「手のひらに小さなぶつぶつができて、かゆい」「足の裏に黄色い点がたくさんあり、皮がむける」「水虫の薬を塗っても治らない」。手のひらや足の裏のぶつぶつは、見た目が似ていて、自分で区別するのは難しいものです。代表的な2つの病気の違いを整理します。
汗疱と掌蹠膿疱症とは(仕組み)
汗疱(異汗性湿疹)は、手のひらや指の側面に、小さな透明の水ぶくれがたくさんできる湿疹の一種です。汗の多い季節(春〜夏)に悪化しやすく、汗や金属へのアレルギー、手の刺激などが関係していると考えられています。
掌蹠膿疱症は、手のひらと足の裏に、膿の入ったぶつぶつ(膿疱)が繰り返しできる病気です。膿といっても細菌が入っているわけではなく、免疫の働きの乱れによって白血球が集まったもので、人にはうつりません。喫煙と強い関係があることが知られており、扁桃や歯の慢性的な炎症(虫歯、歯周病、歯科の金属)が悪化の引き金になることもあります。
症状・見分け
| 項目 | 汗疱(異汗性湿疹) | 掌蹠膿疱症 |
|---|---|---|
| ぶつぶつの中身 | 透明な水 | 黄色い膿(水ぶくれから膿に変わることも) |
| 出やすい場所 | 指の側面、手のひら。足の裏にも | 手のひらの中央、土踏まず、かかと。両手両足に左右対称 |
| 経過 | 水ぶくれが乾いて、皮がむけて治る | 水ぶくれ→膿→茶色いかさぶた→皮がむける、を繰り返す |
| かゆみ | 強いことが多い | あることもある。悪化時はかゆみや痛み |
| 季節 | 春〜夏に悪化しやすい | 季節に関係なく続く |
| ほかの症状 | なし | 鎖骨や胸の骨、背骨の痛みを伴うことがある。爪の変形 |
| 関係するもの | 汗、金属アレルギー、手の刺激 | 喫煙、扁桃炎、虫歯・歯周病、歯科の金属 |
手足のぶつぶつでは、水虫(白癬)との区別も欠かせません。足の水虫でも、小さな水ぶくれがたくさんできることがあるためです。皮膚の一部を取って顕微鏡でカビ(真菌)がいるかを調べれば、その場で区別できます。
治療・セルフケア
汗疱の治療
- 炎症を抑える塗り薬: ステロイド外用薬でかゆみと水ぶくれを抑えます
- 保湿: 皮がむけた後は乾燥しやすいため、保湿で皮膚を守ります
- 汗と刺激を減らす: 汗をこまめに拭く、洗剤を使うときは手袋をする
掌蹠膿疱症の治療
- 塗り薬: ステロイド外用薬と、活性型ビタミンD3の塗り薬が基本です
- 禁煙: 喫煙している人では、禁煙が最も大切な治療のひとつです。治りにくさに直結するためです
- 歯と扁桃の治療: 虫歯や歯周病、慢性の扁桃炎があれば治療します。歯科の金属が関係している場合もあり、歯科医と相談しながら進めます
- 光線療法: 塗り薬で足りない場合に、紫外線を当てる治療を組み合わせます
- 飲み薬・注射の薬: 症状が強い場合や、骨・関節の痛みがある場合は、飲み薬や生物学的製剤(注射)を検討します
掌蹠膿疱症は良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、きっかけを取り除き、治療を続けることで落ち着いていく人が多い病気です。
受診の目安
- 手のひらや足の裏に、黄色い膿のぶつぶつがある
- 水ぶくれやぶつぶつが何度も繰り返す
- 市販の水虫薬やかゆみ止めを使っても良くならない
- 胸の真ん中や鎖骨のあたり、背中が痛む
- 皮がむけてひび割れ、歩くと痛い、物を持つと痛い
診察室でよく聞かれる質問
掌蹠膿疱症の膿は、人にうつりますか?
うつりません。膿の中に細菌はおらず、免疫の働きの乱れで集まった白血球です。家族とタオルを分ける必要もありません。
たばこを減らすだけでもいいですか?
減らすことにも意味はありますが、掌蹠膿疱症と喫煙の関係は強いため、やめることを目指すのが勧められます。禁煙外来などの支援を使うのもよい方法です。
汗疱は、汗をかかないようにすれば治りますか?
汗は悪化のきっかけのひとつですが、汗を止めれば治るわけではありません。かゆみや水ぶくれがあるときは塗り薬で炎症を抑え、そのうえで汗をこまめに拭く、手の刺激を減らすといった対策を組み合わせます。
関連ページ
参考情報
- 日本皮膚科学会 ガイドライン一覧(確認日: 2026-10-13)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 白癬(確認日: 2026-10-13)
本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

