「新生児の顔に石けんを使っていいの?」「保湿はいつから、どのくらい塗ればいい?」。赤ちゃんの肌は、生まれた直後から数か月の間に、皮脂が多い時期と乾燥しやすい時期を経て大きく変化します。毎日の洗い方と保湿は、湿疹やかぶれを防ぐいちばんの基本です。月齢ごとの肌の特徴と、具体的な洗い方・保湿のしかたを説明します。
赤ちゃんの肌の特徴(仕組み)
赤ちゃんの皮膚は、大人と比べて次のような特徴があります。
- 角層が薄い:外からの刺激や乾燥に弱く、水分が逃げやすい
- 生後2〜3か月ごろまでは皮脂が多い:お母さんからのホルモンの影響で、顔や頭に皮脂が多く、乳児湿疹や新生児ニキビが出やすい時期です
- 生後3か月ごろ以降は乾燥しやすい:皮脂の量が減り、カサカサしやすくなります
- 汗をかきやすい:体の大きさの割に汗腺が多く、あせもができやすい
つまり、前半は「皮脂を落とすこと」、後半は「乾燥を防ぐこと」が大切になります。どちらの時期も、洗うことと保湿することの両方が基本です。
正しい洗い方の手順
- お湯の温度は38〜40℃:大人が少しぬるいと感じる程度。肘の内側で温度を確かめます
- 石けんをよく泡立てる:泡立てネットなどで、きめの細かい泡を作ります。泡で出てくるタイプのベビーソープも便利です
- 手で洗う:ガーゼやタオルでこするより、泡をのせた手でなでるように洗うほうが、皮膚への負担が少なくなります
- 顔も石けんで:皮脂が多い時期は、顔にも泡をのせて洗います。目に入らないよう、額から外側へ
- しわの奥を広げて洗う:首・わき・肘や膝の内側・ももの付け根・耳の後ろは、指でしわを広げて洗います
- すすぎは丁寧に:泡が残ると刺激になります。とくにしわの奥と、頭の生え際
- 押さえ拭き:やわらかいタオルで、こすらずに押さえるように水気を取ります。しわの奥の水分もしっかり取ります
部位ごとのポイント
| 部位 | よくあるトラブル | 洗い方・ケアのポイント |
|---|---|---|
| 頭・眉 | 黄色いかさぶたのようなフケ(乳児脂漏性湿疹) | 石けんで洗い、かさぶたはオイルでふやかしてから無理なく落とす |
| 顔・ほっぺ | 赤いブツブツ、カサカサ | 石けんで洗い、こすらない。よだれや食べこぼしは押さえ拭き |
| 首・わき | しわの奥の赤み・ただれ | しわを広げて洗い、水気をしっかり取る |
| おしり・陰部 | おむつかぶれ | うんちのときはぬるま湯で流す。こすらず、乾かしてからおむつを |
| 手のひら・足の裏 | 汚れがたまる、指の間のただれ | 握っている指を開いて洗う |
保湿のしかた(セルフケア)
- お風呂上がりすぐに:皮膚が湿っているうちに、全身に塗ります
- 量はたっぷり:塗ったあと、皮膚が少しテカるくらい、ティッシュが軽く貼りつくくらいが目安です
- こすらずにのせる:手のひらに取り、皮膚の上にのせて広げるように塗ります
- 1日2回が理想:お風呂上がりと朝の着替えのときなど
- 保湿剤の種類:ワセリン、赤ちゃん用のローションやクリームなど。香料や刺激の少ないものを選びます
生まれてすぐから保湿を続けることで、湿疹ができにくくなる可能性があるという研究報告もあります。保湿は、トラブルが出てからではなく、毎日の習慣として続けてください。
よくある質問
Q. 毎日石けんを使うと、乾燥しませんか?
A. 赤ちゃんの皮膚には、汗・皮脂・よだれ・便などの汚れが毎日つきます。よく泡立てた石けんでやさしく洗い、しっかりすすいで、すぐに保湿すれば、毎日石けんを使ってかまいません。乾燥がとくに強い時期や部位は、石けんの回数を減らすこともあります。
Q. 沐浴はいつまで続ければいいですか?
A. 一般的には、生後1か月ごろまでは沐浴(ベビーバスで大人とは別に入れること)が勧められています。その後は大人と一緒のお風呂に入れてかまいません。
Q. 乳児湿疹ができたら、保湿だけで治りますか?
A. 軽いものは、洗い方と保湿で落ち着くことがあります。赤みが強い、ジュクジュクしている、かゆがってこする、1〜2週間続くといった場合は、炎症を抑える塗り薬が必要なことがあります。
受診の目安
- 洗い方と保湿を見直しても、赤み・ブツブツが1〜2週間続く
- ジュクジュクしている、かさぶたが厚い、黄色い汁が出る
- かゆがって顔をこすりつける、眠れない
- しわの奥がただれて、洗うと痛がる
- 発熱を伴う発疹、水ぶくれが広がる
夜間や休日で受診すべきか迷うときは、子ども医療電話相談(#8000)に相談できます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎(確認日: 2026-11-01)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A一覧(確認日: 2026-11-01)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

