DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
「しっかり洗っているのにニキビができる」「洗顔を変えたほうがいいですか」——診察室で毎日出る質問です。スキンケアの情報は多く、何が正解か分からなくなっている方がほとんどです。実際には、押さえるべき点は多くありません。
目次
洗顔で落とすもの・落としてはいけないもの
皮膚の表面には皮脂の膜があり、その下に水分を逃がさないバリアがあります。洗顔で落としたいのは、余分な皮脂・汗・ほこり・メイク・日焼け止めです。
落としてはいけないのは、バリアを作っている成分と、必要な分の皮脂です。ここを落としすぎると、乾燥する → 皮膚が皮脂を余計に出す → べたつくのでまた洗うという悪循環に入ります。「脂性肌だと思っていた方が、実は洗いすぎだった」というのはよくある話です。
基本の手順
- ぬるま湯で — 32〜34度くらい、熱いと感じない温度が目安です。熱いお湯は皮脂を必要以上に落とします
- 洗顔料はよく泡立てる — 泡は「汚れを浮かせるため」というより手と皮膚の間のクッションです。泡立てが足りないと、指が直接こすることになります
- こすらない・20秒以内で — 指の腹で泡を転がす程度。長く洗うほど落ちるわけではありません
- すすぎは多めに、ぬるま湯で — 生え際・あご・小鼻のわきは残りやすい場所です
- タオルは押さえるだけ — こすって拭くと、それだけで赤みやかゆみの原因になります
- 洗ったら保湿 — 洗顔と保湿はセットです。洗いっぱなしは乾燥を招きます(関連記事: 保湿剤の種類と使い分け)
肌の状態で変える
| 状態 | 朝 | 夜 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 乾燥・つっぱる | ぬるま湯だけでよい | 洗顔料で軽く | 1日2回を超えない。拭き取り化粧水を避ける |
| ニキビがある | 洗顔料で軽く | 洗顔料で | スクラブ・ブラシ・ゴシゴシ洗いは避ける。炎症を悪化させます |
| 赤み・ヒリつき(酒さなど) | ぬるま湯だけ | 低刺激の洗顔料で短時間 | 温度差・摩擦・アルコール配合を避ける(関連記事: 顔の赤み) |
| 脂っぽい・毛穴が気になる | 洗顔料で | 洗顔料で | 回数を増やしても皮脂は減りません(関連記事: 毛穴の開き) |
| メイク・日焼け止めをした日 | ぬるま湯〜軽く | クレンジングで落としてから洗顔 | 落とし残しは毛穴のつまりとかぶれの原因に |
| ひげ剃りをする | 洗顔してから剃る | 洗顔料で | 剃った後は保湿を(関連記事: カミソリ負け) |
「洗いすぎ」のサイン
- 洗った直後につっぱる、ヒリヒリする
- 化粧水がしみる
- 粉をふく、皮がめくれる
- 皮脂が気になるのに、部分的にカサつく
- 洗顔後しばらくして、かえってべたついてくる
思い当たるものがあれば、まず1週間、朝はぬるま湯だけにしてみてください。それで落ち着くなら、原因は洗顔料ではなく回数と力加減だったということになります。
診察室でよく聞かれる質問
| 質問 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 朝の洗顔は必要? | 乾燥している方はぬるま湯だけで構いません | 寝ている間につく汚れは皮脂と汗が中心で、湯で落とせるためです |
| ニキビ用の洗顔料に変えれば治る? | 洗顔だけでは治りません | ニキビは毛穴のつまりと炎症の病気で、治療は塗り薬が主だからです(関連記事: ニキビ治療) |
| 毛穴の黒ずみは洗えば取れる? | 強く洗っても取れません | 角栓は毛穴の中で固まっており、こすると炎症と色素沈着を招くため(関連記事: いちご鼻) |
| 洗顔ブラシや吸引器は使っていい? | 肌が荒れている時期は避けてください | 摩擦と吸引が刺激になり、赤みが悪化することがあるため |
| 子どもの顔も洗顔料で洗う? | 基本はぬるま湯とやさしい石けんで十分 | 皮膚が薄く、洗浄力の強い製品では乾燥しやすいためです |
受診の目安
- 受診 — 洗い方を見直して2週間たっても、赤み・ヒリつき・皮むけが続く
- 受診 — ニキビが増え続ける、痛みを伴うしこりができる。跡を残さないためには、炎症を早く止めることが要点です(関連記事: ニキビ跡)
- 早めに受診 — 化粧品を変えた後に急に赤く腫れた、まぶたが腫れた(関連記事: 化粧品が合わないと感じたら)
- 相談を — 何を使えばよいか分からず、製品が増え続けている。製品を足すより、減らして様子を見るほうが原因が分かります
あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。
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参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび(確認日: 2026-09-14)
- 日本皮膚科学会 診療ガイドライン一覧(確認日: 2026-09-14)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

