目安

  • 工夫をしても、赤みやかゆみが2週間以上続く
  • 交換のたびに悪くなる、テープの形より外側までかゆみが広がる
  • ジュクジュクする、水ぶくれができた
  • 針の入った所を中心に腫れ・熱・痛み・膿がある(感染の可能性があり、早めに受診)
  • かぶれのため、貼れる場所がなくなってきた

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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