頭皮の乾癬|フケと違う厚いかさぶた・生え際の赤み、治療(ローション・シャンプー)と髪を洗うときのコツ

頭皮の乾癬|フケと違う厚いかさぶた・生え際の赤み、治療(ローション・シャンプー)と髪を洗うときのコツ
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年10月30日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「フケがひどいと思っていたら、皮膚科で乾癬と言われた」「生え際やうなじに赤い厚いかさぶたがあって、髪型で隠している」。頭皮の乾癬は、見えにくい場所なので放置されやすく、脂漏性皮膚炎と間違えられることも多い病気です。見分け方、頭皮ならではの治療の工夫、髪を洗うときの注意点を説明します。

目次

頭皮の乾癬とは(なぜ頭皮に出やすいのか)

乾癬は、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が通常の何倍も速くなり、未熟な角質が厚く積み重なってはがれ落ちる病気です。頭皮は毛穴が密集していて皮膚が厚く、こすれや日光などの刺激も受けやすいため、乾癬の皮疹が出やすい場所です。乾癬の方の半数以上で頭皮に皮疹があるとされ、頭皮だけに出る方もいます。

典型的には、境界のはっきりした赤い盛り上がりの上に、白〜銀色の厚いかさぶた(鱗屑)が付きます。生え際、耳の後ろ、うなじに出やすく、髪の生え際を越えておでこや首の皮膚まで広がるのが特徴です。

フケ・脂漏性皮膚炎との見分け

頭皮の乾癬 脂漏性皮膚炎 乾燥によるフケ
かさぶた・フケの様子 厚く、白〜銀色。はがすと点状に出血することがある 黄色っぽく、脂っぽい。薄い 細かく乾いた白い粉
赤み 境界がはっきりした赤い盛り上がり 境界がぼんやりした赤み ほとんどない
広がり方 生え際を越えて、おでこ・首まで 生え際の内側が中心。眉・鼻の脇・耳の中にも 頭皮全体にまばら
体のほかの場所 ひじ・ひざ・腰・爪に同じ皮疹があることが多い 顔・胸・背中の脂っぽい場所 なし
かゆみ あることが多いが、ないこともある ある 軽い

実際には両方の特徴が混ざっていて、見ただけでは区別がつかないこともあります。その場合は、ひじ・ひざ・爪など体のほかの場所を診る、経過を見る、まれに皮膚の一部を採って調べることで判断します(関連記事: 乾癬と脂漏性皮膚炎の違い)。

治療(頭皮ならではの工夫)

頭皮は髪があるため、軟膏やクリームは塗りにくく、べたつきも残ります。そこでローション・液体・泡・シャンプーの剤形を使います。

  • ステロイドのローション: 赤みとかゆみを早く抑えます。髪をかき分けて頭皮に直接たらし、指の腹でなじませます。
  • ビタミンD3のローション: 角質の積み重なりを抑え、かさぶたを減らします。効き始めは穏やかですが、長く使っても皮膚が薄くなる副作用がありません。
  • ステロイドとビタミンD3の配合ローション・ゲル: 1日1回で両方の効果が得られ、続けやすいのが利点です。頭皮の乾癬ではよく使われます。
  • ステロイドのシャンプー: 乾いた頭皮に塗って一定時間おいてから洗い流す、シャンプー型のステロイド薬です。髪につかず、べたつきが残らないので、ローションが使いにくい方に向いています。

診察室では、まず配合ローションかステロイドローションでしっかり抑え、落ち着いたらビタミンD3や使う回数を減らした維持に移る、という進め方が多いです。頭皮の乾癬は再発しやすい場所なので、よくなった後も週に数回の維持を続けることで安定します。

頭皮に限らず体の広い範囲に皮疹がある方、塗り薬で追いつかない方には、光線療法(頭皮にはエキシマライトなど)や飲み薬、注射薬(生物学的製剤)を検討します(関連記事: 乾癬の飲み薬)。

髪を洗うとき・日常のコツ

  • かさぶたを爪ではがさない。はがすと出血し、その刺激で乾癬が悪化します(ケブネル現象)。厚いかさぶたは、入浴前にオリーブオイルやワセリンなどを塗ってしばらく置き、ふやかしてから洗うと落ちやすくなります。
  • 洗髪は指の腹で、ごしごしこすらない。爪を立てる、ナイロンのブラシで強くこする、は避けます。
  • シャンプーは刺激の少ないものでよく、特別な薬用である必要はありません。脂漏性皮膚炎が混ざっている場合は、抗真菌成分入りのシャンプー(コラージュフルフルなど)が役に立つことがあります。
  • 塗り薬は洗髪後、頭皮が乾いてから。濡れたままだと薬が流れて薄まります。
  • ヘアカラーやパーマは、皮疹が落ち着いている時期に。赤みや傷がある時期に行うと悪化します。美容室には事前に伝えてください。
  • 帽子やヘルメットの蒸れ、強い日焼けも悪化の原因になります。こまめに外して乾かします。

診察室でよく聞かれる質問

Q. 髪が抜けてきました。乾癬のせいですか?

A. 強い炎症や厚いかさぶたで、その部分の髪が一時的に抜けたり細くなったりすることがあります。多くは炎症が落ち着けば生えてきます。ただし、円形脱毛症など別の病気が重なることもあるので、抜け方が気になるときは診てもらってください。

Q. 人にうつりますか?

A. うつりません。乾癬は免疫の働きの異常による病気で、感染症ではありません。美容室やプールも問題ありません。

Q. フケが落ちて服が白くなるのが恥ずかしいです。

A. 薬で角質の積み重なりが減れば、フケは目に見えて減ります。明るい色の服を選ぶ、外出前に頭皮を軽くブラッシングしておく、といった工夫も有効です。「恥ずかしい」という理由で受診が遅れる方が多いのですが、治療で変わる部分なので、早めに相談してください。

受診の目安

  • 厚いかさぶたが生え際を越えて広がっている、市販のフケ用シャンプーで改善しない
  • ひじ・ひざ・爪にも似た皮疹がある
  • かきこわして出血する、じゅくじゅくする
  • 髪が抜けてきた、頭皮の皮疹が隠しきれずつらい

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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