「すねが赤く腫れて抗菌薬で治ったのに、半年後にまた同じ足が腫れた」「毎年のように入院している」。蜂窩織炎は、一度なった方が繰り返しやすい病気です。繰り返す理由と、再発を減らすためにできることを説明します。
蜂窩織炎とは(なぜ繰り返すのか)
蜂窩織炎は、皮膚の小さな傷から細菌が入り込み、皮膚の深いところや皮下脂肪で炎症が広がる病気です。赤く腫れて熱をもち、痛みがあり、発熱を伴うこともあります。すねや足に多く起こります。
繰り返しやすいのには理由があります。ひとつは、細菌の入り口が治っていないこと。もうひとつは、足にむくみがあると、入った細菌が広がりやすいことです。さらに、蜂窩織炎を起こすとリンパの流れ(体の余分な水分を回収する仕組み)が傷み、むくみが残りやすくなります。その結果、また蜂窩織炎を起こしやすくなる、という悪循環に入ることがあります。
再発しやすくする要因
次のような要因が重なっていないか、確認してみてください。多くの方に、いくつかが当てはまります。
| 要因 | なぜ再発につながるか | 対策 |
|---|---|---|
| 足の水虫(とくに指の間のただれ・皮むけ) | 皮膚が切れて、細菌の入り口になる | 皮膚科で検査して治療する |
| むくみ・リンパ浮腫 | 入った細菌が広がりやすい | 弾性ストッキング、足を高くする、適度な運動 |
| 静脈瘤・うっ滞性皮膚炎 | むくみと湿疹で皮膚が弱くなる | 湿疹の治療、圧迫療法 |
| 乾燥・かかとのひび割れ | 小さな傷が入り口になる | 毎日の保湿 |
| 肥満 | むくみやすく、皮膚どうしがこすれやすい | 体重の管理 |
| 糖尿病 | 感染に対する抵抗力が下がる | 血糖の管理、足の観察 |
予防のためにできること
予防でいちばん大切なのは、足の水虫を治すことです。指の間の皮むけや白くふやけた状態は、本人が水虫だと気づいていないこともあります。蜂窩織炎を繰り返す方は、皮膚科で足の指の間を顕微鏡で検査してもらってください。
- 足の観察と手入れ:お風呂で足の指の間まで洗い、よく乾かします。小さな傷やひび割れ、水虫がないか、毎日見る習慣をつけます。
- 保湿:すねやかかとの乾燥は、ひび割れの原因になります。お風呂上がりに保湿剤を塗ります。
- むくみ対策:弾性ストッキングの着用や、座っているときに足を台に乗せる、足首を動かすなどの方法があります。ただし、足の動脈の血流が悪い方は、圧迫で悪化することがあるため、弾性ストッキングは医師に相談してから使ってください。
- けがの手当て:虫刺されやすり傷も、きれいに洗って早めに手当てします。かきこわさないようにします。
年に何度も繰り返す場合は、予防のために抗菌薬を長く飲む方法がとられることもあります。必要かどうかは、再発の頻度や原因を見ながら医師が判断します。
診察室でよく聞かれる質問
Q. また腫れてきたら、前にもらった抗菌薬を飲んでもいいですか?
A. 自己判断で飲むのは勧めません。蜂窩織炎に見えても、別の病気(うっ滞性皮膚炎、痛風、血栓症など)のことがあり、必要な薬が違うためです。また、残った薬では量や日数が足りないことがあります。早めに受診してください。
Q. 腫れている間、お風呂に入ってもいいですか?
A. 熱が高いときや痛みが強いときは、シャワーで済ませてください。熱いお湯に長く入ると、赤みや腫れが強くなることがあります。足を清潔に保つこと自体は大切です。
Q. 足を冷やしたほうがいいですか?
A. 熱っぽさや痛みが強いときは、タオルで包んだ保冷剤で冷やすと楽になります。あわせて、足を心臓より高くして休むと腫れが引きやすくなります。
受診の目安
- 足やすねが赤く腫れて熱をもち、痛む
- 以前に蜂窩織炎になった足が、また腫れてきた
- 足の指の間がただれている、皮むけがある(水虫のことがあります)
- むくみが続いている、片足だけがむくむ
赤みが数時間単位で急に広がる、皮膚が紫色になる・水ぶくれや黒い部分ができる、見た目以上に激しく痛む、高熱やぐったりした様子がある場合は、重い感染症(壊死性筋膜炎など)の可能性があるため、すぐに救急外来を受診するか救急車(119番)を呼んでください。迷うときは救急安心センター(#7119)に相談できます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 白癬(水虫・たむし)(確認日: 2026-10-27)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-10-27)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

