「高周波の美顔器を使ったら、頬に赤い点ができた」「EMSでピリッとした後、四角い跡が残った」「毎日使っていたら、かえって肌が荒れてきた」。家庭用美顔器はさまざまな種類が手軽に手に入るようになり、こうした相談も見られるようになりました。種類ごとに起きやすいトラブルと、手当ての方法を整理します。
美顔器で肌トラブルが起きる仕組み
美顔器は、熱・電気・光・振動などのエネルギーを肌に与えるものです。家庭用は出力を抑えて作られていますが、使い方によってはエネルギーが一点に集まり、肌を傷めることがあります。
| 種類 | 仕組み | 起きやすいトラブル |
|---|---|---|
| 高周波(RF)・温熱 | 電気のエネルギーで肌を内側から温める | 同じ場所に止めると熱がこもり、赤み・やけど |
| EMS・微弱電流 | 電気で筋肉や肌を刺激する | ジェルが少ない所や電極の端に電気が集まり、ピリピリ・点状や四角いやけど |
| LED・光 | 特定の色の光を当てる | 光に敏感になる薬を飲んでいるときの赤み、目へのまぶしさ |
| イオン導入 | 弱い電流で化粧品の成分をなじませる | 化粧品の成分によるかぶれ、ピリピリ |
| 振動・ローラー | こすったり振動を与えたりする | こすれによる赤み、くり返すと色素沈着 |
肌が乾燥している、ニキビや湿疹がある、日焼け直後など、バリアが弱っているときは、ふだんと同じ使い方でもトラブルが起こりやすくなります。肝斑(頬に左右対称に出るシミ)がある方は、こすったり熱を加えたりする刺激で濃くなることがあります。
症状と見分け方
- 一時的な赤み…使用直後に赤くなり、数時間で引くもの。多くは問題ありません。
- 刺激による皮膚炎…ヒリヒリ・赤み・皮むけが数日続くもの。
- やけど…水ぶくれ、かさぶた、電極やヘッドの形をした跡、点状の赤いただれ。
- かぶれ…かゆみが強く、ジェルや化粧品を塗った範囲に出るもの。
- 色素沈着…赤みが引いた後、数週間かけて茶色くなるもの。
手当てとセルフケア
- 使用をすぐにやめ、冷やす。濡らしたタオルや、タオルで包んだ保冷剤を当てます。
- こすらず、保湿する。刺激の少ない保湿剤やワセリンをやさしくのせます。
- 水ぶくれは破らない。皮が下の傷を守っているためです。
- 紫外線を避ける。炎症の後は色素沈着が起こりやすいので、帽子や日焼け止めで守ります。日焼け止めがしみる間は、帽子や日傘を中心にします。
- 治るまで美顔器とピーリング・スクラブはお休み。メイクも、しみるうちは控えめにします。
予防のための使い方
- 説明書の使用時間と頻度を守る(毎日長く使うほど効く、というものではありません)
- ヘッドは同じ場所に止めずに動かす。ジェルが必要な機種は十分な量を使う
- 目のまわりは、機種で使用可と書かれている場合だけ使う
- ペースメーカーなど体内に医療機器がある方、妊娠中の方は、使用できない機種が多いので説明書を確認する
- 顔にヒアルロン酸などの注入や糸の施術を受けた方は、施術を受けた医療機関に使ってよいか確認する
- ニキビ・湿疹・日焼け後など、肌が荒れているときは使わない
皮膚科での治療と、医療機関の施術との違い
皮膚科では、炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)や、傷を保護する塗り薬・被覆材でやけどや皮膚炎を治療します。色素沈着が残った場合は、時間とともに薄くなるのを待ちながら、紫外線対策と必要に応じた塗り薬・飲み薬を検討します。
医療機関で行う高周波やHIFUなどのたるみ治療は、家庭用より出力が高い機器を、医師の管理下で肌の状態を確認しながら使います。そのぶん効果が期待できる一方で、やけどや痛みなどのリスクもあり、費用は医療機関ごとに異なります。
※医療機関で行うたるみ治療(高周波・HIFU等)は保険適用外の自由診療です。費用は医療機関ごとに異なり、効果の感じ方には個人差があります。主なリスクとして、痛み・赤み・腫れ・やけど・色素沈着などがあります。
診察室でよく聞かれる質問
Q. 赤みが引いたら、また使っていいですか?
A. 皮むけやヒリヒリが完全におさまってから、時間を短く、弱い設定で再開してください。同じトラブルをくり返す場合は、その機種が肌に合っていない可能性があります。
Q. 毎日使ったほうが早く効果が出ますか?
A. 説明書の頻度を超えて使っても、効果が上がるとは限らず、肌への負担が増えます。決められた頻度を守ってください。
Q. 肝斑がありますが、美顔器を使ってもいいですか?
A. 肝斑はこすれや熱の刺激で濃くなることがあるため、使う前に皮膚科で相談するのがおすすめです。
受診の目安
- 水ぶくれ、かさぶた、ただれができた
- 赤みやヒリヒリが3日以上続く
- かゆみが強く、範囲が広がっている
- 赤みが引いた後、茶色いしみが残ってきた
- 目の痛み、見えにくさがある(眼科へ)
関連ページ
参考情報
- 日本美容外科学会(確認日: 2026-10-21)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-21)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

