「子どもの足の裏がガサガサで、ひび割れて痛がる」「水虫の薬を塗っても良くならない」「冬になると毎年悪化する」。若年性足底皮膚炎は、学童期の子どもに多い足の裏の皮膚炎です。水虫と間違われやすいのですが、原因も対策も違います。
若年性足底皮膚炎とは(仕組み)
主に3〜14歳ごろの子どもにみられます。子どもの足の裏は汗をたくさんかきます。通気性の悪い靴や化学繊維の靴下の中で汗で皮膚がふやけ、靴を脱ぐと急に乾く、というくり返しで、皮膚のバリア(うるおいを保つ働き)が壊れて炎症が起きると考えられています。
とくに体重がかかり、靴の中でこすれる足の裏の前の方に症状が出ます。アトピー性皮膚炎の体質がある子に多い傾向があります。カビ(真菌)や細菌による感染ではないため、人にうつることはありません。
症状・見分け方(水虫との違い)
- 足の裏の前の方、指の腹、かかとが赤く、テカテカ光ったようになる
- 表面が薄くむけて、ひび割れができ、歩くと痛い
- 左右の足に同じように出ることが多い
- かゆみは軽いことが多く、痛みの方が目立つ
- 冬に悪化しやすいが、夏に悪くなる子もいる
| 若年性足底皮膚炎 | 水虫(足白癬) | 汗疱・湿疹 | |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 学童期の子どもに多い | 子どもには少ない(家族に水虫があるとうつることがある) | 子どもにも大人にも |
| 場所 | 足の裏の前の方・指の腹。指の間はきれい | 指の間から始まることが多い | 足の裏・手のひら・指の横 |
| 見た目 | テカテカ・ひび割れ | 皮むけ・ふやけ・小さい水ぶくれ | 小さい水ぶくれ、かゆみが強い |
| 顕微鏡検査 | カビは見つからない | カビが見つかる | カビは見つからない |
見分けの決め手は、皮膚の表面を少し取って顕微鏡でカビを探す検査(真菌検査)です。痛みのない検査で、その日のうちに結果が分かることが多いです。水虫ではないのに水虫の薬を塗り続けると、かぶれてかえって悪化することがあります。
治療・セルフケア
治療の基本は、「ふやける→乾く」のくり返しを減らすことと保湿です。
- 靴下: 綿など汗を吸いやすい素材を選び、汗をかいたら替えます。学校に替えの靴下を持たせるのも効果的です
- 靴: 通気性の良いものを選び、同じ靴を毎日はかずに乾かす日をつくります。中敷きを取り外して乾かすのも役立ちます
- 保湿: 入浴後と朝に、ワセリンや保湿剤を足の裏に塗ります。油分の多いものの方が、ひび割れを守る効果が期待できます
- 炎症・ひび割れが強いとき: ステロイドの塗り薬を短期間使って炎症を抑えます。深いひび割れには、保護するテープや軟膏を重ねることもあります
- 裸足で過ごせる場面: 家の中では裸足で過ごし、足を蒸らさない時間をつくります
多くは思春期ごろまでに自然に落ち着いていきますが、それまでは季節ごとに良くなったり悪くなったりをくり返しやすいので、悪化しやすい季節の前から保湿を続けるのがコツです。
受診の目安
- ひび割れが痛くて歩くのをいやがる
- 保湿を2〜3週間続けても良くならない
- 水虫かどうか分からない、家族に水虫の人がいる
- ひび割れから赤く腫れて、膿が出ている(細菌が入っている可能性)
よくある質問
市販の水虫の薬を塗ってしまいました。
すぐに中止して大丈夫です。水虫の薬は刺激になることがあり、かぶれるとかえって赤みやひび割れが強くなります。受診時には、何を塗ったかを伝えてください。検査の前に水虫の薬を塗っていると、正確な結果が出にくくなることがあります。
上履きやスポーツはどうすればいいですか?
上履きや運動靴は蒸れやすいので、綿の靴下を履き、運動後に靴下を替えるのがおすすめです。運動をやめる必要はありません。
大人になっても続きますか?
多くは成長とともに落ち着きます。大人になっても続く場合は、手湿疹や汗疱など別の病気が関係していないか確認します。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 白癬(確認日: 2026-09-30)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-09-30)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

