更年期に肌が変わるのはなぜ?乾燥・かゆみ・薄毛・顔のほてりへの向き合い方

更年期に肌が変わるのはなぜ?乾燥・かゆみ・薄毛・顔のほてりへの向き合い方
DERMATOLOGY GUIDE | GENERAL DERMATOLOGY
更新日: 2026年9月14日執筆: あび皮膚科クリニック編集部医師紹介

「今までと同じ化粧品なのに乾く」「夜になると背中や脚がかゆい」「分け目が広がった気がする」——40代後半から50代の方の診察で、重なって出てくる訴えです。別々の悩みに見えて、背景にある変化は一つであることが少なくありません。

目次

何が起きているのか

女性ホルモン(エストロゲン)は、皮膚に対して次のような働きをしています。

  • 皮膚の水分を保つ成分を増やす
  • 真皮のコラーゲンを保つ — 皮膚の厚みと弾力に関わります
  • 皮脂の分泌に関わる — 減ると表面の油分が減ります
  • 髪の成長期を保つ — 減ると髪が太く育つ前に抜けやすくなります

閉経の前後でこのホルモンが減ると、皮膚は薄く、乾きやすく、刺激を受けやすい状態になります。つまり「肌が弱くなった」という実感は、実際に起きている変化を正しく捉えているということです。

SKIN STRUCTURE — CROSS SECTION 表皮(バリアの層・約0.2mm) 真皮(弾力を支える層) 皮下組織(脂肪の層) 毛穴(毛包) 皮脂腺皮脂を分泌して肌を保護 汗腺汗をつくる 皮膚の表面が粉をふき、ひび割れる
皮膚の水分と皮脂が減ると、表面が粉をふき、刺激が届きやすくなる図: あび皮膚科メディア編集部作成(イメージ図であり、実際の構造を簡略化しています)

更年期に増える皮膚の訴えと、対応

訴え 起きていること まずすること
全身の乾燥・粉ふき・かゆみ 水分と皮脂が減り、バリアが弱る 入浴後すぐの保湿。かゆみが強ければ塗り薬(関連記事: 乾燥肌)
顔の乾燥・ヒリつき 皮膚が薄くなり刺激に弱くなる 洗いすぎをやめ、製品の数を減らす
顔のほてり・赤み 血管の拡張。酒さが重なることも 誘因(辛い物・アルコール・急な温度差)を避ける(関連記事: 顔の赤み)
頭頂部・分け目の薄毛 髪の成長期が短くなる 治療の選択肢があります(関連記事: 女性の薄毛)
あご・口まわりに太い毛 女性ホルモンが減り相対的な変化が出る 処理してよい。急な変化は受診を
しわ・たるみが目立つ コラーゲンの減少 紫外線対策が土台(関連記事: しわの基礎知識)
爪が割れる・二枚爪 爪も乾燥の影響を受ける 水仕事の手袋と保湿(関連記事: 爪が割れる)

今日からできること

  • 入浴を変える — お湯はぬるめ、長湯を避ける。熱いお湯は皮脂を必要以上に落とします。ナイロンタオルでこするのはやめてください(関連記事: 入浴と皮膚)
  • 洗浄剤を見直す — 毎日すべての場所を石けんで洗う必要はありません。乾燥してかゆい部分は、お湯で流すだけで十分な日があってよいです
  • 保湿は「量」と「タイミング」 — 入浴後できるだけ早く、ケチらずに塗ります。塗った後にティッシュが軽くつく程度が目安です(関連記事: 保湿剤の種類と使い分け)
  • かゆみは我慢しない — かくと皮膚が傷つき、さらにかゆくなります。この繰り返しに入る前に受診したほうが、結果的に治療は短く済みます
  • 紫外線対策を続ける — しみ・しわ・皮膚の薄さのいずれにも関わります
  • 婦人科の治療も選択肢 — ほてり・発汗・気分の変化が強い場合、ホルモン補充療法などの治療が婦人科で行われます。皮膚症状だけを目的に行うものではありませんが、全身症状がつらい方は相談する価値があります

診察室でよく聞かれる質問

質問 答え 理由
高い化粧品に変えれば治る? 値段より「保湿量と回数」です 足りていないのは成分の種類より塗る量であることが多いため
コラーゲンを飲むと肌に戻る? 直接そのまま肌のコラーゲンになるわけではありません 消化されてから吸収されるため。期待だけで高額な支出をしないでください
かゆみ止めの飲み薬は効く? 補助にはなります 乾燥が原因のかゆみは保湿が主役で、飲み薬だけでは戻るため(関連記事: かゆみ止めの飲み薬)
発疹はないのにかゆい 受診してください 乾燥のほか、内科の病気が隠れていることがあるため(関連記事: 発疹がないのにかゆい)
薄毛は皮膚科と婦人科どちら? まず皮膚科で構いません 脱毛の型を見て、他の原因(甲状腺・貧血など)の評価につなげられるためです

受診の目安

  • 受診 — 保湿を続けてもかゆみが2週間以上続く/かき壊してじくじくする/夜眠れない
  • 早めに受診 — 発疹がないのに全身がかゆい/急に髪が大量に抜ける/体重減少やだるさを伴う
  • 婦人科へ — ほてり・発汗・動悸・気分の落ち込みが日常生活に影響している
  • 相談を — 今のスキンケアが合っているか分からない。合わない製品を足し続けるより、一度整理するほうが早く落ち着きます

あび皮膚科クリニックは2027年の開業を予定しています。開業のお知らせやご質問・ご意見は、お問い合わせフォームからお寄せいただけます。

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参考情報

本記事は皮膚科領域の一般的な公開情報に基づいて作成しています。個別の症状の判断は、必ず医療機関でご相談ください。

アマデアル亜琵医師(日本専門医機構認定 皮膚科専門医)

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